きり丸へ

あなたが忍術学園に入学してから、早いものでもう一月経ちますね。
元気に過ごしているかしら？風邪を引いたりしていない？
忍術の勉強は辛くない？大怪我なんかしてはいませんか？
学園での生活は楽しいですか？仲のいい友達はできましたか？

あらあらいけない…質問ばかりになってしまったわね…
でも今まで一緒に居たあなたが忍術学園に入学して寮に入って生活していることで離れてしまったから、ついつい気になっていろんな質問をしてしまうの…

でも、あなたのことを聞いてばかりではいけないので、私のことも書いておきます。

私は今、住み込みで賄い係のアルバイトをしています。
あなたと別れてから、住み込みの仕事を転々としてますが、今回の仕事は結構いいです。
部屋も布団も綺麗で、ご飯は美味しいし、お給金も働き具合ではずんでもらえます。
だから頑張って働いたらたくさんお金をもらえたの。
私の生活費を引いても余ったので送ります。学費の足しにして下さい。

きり丸。あなたは働き上手で何でも器用にこなしていける子です。だから学園で学びながらもアルバイトして自分で学費を稼げることでしょう。
でも、学園に入ったからには忍者の修行や学業に力を入れて下さい。
お姉ちゃんが頑張って働いて、貴方の学費を稼ぎます。
だからあまりバイトの掛け持ちをしすぎないようにね。倒れてしまってはもともこもないのだから…

きり丸…お姉ちゃんはあなたのことがいつだって心配です。
しっかりしているとはいえ、あなたはまだ十歳の子供だから…
なんて…あなたをいつまでも子供扱いしてしまうのは、ただ私が弟離れできないだけよね…
正直言うと、あなたがいなくなってから、寂しくてしかたないの…ダメね…この機会に少しは弟離れができればいいんだけどね。
でも今は、あなたのことを目一杯心配させてね。
あなたが私の側を離れ、りっぱに成長していくことを喜びつつも少し寂しく思う、この姉心を解ってちょうだいね？


最後に、長くなってしまってごめんね。またお手紙書きます。
紙と墨がもったいないなんて言わないでね。今の私にはこうやって手紙であなたの身を案じることしかできないのだから。
夜は冷えるから暖かくして寝るのよ。
くれぐれも、無茶をしないようにね。
長期休みにあなたに会えるのを楽しみにしてます。




お姉ちゃんより





拝啓・大切な弟へ






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お姉ちゃんは最低限の読み書きはできるということで…計算はきり丸と同じでものすごく得意だといいな…