バレンタイン
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「今日は、バレンタインっていう南蛮の行事の日なんだって」
「へー、そうなんだ」
僕は今医務室で薬棚の整理をしている。
それを忍術学園のお手伝いさんであるやす菜にも手伝ってもらっていた。
「しんべヱ君に教えて貰ったんだけど…なんでもそのバレンタインには女の人が男の人に贈り物をするらしいの」
「へぇ~」
「て、ことで…はい」
「え?」
やす菜が懐から小さな包みを取り出して僕に差し出した。
「私から伊作君に。」
「えっ…僕に?もらってもいいの?」
「もちろん。…伊作君には本当にいつもお世話になっているし…日頃の感謝も込めて。あと…」
そこでやす菜は一旦言葉を止めた。
「…あと?」
僕が先を促すように尋ねると、やす菜は恥ずかしそうに笑い、「何でもないわ」と言った。
僕はそこから先はあまり深く追及しないことにした。
「そっか。ね、今食べてもいい?」
やす菜の手から包みを受け取りそう聞くとやす菜は微笑みながら1つ頷いた。
お許しをもらったので包みを開いて見ると、そこにはとても美味しそうな焼き菓子が入っていた。
「わぁ!美味しそう!!」
「頂きます!」と言って1つ手に取り口に運ぼうとした、その時
「いけどんアターック!」
バキャッ
ズダーンッ
「「…………」」
いつものように元気いっぱいな小平太の声がしたかと思うと、バレーボールが保健室の障子戸を突き破り、僕とやす菜の間をすり抜けて薬棚に当たった。
薬棚は頑丈に作ってあるので問題はなかったし、僕とやす菜にもボールは当たることがなかったので怪我はない。
…しかし…
「あ~~~~!!」
僕は無残にも粉々になった菓子を見て嘆く。
バレーボールは僕の持っていた菓子の包みを巻き込んで薬棚に直撃した。
そのため、薬棚とバレーボールに挟み撃ちになった菓子は粉々になって床に落ちた。
「お菓子が…やす菜が作ってくれた焼き菓子が…」
慣れっこになっていたはずの自分の不運をこの時はものすごく恨んだ。
何もこんな時にまで不運発動しなくたって!!
「い、伊作君…」
ものすごく落ち込む僕に、やす菜は心配そうに声を掛ける。
「ごめんよ…やす菜…せっかく作ってくれたお菓子を無駄にしちゃって…」
「そんな…伊作君が謝る事じゃないわ。事故だし…それと…」
「あ、でも…一枚だけ、手に持ってたから無事だったんだ」
僕は唯一残っていた焼き菓子を口に入れる。
その焼き菓子はふんわりと口の中で溶けて、甘くてとても美味しかった。
「美味しい!!やす菜、このお菓子、すっごく美味しいよ!!」
「ほんと!?よかったぁ!!」
僕の素直は賛辞にやす菜は嬉しそうに笑った。
「あ~…でも、そうなると余計に惜しかったなぁ…」
食べられなかったお菓子の残骸を見て、やっぱり僕は残念な気持ちになる。
「…伊作君…実はね…」
「ん?」
やす菜に声を掛けられてそっちを見ると、先程と同じ包みを持っていた。
「え、やす菜…それ…」
「…『問題ない。予備がある』…なんちゃって」
仙蔵の口癖を真似てやす菜はニコッと笑う。
「こんな事もあろうかと、もう1個用意しておいたの。」
「やす菜…」
僕が彼女の準備の良さに驚きを隠せずやす菜を見た。
「…もう、ここに来て結構経つもの。こんな事故は予測済みよ」
ふふっとやす菜は笑った。
「はい。伊作君。これも…受け取って下さい」
「…いいの?」
「君のことを想いながら、一生懸命作りました。だから…どうか受け取って下さい」
ちょっとだけかしこまった言い方で、やす菜はとても嬉しい言葉を言ってくれた。
「僕の事を想いながらって…本当?」
「…バレンタインは、女性から男性に告白する行事でもあるんだって」
少し目を伏せて、そう言うやす菜の頬は、ほんのり赤く染まっていた…
「…僕、知っての通り不運だよ?」
「そういうところもひっくるめて、好き。だって、全部伊作君だもの」
「私の気持ちが迷惑なら突き返してもいいから」と、差し出されたお菓子の包み。
僕はそれをやす菜の手ごと包むように受け取った。
「…ありがとう…すごく、嬉しいよ」
本当に、本当に嬉しくて、心からの笑みを浮かべた。
やす菜も、そんな僕につられて笑った。
「ね、よかったらこのお菓子一緒に食べない?」
「え?いいの?だってそれ伊作君にあげたのに…」
「僕がやす菜と一緒に食べたいんだよ。…だめ、かな?」
「…ううん!!ありがとう!!じゃぁ、お茶入れるね!!」
そう言ってやす菜はお茶を淹れる用意をした。
僕は包みからもう一つお菓子を取り出して口に含んだ。
そのお菓子は先程食べた以上に、甘くて優しい味がした。
(小さな不運のあとに、大きな幸運が舞い込んできた)
不運すらも忘れられるくらいの幸運を手にした伊作君
*************************
ちゃんとほの甘になってるかな?
