密かに芽生えたそれは…
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の授業が校外実習だという滝夜叉丸君と喜八郎君と別れ、私は再び何か仕事を貰いに行こうと動き始めた。
私がうっかり喜八郎君の掘った塹壕の中で寝てしまった時間はそれほど経っていなかったようなので安心した。
「初日から仕事中に寝てしまうなんて…やっぱり休みすぎたのね…」
怪我の療養で最近は内職ばかりだったので少し気が緩んでいるようだ。
…ここで働くことを望んだのは他の誰でもない。私自身だ。
今からでも気を引き締めていかなければ!!
拳を握り、1人決意をしているとすぐ近くを小さな男の子が数人駆けていった。
…きり丸と同じ、井桁模様の忍装束…一年生だ。
パタパタと校庭を走る彼らの姿を見て少しだけ微笑む。
同じ年の弟がいることもあってか、近い年代の子達を見ていると自然と優しい気持ちになる。
可愛い盛りの彼らに少し癒され、さあ、仕事を探しに行こうか。と再び歩き出すと…
「あうっ」
ズザッ…
「え?」
何かが土の上を滑る音がしたので振り返ると、先程私の横を走り抜けた一年生の子の1人が地面にうつぶせに倒れていた。
「だ、大丈夫!?」
すぐに駆け寄り、転んでしまった男の子の体を抱き起こす。
「う…大丈夫…です」
「本当?どこも、痛いところは無い?」
土が付いて汚れてしまった男の子の服をポンポンと叩いて軽く汚れを落とす。
「…ああ…顔と、手を少し擦り剥いちゃっているね…」
腕や脚は服で覆われていたので擦り傷は出来ていなかったが転んだときに身体を支えようと着いた手と、顔に擦り傷が出来てしまっていた。
「平太~」
「大丈夫…?」
彼と一緒に居た他の忍たまの子もこちらに寄ってきた。
その忍たまの内の1人に私の知っている子がいた。
「あら、孫次郎君」
「あ~、やす菜さん」
「こんにちわ~」とのんびりとした口調で挨拶してくれる孫次郎君に、私も「こんにちわ」と返した。
「孫次郎君のお友達なの?」
抱き起こした彼を示しながら尋ねると、「同じ組なんです~」と応えてくれた。
言われてみると、彼や孫次郎君、そして周りにいる他の忍たまの子達はどこか共通した雰囲気を持っているような気がする…組が同じだと雰囲気が似るものなのだろうか?
「平太、どこか怪我しちゃいましたか~?」
「うん。少しだけ擦り剥いちゃったみたい。傷自体は大したことはないけど、保健室で消毒して貰った方がいいかな。でもその前に井戸に行こうか」
平太君の手のひらの傷には少し砂が付いてしまっていた。
「一緒に洗いに行こう?」と言うと、平太君はこくん。と頷いてくれた。
「僕もついて行きます」
「僕も~」
「ありがとう~」
「ありがとう。孫次郎君と…」
井戸まで一緒に着いてきてくれると言った2人の忍たまの子、1人は孫次郎君なのだが、もう1人の頬が痩けた子の名前が分からず言葉を詰まらせると「二ノ坪怪士丸です」と名前を言ってくれた。
「怪士丸君ね。よろしく!じゃあ、みんなで井戸まで行きましょう」
平太君の手を引いて、孫次郎君と怪士丸君を引き連れて井戸まで向かった。
「はい。じゃぁ、手、洗おうか」
「はい」
水を汲んで、釣瓶の桶から井戸に備え付けてあった桶に水を移して平太君の側に置く。
「しっかり砂を洗い流すようにね」
「はーい」
平太君は私の言葉に素直に返事を返してくれた後、パチャパチャと桶にはった水で手を洗い始めた。
それを横目に私はもう一度井戸から水を汲むと懐から手拭いを取り出し水に浸けて濡らした。
「平太君。ちょっと顔こっち向けてもらってもいい?」
「え?ひゃっ…」
平太君が手を洗い終わってから顔をこちらに向けて貰い、濡らした手拭いで彼の顔を拭った。
「うん!綺麗になったよ!!」
顔に付いていた泥を拭き取り、平太君の顔はすっかり綺麗になった。
そして、懐からもう一枚手拭いを取り出すと平太君の手に擦り傷を覆うように優しく巻き付けて結んだ。
「一応、保健室に行くまでの包帯代わりってことで」
「……あ、ありがとう…ござい、ます」
しどろもどろにお礼を言ってくれた平太君に、にっこり笑って「どういたしまして」と返した。
