強くなろう。この優しくて暖かい人を守れるくらいに。
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「姉ちゃん。話があるんだ」
寝る前にオレは改まった態度で言った。
珍しく正座なんかしているオレにならうように姉ちゃんも正座してオレの前に座った。
「何?きり丸」
小首を傾げて聞く姉ちゃんは何とも可愛らしく無防備で、オレ以外の男の前でやったら襲われるな、こりゃ。
少し思考がずれたが、オレは意を決して言った。
「オレ、忍術学園に入りたいんだ!!」
オレの言葉に姉ちゃんは目を丸くする。
オレは続けて言った。
「入学金・授業料は自分で稼いで払う。姉ちゃんに迷惑は絶対掛けない!!だから…
オレを、忍術学園に通わせてくれ!!」
グッと拳を握って姉ちゃんの言葉を待った。
少しの間沈黙が流れた後、姉ちゃんが立ち上がる。
…やっぱり、許してくれないか…
肩を落とし、落ち込んでいると、姉ちゃんはオレ達の荷物の中から何かを持ってきた。
「きり丸…これ」
差し出された袋を受け取るとズッシリと重い。
これは…金?
「これを、入学金の足しにしてちょうだい」
その言葉に驚いてバッと顔を上げて姉ちゃんを見た。
「いつかお前に必要があった時のためにとお金をやりくりして少しずつ貯めていたの。本当は、もっと貯めてから渡すつもりだったんだけど…使いなさい」
袋の中の金は結構な額がありそうで、もしかしたらこれで入学金が払えてしまうかもしれない。
金と、姉ちゃんを交互に見る。
「姉ちゃん…」
「きり丸」
オレは何か言おうとしたが姉ちゃんに名前を呼ばれたため一旦口を閉じた。
「私は、本当はお前には平和に生きて欲しい…」
戦で村を焼かれ、両親や家を失ったオレ達だから、平穏に生きて欲しいという姉ちゃんの気持ちは痛いほど分かる。
だが、オレはあえてその思いとは反対の道を進もうとしている。
「でも、きり丸が考えて決めたことなら、お姉ちゃんは反対しません。
…意思は、強いんでしょう?」
姉ちゃんは少しだけ苦笑して「目に迷いがないもの」と言った。
「迷いがあるくらいなら、やめなさいと言うけれど…本当に忍になりたいと思っているのなら、それを目指しなさい。」
「姉ちゃん…いいの…?」
正直、反対されると思っていた。
すると、姉ちゃんは優しく微笑んで言った。
「私はきり丸の足枷にはなりたくないの。
きり丸の進む道がどんなに大変な道でも、ずっと支えるわ。
それに、きり丸の人生はきり丸のモノよ。だから自分の行きたい道を行きなさい。」
オレはその言葉を聞いて大きく目を見開いて、姉ちゃんの顔に穴が開くんじゃないかってくらい見つめ、そして抱きついた。
それに姉ちゃんも腕をオレの背中に回し、昔からしてくれたように優しく叩いてくれた。
オレは、忍術学園に入って、忍となるための勉強をする。
決して楽ではないだろうし、危険も多いだろう。
それでも、オレはどうしても忍術学園に入りたかった。
ここまでオレを育ててくれた、たった一人の姉ちゃんを守れるくらい強くなりたかったから。
強くなろう。この優しくて暖かい人を守れるくらいに。
寝る前にオレは改まった態度で言った。
珍しく正座なんかしているオレにならうように姉ちゃんも正座してオレの前に座った。
「何?きり丸」
小首を傾げて聞く姉ちゃんは何とも可愛らしく無防備で、オレ以外の男の前でやったら襲われるな、こりゃ。
少し思考がずれたが、オレは意を決して言った。
「オレ、忍術学園に入りたいんだ!!」
オレの言葉に姉ちゃんは目を丸くする。
オレは続けて言った。
「入学金・授業料は自分で稼いで払う。姉ちゃんに迷惑は絶対掛けない!!だから…
オレを、忍術学園に通わせてくれ!!」
グッと拳を握って姉ちゃんの言葉を待った。
少しの間沈黙が流れた後、姉ちゃんが立ち上がる。
…やっぱり、許してくれないか…
肩を落とし、落ち込んでいると、姉ちゃんはオレ達の荷物の中から何かを持ってきた。
「きり丸…これ」
差し出された袋を受け取るとズッシリと重い。
これは…金?
「これを、入学金の足しにしてちょうだい」
その言葉に驚いてバッと顔を上げて姉ちゃんを見た。
「いつかお前に必要があった時のためにとお金をやりくりして少しずつ貯めていたの。本当は、もっと貯めてから渡すつもりだったんだけど…使いなさい」
袋の中の金は結構な額がありそうで、もしかしたらこれで入学金が払えてしまうかもしれない。
金と、姉ちゃんを交互に見る。
「姉ちゃん…」
「きり丸」
オレは何か言おうとしたが姉ちゃんに名前を呼ばれたため一旦口を閉じた。
「私は、本当はお前には平和に生きて欲しい…」
戦で村を焼かれ、両親や家を失ったオレ達だから、平穏に生きて欲しいという姉ちゃんの気持ちは痛いほど分かる。
だが、オレはあえてその思いとは反対の道を進もうとしている。
「でも、きり丸が考えて決めたことなら、お姉ちゃんは反対しません。
…意思は、強いんでしょう?」
姉ちゃんは少しだけ苦笑して「目に迷いがないもの」と言った。
「迷いがあるくらいなら、やめなさいと言うけれど…本当に忍になりたいと思っているのなら、それを目指しなさい。」
「姉ちゃん…いいの…?」
正直、反対されると思っていた。
すると、姉ちゃんは優しく微笑んで言った。
「私はきり丸の足枷にはなりたくないの。
きり丸の進む道がどんなに大変な道でも、ずっと支えるわ。
それに、きり丸の人生はきり丸のモノよ。だから自分の行きたい道を行きなさい。」
オレはその言葉を聞いて大きく目を見開いて、姉ちゃんの顔に穴が開くんじゃないかってくらい見つめ、そして抱きついた。
それに姉ちゃんも腕をオレの背中に回し、昔からしてくれたように優しく叩いてくれた。
オレは、忍術学園に入って、忍となるための勉強をする。
決して楽ではないだろうし、危険も多いだろう。
それでも、オレはどうしても忍術学園に入りたかった。
ここまでオレを育ててくれた、たった一人の姉ちゃんを守れるくらい強くなりたかったから。
強くなろう。この優しくて暖かい人を守れるくらいに。