大きくなったあの子からのプロポーズ
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「俺、でかくなりましたよね」
不意に、団蔵が呟いた。
「どうしたの?突然」
その言葉にやす菜は庭を掃いていた手を止め、団蔵を見た。
「いや、なんとなくふと思って…」
やす菜の手伝いをしていた団蔵も、動かしていた手を止めてジッと彼女を見た。
「…俺、初めて会った時はやす菜さんの顎くらいの背でしたよね。」
「そうねぇ…今はすっかり抜かされてしまったけれど…」
出会ってから六年経った今ではやす菜が団蔵を見上げるようになった。
「それが、どうかしたの?」
「いやぁ~、自分でも意識しない内にこんなにでかくなっていたんだなぁって。…背だけじゃなくて、手も…」
団蔵は箒を自分の肩に立て掛けると、やす菜の左手を箒から外して自分の手のひらと合わせた。
「今じゃやす菜さんの手、こんなにちっちゃい」
「私の手が小さいんじゃなくて、団蔵君の手が大きいのよ」
昔は自分の第一関節までだった手の大きさも、今では一回り大きくなっている…
やす菜はなんだか感慨深い気持ちになった。
「…いつのまにか、こんなに大きくなっていたのね…」
団蔵の手は、忍術の修行や馬術などのせいか十五という年齢にしてはゴツゴツとしてたくましかった。
「もう、やす菜さんの手が収まりますよ」
ほら、と両手でやす菜の手をすっぽり包んだ。
「あら、ホント…」
ふふっ。とやす菜が笑うと、団蔵もつられて笑った。
「やす菜さん」
名を呼ばれ、手から団蔵へと視線を移す。
「なぁに?団蔵君」
先ほどと同じく、団蔵は笑っていたが、何処か様子が違った…
「俺、でかくなりました」
もう一度、最初に言った言葉を、団蔵は言う。
「体も、手も…昔よりもずっとでかくなりました。それと…」
「っきゃ!?」
カラン…と箒が地面に落ちる。
…やす菜は団蔵に横抱きされた。
「力も、大分付きました。やす菜さんを軽々と抱き上げられるくらいに」
やす菜を抱き上げたまま、団蔵はその場をぐるん。と一回転した。
「わっ!!」
驚いて思わず団蔵の首に腕を回して抱きついたが、すぐにハッとなって体を離した。
「ご、ごめんね団蔵君。びっくりしちゃって…」
「いえ」
やす菜が謝ったが、団蔵はにこーっと笑った。
「…団蔵君?」
「俺、もっと強くなります」
横抱きにしたままのやす菜に、団蔵は言う。
「今よりももっと、もっと…卒業するときには、やす菜さんを守れるくらい強くなります。」
「…私を守れるくらい…?」
「はい」
団蔵が微笑んだ。
その顔は、普段の団蔵のイメージと違ってとても大人びていて…今までやす菜の見たことのない顔だった…
「だから、卒業したら、俺と一緒に加藤村に行って、馬借の若女将になってくれませんか?」
「………………え?」
やす菜が団蔵の言葉に驚いていると、突然、団蔵がその場を飛び退いた。
次の瞬間、ストトトトっと、地面に手裏剣が突き刺さった。
呆然とやす菜がそれを眺めていると、近くの木から誰かが下りてきた。
「だ~ん~ぞ~う~」
「……きり丸…」
団蔵に向かって手裏剣を投げ、木から下りてきたのはやす菜の最愛の弟・きり丸
「何だよ、きり丸。俺の一世一代のプロポーズを邪魔するなよ」
「馬鹿言ってんじゃねぇ!!てめぇ何俺の許しも得ずに姉ちゃんにプロポーズしてやがんだ!!」
「いいじゃん、別に」
「よくねぇ!!」
「しょーがないだろ~俺、やす菜さんに心底惚れてんだから…我慢できなかったんだ…やす菜さん」
「…はい?」
チュッ
「あ~~~~~!!!」
きり丸が絶叫する。…団蔵がやす菜の額に軽いキスをした。
やす菜はびっくりして目を丸くしている。
そんなやす菜をそっと地面に下ろすと、団蔵は二カッと笑った。
「良い返事、期待してます」
そう言うと団蔵はすぐさま逃げ出した。
「…団蔵…殺す!!」
きり丸も懐から縄標を取り出すと振り回しながら団蔵を追い掛ける。
そんな二人の姿を見送って、やす菜はそっと額に手を当てた…
「…馬借の若女将かぁ…」
小さな呟きを聞いた者は、誰もいなかった
大きくなったあの子からのプロポーズ
****************************
ぼやきを1つ実現させてみました~!!団蔵は男前←
団蔵がきり丸姉を好きになるとするなら、きっと四年辺り。
自分が一年だったときの六年も五年も四年も居なくなってからある日ふと恋心に目覚める感じで。それまでは友達のお姉さんとして慕っていました^^