「じゃぁ、保健室に行こうか。平太」
「…うん」
「やす菜さん。ありがとうございました~」
「ありがとうございました~」
ぺこり。と3人が頭を下げる。
「保健室まで付いて行こうか?」
「大丈夫です。あとは僕たちだけで十分ですよ」
「お仕事がんばってくださーい」
「ありがとう」
保健室に向かう3人を手を振りながら見送った。
「…さて、仕事に戻るか…」
3人の姿が見えなくなり、私は再び仕事を探しに戻ることにした。
…事務に行けば、何か雑用とかお手伝いすることがあるかもしれない。そう思い、私は事務室に向かうことにした。
「あの人、今朝食堂にいた人だよね~」
「すごく優しかったね」と怪士丸が言った。
「うん。やす菜さんは、すっごくいい人だよ~」
やす菜が忍術学園に来る前から彼女のことを知っていた孫次郎が怪士丸の言葉に肯定する。
「今度から学園で働く人が、あんなに優しい人でよかったよねぇ」
「そうだね~」
「…………」
「ね、平太もそう思うでしょう?」
「…………」
「……平太?」
「え!?あ、うん…」
孫次郎が声を掛けても、歩きながらじ…っと地面を見詰めたままで、平太は反応を示さなかった。
怪士丸が不思議がって声を掛けるとハッとしたように頷いた。
再び話し始めた2人をよそに、平太は自分の手に巻かれた手拭いをジッと見詰める。
「…………」
しばらくして、平太の頬がぽっと赤く染まったことに、隣でお喋りをしていた2人は気付かなかった。
密かに芽生えたそれは…
(まだほんの小さな恋心)
*****************************
約4ヶ月半振りのきり丸姉の本編の更新となりました…
続きを待っていて下さった皆様、たいへんお待たせいたしました!!><;
あの綾部との対面の話の後、どんな話にしようかと悩んだ結果、一年ろ組(伏木蔵以外)との絡み話となりました…
そしたら…あれ?
きり丸姉書き始めた当初では予定していなかった所にフラグが立っちゃっいました…自分でも予想外でびっくりしていたりします^^;
でもまぁ…いいか☆←
さて、次は誰との絡みを書こうかな…
私がうっかり喜八郎君の掘った塹壕の中で寝てしまった時間はそれほど経っていなかったようなので安心した。
「初日から仕事中に寝てしまうなんて…やっぱり休みすぎたのね…」
怪我の療養で最近は内職ばかりだったので少し気が緩んでいるようだ。
…ここで働くことを望んだのは他の誰でもない。私自身だ。
今からでも気を引き締めていかなければ!!
拳を握り、1人決意をしているとすぐ近くを小さな男の子が数人駆けていった。
…きり丸と同じ、井桁模様の忍装束…一年生だ。
パタパタと校庭を走る彼らの姿を見て少しだけ微笑む。
同じ年の弟がいることもあってか、近い年代の子達を見ていると自然と優しい気持ちになる。
可愛い盛りの彼らに少し癒され、さあ、仕事を探しに行こうか。と再び歩き出すと…
「あうっ」
ズザッ…
「え?」
何かが土の上を滑る音がしたので振り返ると、先程私の横を走り抜けた一年生の子の1人が地面にうつぶせに倒れていた。
「だ、大丈夫!?」
すぐに駆け寄り、転んでしまった男の子の体を抱き起こす。
「う…大丈夫…です」
「本当?どこも、痛いところは無い?」
土が付いて汚れてしまった男の子の服をポンポンと叩いて軽く汚れを落とす。
「…ああ…顔と、手を少し擦り剥いちゃっているね…」
腕や脚は服で覆われていたので擦り傷は出来ていなかったが転んだときに身体を支えようと着いた手と、顔に擦り傷が出来てしまっていた。
「平太~」
「大丈夫…?」
彼と一緒に居た他の忍たまの子もこちらに寄ってきた。
その忍たまの内の1人に私の知っている子がいた。
「あら、孫次郎君」
「あ~、やす菜さん」
「こんにちわ~」とのんびりとした口調で挨拶してくれる孫次郎君に、私も「こんにちわ」と返した。
「孫次郎君のお友達なの?」
抱き起こした彼を示しながら尋ねると、「同じ組なんです~」と応えてくれた。
言われてみると、彼や孫次郎君、そして周りにいる他の忍たまの子達はどこか共通した雰囲気を持っているような気がする…組が同じだと雰囲気が似るものなのだろうか?
