もしかしたら運命かも
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この間、待ちである少女に出会った。
『あのっ…』
街で歩いていると声を掛けられた。
振り向くと、一人の女の子が私の方に走ってきていた。
『これ…落としましたよ』
頬を上気させ、肩で息をしながら彼女は手拭いを差し出した。
それは母から貰った手拭いで、私は彼女にお礼を言って受け取った。
お礼を言ったとき、彼女はふわりと微笑んだ。
…可愛らしい人だと思った。
見ず知らずの人間のために息を切らすほど一生懸命走ってくるところも、花のように優しい微笑みも…
以来、彼女のことが頭から離れなかった。
また会いたいと思ったが、私は彼女のことを何も知らない。
(…名前くらい、聞いておけばよかったか…)
そう思っても、もう遅い。
きっともう会うこともないのだろう。
彼女と私は、待ちで偶々出会っただけなのだから…
(…彼女のことはもう忘れよう)
そう、心に決めた。
久し振りに忍術学園にやって来た。
今日も例のごとく父上に母上からの言伝を伝えに来たのだが…
「あ、利吉さん!!」
お馴染みの三人組が、私の元に寄って来た。
「利吉さん、こんにちわ!」
「やあ、乱太郎、きり丸、しんべヱ」
「山田先生に用事ですか?」
「ああ、そうだよ。」
「ご案内しまーす」
「ありがとう」
三人と話をしながら父上の元へ向かう。
「きり丸」
その途中で、きり丸が呼び止められた。
声の方を見ると、思いも寄らぬ人物――――――彼女だった。
「図書委員はこれから会議をするから図書室に来るようにって、長次君が」
「え、マジ?」
「めんどくせー」と嫌そうな顔をするきり丸に、彼女は笑って「頑張って」と言った。
「あら?そちらの方は…」
私に気が付いた彼女がきり丸から視線を外し、私を見た。
「こちらは利吉さんです」
「山田先生の息子さんなんです」
乱太郎としんべヱが私の紹介をする。
「利吉さんは初めてっすよね?
こっちはオレの姉ちゃんで、最近忍術学園で働き始めたんす」
きり丸が彼女の紹介をすると、彼女はニコッと笑った。
「やす菜です。初めまして…では、ありませんよね?」
彼女―――やす菜さんも私の事を覚えてくれていたらしい。
「世間って狭いですね。まさか、山田先生の息子さんだったなんて…」
「私もまさかきり丸のお姉さんだったとは…」
「え、知り合い?」
「うん。ちょっとね」
驚いている三人に、私達は笑った。
「本当に、偶然ですね」
「そうですね~。…またお会いできて嬉しいですよ」
もしかしたら運命かも
(なんて、ね)
後書き→
『あのっ…』
街で歩いていると声を掛けられた。
振り向くと、一人の女の子が私の方に走ってきていた。
『これ…落としましたよ』
頬を上気させ、肩で息をしながら彼女は手拭いを差し出した。
それは母から貰った手拭いで、私は彼女にお礼を言って受け取った。
お礼を言ったとき、彼女はふわりと微笑んだ。
…可愛らしい人だと思った。
見ず知らずの人間のために息を切らすほど一生懸命走ってくるところも、花のように優しい微笑みも…
以来、彼女のことが頭から離れなかった。
また会いたいと思ったが、私は彼女のことを何も知らない。
(…名前くらい、聞いておけばよかったか…)
そう思っても、もう遅い。
きっともう会うこともないのだろう。
彼女と私は、待ちで偶々出会っただけなのだから…
(…彼女のことはもう忘れよう)
そう、心に決めた。
久し振りに忍術学園にやって来た。
今日も例のごとく父上に母上からの言伝を伝えに来たのだが…
「あ、利吉さん!!」
お馴染みの三人組が、私の元に寄って来た。
「利吉さん、こんにちわ!」
「やあ、乱太郎、きり丸、しんべヱ」
「山田先生に用事ですか?」
「ああ、そうだよ。」
「ご案内しまーす」
「ありがとう」
三人と話をしながら父上の元へ向かう。
「きり丸」
その途中で、きり丸が呼び止められた。
声の方を見ると、思いも寄らぬ人物――――――彼女だった。
「図書委員はこれから会議をするから図書室に来るようにって、長次君が」
「え、マジ?」
「めんどくせー」と嫌そうな顔をするきり丸に、彼女は笑って「頑張って」と言った。
「あら?そちらの方は…」
私に気が付いた彼女がきり丸から視線を外し、私を見た。
「こちらは利吉さんです」
「山田先生の息子さんなんです」
乱太郎としんべヱが私の紹介をする。
「利吉さんは初めてっすよね?
こっちはオレの姉ちゃんで、最近忍術学園で働き始めたんす」
きり丸が彼女の紹介をすると、彼女はニコッと笑った。
「やす菜です。初めまして…では、ありませんよね?」
彼女―――やす菜さんも私の事を覚えてくれていたらしい。
「世間って狭いですね。まさか、山田先生の息子さんだったなんて…」
「私もまさかきり丸のお姉さんだったとは…」
「え、知り合い?」
「うん。ちょっとね」
驚いている三人に、私達は笑った。
「本当に、偶然ですね」
「そうですね~。…またお会いできて嬉しいですよ」
もしかしたら運命かも
(なんて、ね)
後書き→