土井家のルール
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日が沈み、辺りが橙色に染まる時間になった。
きり丸に押しつけられたアルバイトをすべて終わらし家に帰る。
「ただいま…」
玄関に掛けてある暖簾をくぐると、いい匂いが鼻をくすぐり、空っぽになった胃袋をひどく刺激した。
「土井先生。おかえりなさい」
竈の前で鍋をかき混ぜているのは休みの間、一緒に住むことになったきり丸の姉にあたる少女。
彼女は私に気が付くと鍋を見ていた顔を上げ、にっこりと微笑みかけてくれた。
「ああ、ただいま」
初めのような疲れ切った声ではなく、今度はハッキリ「ただいま」と言う。
「ご飯、もうすぐ出来ますから待っててもらってもいいですか?」
「わかった」
私は草履を脱いで板の間に上がり胡座をかいて座り竈の前で動く小さな背中を見つめた。
「なんだか、申し訳ないね。ご飯の用意をしてもらってしまって…」
「お世話になっているんですから、これくらい当然です。それに材料はここにあるのを使っちゃってますし…」
「後で食費は払いますから」という言葉に気にしなくていいと返した。
「…こんなものかな?」
どうやら料理が完成したらしい。
鍋に蓋をするとこっちに持ってきたので鍋を受け取り囲炉裏に置く。
「ありがとうございます」
「いやいや、なんのこれくらい」
彼女も草履を脱いで板の間に上がり囲炉裏を挟んで向かい側に座った。
「今日の夕飯はなんだい?」
「お煮しめです。大根と里芋と人参の」
「きり丸が来たら食べましょう」と言う言葉に空腹状態の私はお預けをくらった。
そしてふと、今まで思ってて聞きそびれていたことを聞くことにした。
「いつも、君は夕ご飯は私ときり丸とみんな揃わないと食べないけれど…何故だい?」
私がそう言うと彼女はそんなこと聞かれると思ってなかったのか驚いた顔をしたあと、私の質問に答えるため口を開いた。
「……決まりなんです…」
「決まり?」
「はい。私と、きり丸との間の」
彼女が視線を自分の手元に落とす。
「……私達は今まで二人で働いて生活費とか稼いできました。
可能な限り仕事を入れて、朝早くから新聞配達とか色々やってました。
それで、朝と昼はご飯を一緒に食べれる時間があまりなくて…」
でも…と彼女は続けて言った。
「一日最後の食事の夕ご飯は二人で一緒に食べようね。って、二人の間の決まり事として決めたんです」
二人一緒に食べれば、どんなに質素なご飯もご馳走になるから。そう言って、笑った。
「だから、こうやってきり丸が帰るのを待ってるんです。学校が始まってからは無理だけど…休みの間はこうやって続けていきたいなって」
「そっか…」
フッと自然と頬が緩んだ。
「土井先生も、それに加わってくれますか?」
彼女の言葉に、少し驚く。
「…私もいいのかい?」
「もちろんです!!」
そう言われ、胸が温かくなった。
出会ってまだ間もないのに、家族の一員になってもいいと言われた気がする。
「ただいまー!!」
そうしてる間にきり丸が帰ってきた。
「おかえり」
「おかえりなさい!ご飯出来てるわよ」
「やった!もう腹ペコだよ」
「さ、食べよう」
「「はーい」」
土井家のルール
****************************
ほのぼの家族みたいなノリでお願いします^^
きり丸に押しつけられたアルバイトをすべて終わらし家に帰る。
「ただいま…」
玄関に掛けてある暖簾をくぐると、いい匂いが鼻をくすぐり、空っぽになった胃袋をひどく刺激した。
「土井先生。おかえりなさい」
竈の前で鍋をかき混ぜているのは休みの間、一緒に住むことになったきり丸の姉にあたる少女。
彼女は私に気が付くと鍋を見ていた顔を上げ、にっこりと微笑みかけてくれた。
「ああ、ただいま」
初めのような疲れ切った声ではなく、今度はハッキリ「ただいま」と言う。
「ご飯、もうすぐ出来ますから待っててもらってもいいですか?」
「わかった」
私は草履を脱いで板の間に上がり胡座をかいて座り竈の前で動く小さな背中を見つめた。
「なんだか、申し訳ないね。ご飯の用意をしてもらってしまって…」
「お世話になっているんですから、これくらい当然です。それに材料はここにあるのを使っちゃってますし…」
「後で食費は払いますから」という言葉に気にしなくていいと返した。
「…こんなものかな?」
どうやら料理が完成したらしい。
鍋に蓋をするとこっちに持ってきたので鍋を受け取り囲炉裏に置く。
「ありがとうございます」
「いやいや、なんのこれくらい」
彼女も草履を脱いで板の間に上がり囲炉裏を挟んで向かい側に座った。
「今日の夕飯はなんだい?」
「お煮しめです。大根と里芋と人参の」
「きり丸が来たら食べましょう」と言う言葉に空腹状態の私はお預けをくらった。
そしてふと、今まで思ってて聞きそびれていたことを聞くことにした。
「いつも、君は夕ご飯は私ときり丸とみんな揃わないと食べないけれど…何故だい?」
私がそう言うと彼女はそんなこと聞かれると思ってなかったのか驚いた顔をしたあと、私の質問に答えるため口を開いた。
「……決まりなんです…」
「決まり?」
「はい。私と、きり丸との間の」
彼女が視線を自分の手元に落とす。
「……私達は今まで二人で働いて生活費とか稼いできました。
可能な限り仕事を入れて、朝早くから新聞配達とか色々やってました。
それで、朝と昼はご飯を一緒に食べれる時間があまりなくて…」
でも…と彼女は続けて言った。
「一日最後の食事の夕ご飯は二人で一緒に食べようね。って、二人の間の決まり事として決めたんです」
二人一緒に食べれば、どんなに質素なご飯もご馳走になるから。そう言って、笑った。
「だから、こうやってきり丸が帰るのを待ってるんです。学校が始まってからは無理だけど…休みの間はこうやって続けていきたいなって」
「そっか…」
フッと自然と頬が緩んだ。
「土井先生も、それに加わってくれますか?」
彼女の言葉に、少し驚く。
「…私もいいのかい?」
「もちろんです!!」
そう言われ、胸が温かくなった。
出会ってまだ間もないのに、家族の一員になってもいいと言われた気がする。
「ただいまー!!」
そうしてる間にきり丸が帰ってきた。
「おかえり」
「おかえりなさい!ご飯出来てるわよ」
「やった!もう腹ペコだよ」
「さ、食べよう」
「「はーい」」
土井家のルール
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ほのぼの家族みたいなノリでお願いします^^
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