次は鉢屋!!
「へー、そうなんだ」
僕は今医務室で薬棚の整理をしている。
それを忍術学園のお手伝いさんであるやす菜にも手伝ってもらっていた。
「しんべヱ君に教えて貰ったんだけど…なんでもそのバレンタインには女の人が男の人に贈り物をするらしいの」
「へぇ~」
「て、ことで…はい」
「え?」
やす菜が懐から小さな包みを取り出して僕に差し出した。
「私から伊作君に。」
「えっ…僕に?もらってもいいの?」
「もちろん。…伊作君には本当にいつもお世話になっているし…日頃の感謝も込めて。あと…」
そこでやす菜は一旦言葉を止めた。
「…あと?」
僕が先を促すように尋ねると、やす菜は恥ずかしそうに笑い、「何でもないわ」と言った。
僕はそこから先はあまり深く追及しないことにした。
「そっか。ね、今食べてもいい?」
やす菜の手から包みを受け取りそう聞くとやす菜は微笑みながら1つ頷いた。
お許しをもらったので包みを開いて見ると、そこにはとても美味しそうな焼き菓子が入っていた。
「わぁ!美味しそう!!」
「頂きます!」と言って1つ手に取り口に運ぼうとした、その時
「いけどんアターック!」
バキャッ
ズダーンッ
「「…………」」
いつものように元気いっぱいな小平太の声がしたかと思うと、バレーボールが保健室の障子戸を突き破り、僕とやす菜の間をすり抜けて薬棚に当たった。
薬棚は頑丈に作ってあるので問題はなかったし、僕とやす菜にもボールは当たることがなかったので怪我はない。
…しかし…
「あ~~~~!!」
僕は無残にも粉々になった菓子を見て嘆く。
バレーボールは僕の持っていた菓子の包みを巻き込んで薬棚に直撃した。
そのため、薬棚とバレーボールに挟み撃ちになった菓子は粉々になって床に落ちた。
「お菓子が…やす菜が作ってくれた焼き菓子が…」
慣れっこになっていたはずの自分の不運をこの時はものすごく恨んだ。
何もこんな時にまで不運発動しなくたって!!
「い、伊作君…」
ものすごく落ち込む僕に、やす菜は心配そうに声を掛ける。
「ごめんよ…やす菜…せっかく作ってくれたお菓子を無駄にしちゃって…」
「そんな…伊作君が謝る事じゃないわ。事故だし…それと…」
「あ、でも…一枚だけ、手に持ってたから無事だったんだ」
僕は唯一残っていた焼き菓子を口に入れる。
その焼き菓子はふんわりと口の中で溶けて、甘くてとても美味しかった。
「美味しい!!やす菜、このお菓子、すっごく美味しいよ!!」
「ほんと!?よかったぁ!!」
僕の素直は賛辞にやす菜は嬉しそうに笑った。
「あ~…でも、そうなると余計に惜しかったなぁ…」
食べられなかったお菓子の残骸を見て、やっぱり僕は残念な気持ちになる。
「…伊作君…実はね…」
「ん?」
やす菜に声を掛けられてそっちを見ると、先程と同じ包みを持っていた。
「え、やす菜…それ…」
「…『問題ない。予備がある』…なんちゃって」
仙蔵の口癖を真似てやす菜はニコッと笑う。
「こんな事もあろうかと、もう1個用意しておいたの。」
「やす菜…」
僕が彼女の準備の良さに驚きを隠せずやす菜を見た。
「…もう、ここに来て結構経つもの。こんな事故は予測済みよ」
ふふっとやす菜は笑った。
「はい。伊作君。これも…受け取って下さい」
「…いいの?」
「君のことを想いながら、一生懸命作りました。だから…どうか受け取って下さい」
ちょっとだけかしこまった言い方で、やす菜はとても嬉しい言葉を言ってくれた。
「僕の事を想いながらって…本当?」
「…バレンタインは、女性から男性に告白する行事でもあるんだって」
少し目を伏せて、そう言うやす菜の頬は、ほんのり赤く染まっていた…
「…僕、知っての通り不運だよ?」
「そういうところもひっくるめて、好き。だって、全部伊作君だもの」
「私の気持ちが迷惑なら突き返してもいいから」と、差し出されたお菓子の包み。
僕はそれをやす菜の手ごと包むように受け取った。
「…ありがとう…すごく、嬉しいよ」
本当に、本当に嬉しくて、心からの笑みを浮かべた。
やす菜も、そんな僕につられて笑った。
「ね、よかったらこのお菓子一緒に食べない?」
「え?いいの?だってそれ伊作君にあげたのに…」
「僕がやす菜と一緒に食べたいんだよ。…だめ、かな?」
「…ううん!!ありがとう!!じゃぁ、お茶入れるね!!」
そう言ってやす菜はお茶を淹れる用意をした。
僕は包みからもう一つお菓子を取り出して口に含んだ。
そのお菓子は先程食べた以上に、甘くて優しい味がした。
(小さな不運のあとに、大きな幸運が舞い込んできた)
不運すらも忘れられるくらいの幸運を手にした伊作君
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ちゃんとほの甘になってるかな?
次は鉢屋!!