「平太、どこか怪我しちゃいましたか~?」
「うん。少しだけ擦り剥いちゃったみたい。傷自体は大したことはないけど、保健室で消毒して貰った方がいいかな。でもその前に井戸に行こうか」
平太君の手のひらの傷には少し砂が付いてしまっていた。
「一緒に洗いに行こう?」と言うと、平太君はこくん。と頷いてくれた。
「僕もついて行きます」
「僕も~」
「ありがとう~」
「ありがとう。孫次郎君と…」
井戸まで一緒に着いてきてくれると言った2人の忍たまの子、1人は孫次郎君なのだが、もう1人の頬が痩けた子の名前が分からず言葉を詰まらせると「二ノ坪怪士丸です」と名前を言ってくれた。
「怪士丸君ね。よろしく!じゃあ、みんなで井戸まで行きましょう」
平太君の手を引いて、孫次郎君と怪士丸君を引き連れて井戸まで向かった。
「はい。じゃぁ、手、洗おうか」
「はい」
水を汲んで、釣瓶の桶から井戸に備え付けてあった桶に水を移して平太君の側に置く。
「しっかり砂を洗い流すようにね」
「はーい」
平太君は私の言葉に素直に返事を返してくれた後、パチャパチャと桶にはった水で手を洗い始めた。
それを横目に私はもう一度井戸から水を汲むと懐から手拭いを取り出し水に浸けて濡らした。
「平太君。ちょっと顔こっち向けてもらってもいい?」
「え?ひゃっ…」
平太君が手を洗い終わってから顔をこちらに向けて貰い、濡らした手拭いで彼の顔を拭った。
「うん!綺麗になったよ!!」
顔に付いていた泥を拭き取り、平太君の顔はすっかり綺麗になった。
そして、懐からもう一枚手拭いを取り出すと平太君の手に擦り傷を覆うように優しく巻き付けて結んだ。
「一応、保健室に行くまでの包帯代わりってことで」
「……あ、ありがとう…ござい、ます」
しどろもどろにお礼を言ってくれた平太君に、にっこり笑って「どういたしまして」と返した。
「じゃぁ、保健室に行こうか。平太」
「…うん」
「やす菜さん。ありがとうございました~」
「ありがとうございました~」
ぺこり。と3人が頭を下げる。
「保健室まで付いて行こうか?」
「大丈夫です。あとは僕たちだけで十分ですよ」
「お仕事がんばってくださーい」
「ありがとう」
保健室に向かう3人を手を振りながら見送った。
「…さて、仕事に戻るか…」
3人の姿が見えなくなり、私は再び仕事を探しに戻ることにした。
…事務に行けば、何か雑用とかお手伝いすることがあるかもしれない。そう思い、私は事務室に向かうことにした。
「あの人、今朝食堂にいた人だよね~」
「すごく優しかったね」と怪士丸が言った。
「うん。やす菜さんは、すっごくいい人だよ~」
やす菜が忍術学園に来る前から彼女のことを知っていた孫次郎が怪士丸の言葉に肯定する。
「今度から学園で働く人が、あんなに優しい人でよかったよねぇ」
「そうだね~」
「…………」
「ね、平太もそう思うでしょう?」
「…………」
「……平太?」
「え!?あ、うん…」
孫次郎が声を掛けても、歩きながらじ…っと地面を見詰めたままで、平太は反応を示さなかった。
怪士丸が不思議がって声を掛けるとハッとしたように頷いた。
再び話し始めた2人をよそに、平太は自分の手に巻かれた手拭いをジッと見詰める。
「…………」
しばらくして、平太の頬がぽっと赤く染まったことに、隣でお喋りをしていた2人は気付かなかった。
密かに芽生えたそれは…
(まだほんの小さな恋心)
*****************************
約4ヶ月半振りのきり丸姉の本編の更新となりました…
続きを待っていて下さった皆様、たいへんお待たせいたしました!!><;
あの綾部との対面の話の後、どんな話にしようかと悩んだ結果、一年ろ組(伏木蔵以外)との絡み話となりました…
そしたら…あれ?
きり丸姉書き始めた当初では予定していなかった所にフラグが立っちゃっいました…自分でも予想外でびっくりしていたりします^^;
でもまぁ…いいか☆←
さて、次は誰との絡みを書こうかな…
