予算会議withトリップ主
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一番手・生物
「左吉。団蔵。」
「「はい」」
暁之丞が一年二人の名前を呼ぶと左吉は紙と筆を、団蔵は上に片手が入るくらいの大きさの穴の開いた箱を持って前に出た。
「交渉の順番は公平にくじ引きで決めましょう。
どこが先にやるかで喧嘩していたら時間がもったいないですからね」
「どうぞ。引いて下さい」
二人は近くに居た委員会から回ってくじを引いて貰い、左吉がその紙に書かれていた番号を書き留めていった。
「各委員会、くじを引き終わりました!!」
「ご苦労様」
暁之丞は戻って来た二人の頭を撫でると、左吉からくじ引きによって決まった各委員会の順番の書かれた紙を受け取り、ざっと目を通すと進行役である三木ヱ門に渡した。
「では、一番手の生物委員会。前へ」
「呼ばれた生物委員会以外は少し下がって下さいね~」
暁之丞の指示通りに、順番が次からの委員会は少し離れた場所に下がり、三木ヱ門に呼ばれた生物委員会は前に出てきた。
「生物委員会です」
委員長代理の五年生、竹谷八左ヱ門を先頭に、三年生の伊賀崎孫兵、一年生の上ノ島一平・初島孫次郎・佐武虎若・夢前三治郎と続いていた。
「こちらが提出した予算の希望額の半分も却下されているのですが…」
「当たり前だ」
竹谷の言葉に文次郎がキッパリと言い放つ。
「そんな予算が全額通るわけ無かろう!
前にも言ったが、学園が認めた生き物以外の飼育代は一切認めん!!個人のペットまでこちらで賄う理由などこれっぽっちもない!!」
「そんなぁ!!」
現在生物委員会が飼育している生き物の半分を占めている毒虫・毒蛇・毒トカゲなどの飼い主である孫兵は悲鳴に近い声を上げた。
「俺らだって、できることなら出してやりてぇよ。
けど、さっきも言ったように予算には限りがある。
孫兵のペットとかの飼育代まで出すと他の委員会に予算が回らなくなるんだ…わかるだろ?」
「ああ…」
「でも今回は各動物の出産が近いって事で前よりも予算を増やす事ができたから、それで我慢してくれ。な?」
竹谷はしょうがないと納得仕掛けているものの、落胆している孫兵を見てもう少し何とかならないかと頼み込んできた。
「駄目なものだ「潮江委員長」
文次郎が却下しようとした言葉を遮り、隣に座っていた暁之丞が立ち上がった。
「ここは俺が」
そう言うと孫兵に近寄り、目線を合わせるために縁側に腰を下ろした。
「孫兵」
下を俯いていた孫兵は暁之丞に呼ばれて顔を上げる。
「孫兵は、俺が生物委員会に預けている鷹の皇は知っているな?」
「…知ってます」
「俺も、皇の世話を生物委員会にやって貰っているが、忍務とかで忍術学園を離れるとき以外は俺も世話をしているし、生物委員会の負担にならないよう皇の飼育代はちゃんと俺の自腹から納めている。
餌も、俺や世話をやってくれている生物委員が与える分で足りないなら、自分で狩るように教育もしている」
「それも…知ってます」
「な、孫兵。俺も皇が可愛いように、お前がじゅんこやきみこ、他にも自分の飼っているペットを心の底から可愛がっているのは解ってる。
けど、自分が飼いたいと思って個人的に連れてきた生き物の世話は、自分が責任を持たなくてはいけない。そうは思わないか?」
「…思います」
「お前の委員会の先輩のハチは優しいし面倒見もいい。後輩の子達もみんな良い子だからお前の個人的なペットの世話だって嫌な顔せずにやってくれるだろう。
けど、その飼育費を生物委員会に負担させるのはやっぱりよくないから、それくらいは自分で賄うべきだ。賄えないなら…安易に生き物を捕まえて飼うべきじゃない。
ペットは自ら俺たち人間に飼われに来てるわけなじゃねぇ。
俺らが自分で飼いたいと思ったから捕まえたりして手元に連れてくるんだ。
…自分の都合で連れてきたのに、養えないなんてことがあっちゃならねぇ…」
「…はい」
「…ま、結構厳しいことを言っちまったが…生物委員会の予算が当てにならなくなったって孫兵の可愛いじゅんこ達を養う方法がまったく無くなった訳じゃないさ!」
暁之丞は孫兵に手を伸ばし、その頭をわしわしと撫でた。
「一番手っ取り早いのは、孫兵が自分でじゅんこ達の餌を捕りに行くとかだな!