恋心を自覚しても、きり丸姉の前にはきり丸という高い壁が立ちふさがって居るぞ!!頑張れ団蔵!!←
不意に、団蔵が呟いた。
「どうしたの?突然」
その言葉にやす菜は庭を掃いていた手を止め、団蔵を見た。
「いや、なんとなくふと思って…」
やす菜の手伝いをしていた団蔵も、動かしていた手を止めてジッと彼女を見た。
「…俺、初めて会った時はやす菜さんの顎くらいの背でしたよね。」
「そうねぇ…今はすっかり抜かされてしまったけれど…」
出会ってから六年経った今ではやす菜が団蔵を見上げるようになった。
「それが、どうかしたの?」
「いやぁ~、自分でも意識しない内にこんなにでかくなっていたんだなぁって。…背だけじゃなくて、手も…」
団蔵は箒を自分の肩に立て掛けると、やす菜の左手を箒から外して自分の手のひらと合わせた。
「今じゃやす菜さんの手、こんなにちっちゃい」
「私の手が小さいんじゃなくて、団蔵君の手が大きいのよ」
昔は自分の第一関節までだった手の大きさも、今では一回り大きくなっている…
やす菜はなんだか感慨深い気持ちになった。
「…いつのまにか、こんなに大きくなっていたのね…」
団蔵の手は、忍術の修行や馬術などのせいか十五という年齢にしてはゴツゴツとしてたくましかった。
「もう、やす菜さんの手が収まりますよ」
ほら、と両手でやす菜の手をすっぽり包んだ。
「あら、ホント…」
ふふっ。とやす菜が笑うと、団蔵もつられて笑った。
「やす菜さん」
名を呼ばれ、手から団蔵へと視線を移す。
「なぁに?団蔵君」
先ほどと同じく、団蔵は笑っていたが、何処か様子が違った…
「俺、でかくなりました」
もう一度、最初に言った言葉を、団蔵は言う。
「体も、手も…昔よりもずっとでかくなりました。それと…」
「っきゃ!?」
カラン…と箒が地面に落ちる。
…やす菜は団蔵に横抱きされた。
「力も、大分付きました。やす菜さんを軽々と抱き上げられるくらいに」
やす菜を抱き上げたまま、団蔵はその場をぐるん。と一回転した。
「わっ!!」
驚いて思わず団蔵の首に腕を回して抱きついたが、すぐにハッとなって体を離した。
「ご、ごめんね団蔵君。びっくりしちゃって…」
「いえ」
やす菜が謝ったが、団蔵はにこーっと笑った。
「…団蔵君?」
「俺、もっと強くなります」
横抱きにしたままのやす菜に、団蔵は言う。
「今よりももっと、もっと…卒業するときには、やす菜さんを守れるくらい強くなります。」
「…私を守れるくらい…?」
「はい」
団蔵が微笑んだ。
その顔は、普段の団蔵のイメージと違ってとても大人びていて…今までやす菜の見たことのない顔だった…
「だから、卒業したら、俺と一緒に加藤村に行って、馬借の若女将になってくれませんか?」
「………………え?」
やす菜が団蔵の言葉に驚いていると、突然、団蔵がその場を飛び退いた。
次の瞬間、ストトトトっと、地面に手裏剣が突き刺さった。
呆然とやす菜がそれを眺めていると、近くの木から誰かが下りてきた。
「だ~ん~ぞ~う~」
「……きり丸…」
団蔵に向かって手裏剣を投げ、木から下りてきたのはやす菜の最愛の弟・きり丸
「何だよ、きり丸。俺の一世一代のプロポーズを邪魔するなよ」
「馬鹿言ってんじゃねぇ!!てめぇ何俺の許しも得ずに姉ちゃんにプロポーズしてやがんだ!!」
「いいじゃん、別に」
「よくねぇ!!」
「しょーがないだろ~俺、やす菜さんに心底惚れてんだから…我慢できなかったんだ…やす菜さん」
「…はい?」
チュッ
「あ~~~~~!!!」
きり丸が絶叫する。…団蔵がやす菜の額に軽いキスをした。
やす菜はびっくりして目を丸くしている。
そんなやす菜をそっと地面に下ろすと、団蔵は二カッと笑った。
「良い返事、期待してます」
そう言うと団蔵はすぐさま逃げ出した。
「…団蔵…殺す!!」
きり丸も懐から縄標を取り出すと振り回しながら団蔵を追い掛ける。
そんな二人の姿を見送って、やす菜はそっと額に手を当てた…
「…馬借の若女将かぁ…」
小さな呟きを聞いた者は、誰もいなかった
大きくなったあの子からのプロポーズ
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ぼやきを1つ実現させてみました~!!団蔵は男前←
団蔵がきり丸姉を好きになるとするなら、きっと四年辺り。
自分が一年だったときの六年も五年も四年も居なくなってからある日ふと恋心に目覚める感じで。それまでは友達のお姉さんとして慕っていました^^
恋心を自覚しても、きり丸姉の前にはきり丸という高い壁が立ちふさがって居るぞ!!頑張れ団蔵!!←