これは頼めば委員会活動中にハチ達が手伝ってくれんだろ!な!!」
「ああ!もちろんだ」
「僕たちも手伝います!!」
「ほーら!みんなこう言ってくれてるぞ!!優しいなぁ!!
他にはアルバイトしてじゅんこたちの飼育代を稼ぐとか…調べたり考えたりすれば方法なんかいっくらでも出てくるぞ!!
俺も、暇な時で良かったら手伝ってやるからさ!!」
「…本当ですか?」
「本当だ!!」
「男に二言はない!!」と暁之丞は自らの胸を叩いた。
「絶対ですよ!!」
「ああ!約束だ!!」
暁之丞は右手の小指をスッと差し出す。
孫兵はそれに遠慮がちに自分の小指を絡め、二人で「ゆーびきーりげーんまん!!」と言い合った。
「他に、生物は予算について意見は?」
「いや。もう大丈夫だ」
「よし。じゃぁ、生物委員会は終わりだな!」
下がっていく生物委員会に、暁之丞は「またなー」と軽く手を振りながら見送る。
「何事もなく終わりましたね」
「まあ、生物委員会だしな」
先程と同じく文次郎の隣に腰を下ろしながら団蔵の言った事に答える。
「まだまだ大変なのはこれからだぞ~
暴れて物を壊したら予算削減と言われたくらいで、大人しくしてくれる人たちばかりじゃないしな…気を引き締めて行こう」
「「「はい!」」」
暁之丞の言葉に、下級生三人は元気よく返事をする。
それを見て、暁之丞は少し笑った。
「じゃ…次、行きますか。委員長」
「ああ。三木ヱ門、次は」
「保健委員会です」
「左吉。団蔵。」
「「はい」」
暁之丞が一年二人の名前を呼ぶと左吉は紙と筆を、団蔵は上に片手が入るくらいの大きさの穴の開いた箱を持って前に出た。
「交渉の順番は公平にくじ引きで決めましょう。
どこが先にやるかで喧嘩していたら時間がもったいないですからね」
「どうぞ。引いて下さい」
二人は近くに居た委員会から回ってくじを引いて貰い、左吉がその紙に書かれていた番号を書き留めていった。
「各委員会、くじを引き終わりました!!」
「ご苦労様」
暁之丞は戻って来た二人の頭を撫でると、左吉からくじ引きによって決まった各委員会の順番の書かれた紙を受け取り、ざっと目を通すと進行役である三木ヱ門に渡した。
「では、一番手の生物委員会。前へ」
「呼ばれた生物委員会以外は少し下がって下さいね~」
暁之丞の指示通りに、順番が次からの委員会は少し離れた場所に下がり、三木ヱ門に呼ばれた生物委員会は前に出てきた。
「生物委員会です」
委員長代理の五年生、竹谷八左ヱ門を先頭に、三年生の伊賀崎孫兵、一年生の上ノ島一平・初島孫次郎・佐武虎若・夢前三治郎と続いていた。
「こちらが提出した予算の希望額の半分も却下されているのですが…」
「当たり前だ」
竹谷の言葉に文次郎がキッパリと言い放つ。
「そんな予算が全額通るわけ無かろう!
前にも言ったが、学園が認めた生き物以外の飼育代は一切認めん!!個人のペットまでこちらで賄う理由などこれっぽっちもない!!」
「そんなぁ!!」
現在生物委員会が飼育している生き物の半分を占めている毒虫・毒蛇・毒トカゲなどの飼い主である孫兵は悲鳴に近い声を上げた。
「俺らだって、できることなら出してやりてぇよ。
けど、さっきも言ったように予算には限りがある。
孫兵のペットとかの飼育代まで出すと他の委員会に予算が回らなくなるんだ…わかるだろ?」
「ああ…」
「でも今回は各動物の出産が近いって事で前よりも予算を増やす事ができたから、それで我慢してくれ。な?」
竹谷はしょうがないと納得仕掛けているものの、落胆している孫兵を見てもう少し何とかならないかと頼み込んできた。
「駄目なものだ「潮江委員長」
文次郎が却下しようとした言葉を遮り、隣に座っていた暁之丞が立ち上がった。
「ここは俺が」
そう言うと孫兵に近寄り、目線を合わせるために縁側に腰を下ろした。
「孫兵」
下を俯いていた孫兵は暁之丞に呼ばれて顔を上げる。
「孫兵は、俺が生物委員会に預けている鷹の皇は知っているな?」
「…知ってます」
「俺も、皇の世話を生物委員会にやって貰っているが、忍務とかで忍術学園を離れるとき以外は俺も世話をしているし、生物委員会の負担にならないよう皇の飼育代はちゃんと俺の自腹から納めている。
餌も、俺や世話をやってくれている生物委員が与える分で足りないなら、自分で狩るように教育もしている」
「それも…知ってます」
「な、孫兵。俺も皇が可愛いように、お前がじゅんこやきみこ、他にも自分の飼っているペットを心の底から可愛がっているのは解ってる。
けど、自分が飼いたいと思って個人的に連れてきた生き物の世話は、自分が責任を持たなくてはいけない。そうは思わないか?」
「…思います」
「お前の委員会の先輩のハチは優しいし面倒見もいい。後輩の子達もみんな良い子だからお前の個人的なペットの世話だって嫌な顔せずにやってくれるだろう。
けど、その飼育費を生物委員会に負担させるのはやっぱりよくないから、それくらいは自分で賄うべきだ。賄えないなら…安易に生き物を捕まえて飼うべきじゃない。
ペットは自ら俺たち人間に飼われに来てるわけなじゃねぇ。
俺らが自分で飼いたいと思ったから捕まえたりして手元に連れてくるんだ。
…自分の都合で連れてきたのに、養えないなんてことがあっちゃならねぇ…」
「…はい」
「…ま、結構厳しいことを言っちまったが…生物委員会の予算が当てにならなくなったって孫兵の可愛いじゅんこ達を養う方法がまったく無くなった訳じゃないさ!」
暁之丞は孫兵に手を伸ばし、その頭をわしわしと撫でた。
「一番手っ取り早いのは、孫兵が自分でじゅんこ達の餌を捕りに行くとかだな!
これは頼めば委員会活動中にハチ達が手伝ってくれんだろ!な!!」
「ああ!もちろんだ」
「僕たちも手伝います!!」
「ほーら!みんなこう言ってくれてるぞ!!優しいなぁ!!
他にはアルバイトしてじゅんこたちの飼育代を稼ぐとか…調べたり考えたりすれば方法なんかいっくらでも出てくるぞ!!
俺も、暇な時で良かったら手伝ってやるからさ!!」
「…本当ですか?」
「本当だ!!」
「男に二言はない!!」と暁之丞は自らの胸を叩いた。
「絶対ですよ!!」
「ああ!約束だ!!」
暁之丞は右手の小指をスッと差し出す。
孫兵はそれに遠慮がちに自分の小指を絡め、二人で「ゆーびきーりげーんまん!!」と言い合った。
「他に、生物は予算について意見は?」
「いや。もう大丈夫だ」
「よし。じゃぁ、生物委員会は終わりだな!」
下がっていく生物委員会に、暁之丞は「またなー」と軽く手を振りながら見送る。
「何事もなく終わりましたね」
「まあ、生物委員会だしな」
先程と同じく文次郎の隣に腰を下ろしながら団蔵の言った事に答える。
「まだまだ大変なのはこれからだぞ~
暴れて物を壊したら予算削減と言われたくらいで、大人しくしてくれる人たちばかりじゃないしな…気を引き締めて行こう」
「「「はい!」」」
暁之丞の言葉に、下級生三人は元気よく返事をする。
それを見て、暁之丞は少し笑った。
「じゃ…次、行きますか。委員長」
「ああ。三木ヱ門、次は」
「保健委員会です」