暴君注意報!
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「じゃ、僕は落とし紙の補充に行ってくるから、留守番よろしく」
「うん。行ってらっしゃい」
たくさんの落とし紙を風呂敷に包んだものを持って、伊作君は医務室を出て行った。
それに手を振って見送った私は、きり丸に持ってきて貰った内職を始めた。今日は造花作りの内職だ。
「~♪」
一本一本丁寧かつ、速く花を作っていく。
そうして完成品がドンドン出来上がり、一箱がいっぱいになろうとした時…
「いさっくーん!」
すぱーんっと勢いよく医務室の扉が開いた。
「あれー?いさっくん、いないのかー?」
泥だらけになった、伊作君と同じ緑の忍び装束の男の子は部屋の中を見回しながらズカズカと中に入ってきた。
「伊作君は落とし紙の補充に行きましたよ。多分、一刻程帰ってこないと思います」
そう声を掛けると、男の子は初めて私の存在に気付いたような顔をした。
「おー、そうか…って、お前は?」
「ここでお世話になっているやす菜というものです。伊作君や君と同じ歳なの。よろしくね」
「私は六年ろ組の七松小平太だ!」
いけいけどんどーん!と掛け声らしき物を言う七松小平太君に、私は思わず笑ってしまった。
「ところで、七松君は伊作君にどんな用があったの?」
「ん?あ、そうそう実はな…」
用件を尋ねると、七松君は袖を捲り上げ、その腕には擦り傷が出来ていた。
「さっき、長次と手合わせしていたらうっかり擦り剥いてしまったもんだから、いさっくんに手当して貰おうかと…」
擦り傷なので深くは無いが、ジワジワと血が出てきている。
「よかったら、私が手当しましょうか?」
「え、いいのか?」
「うん。それくらいの傷なら、私にも手当出来るから。こっちに来て」
おいでおいで、と手招きすると七松君は「じゃー、頼む」と行って私の隣に座った。
私は枕元に置いてあった救急箱を手元に置いて蓋を開ける。
そして七松君の傷を消毒しようとしたが、その傷口が泥だらけなのに気が付いた。
「…七松君、傷口洗った?」
「いや、洗ってない!」
清々しいほど言い切る七松君に「ダメだよ~」と苦笑する。
「転んで擦り剥いたらすぐに傷口を洗わなきゃ。バイ菌が入っちゃう」
「すぐに洗ってきて。」と言うと七松君は「わかった!」と行って立ち上がり、外の井戸に傷口を洗いに行った。
私はその間に消毒液と清潔な綿布を用意した。
「洗ってきたぞ!」
「じゃ、もう一回こっち来て」
今度はきちんと手当を行う。
消毒液をしみこませた綿布で傷口を拭い、それとは別の清潔な綿布を傷口に当て、上から包帯を巻いていく。
「やけに手慣れてるな」
「そう?…毎日どこかしら怪我してくる伊作君の手当してたから、慣れちゃったのかな?」
枕元に救急箱を置いてあるのもそのためだったりする。
「はい、出来た」
「おお、すまないな」
「いいえ」
巻かれた包帯を眺める七松君の横で包帯や消毒液などを片付ける。
「そういえば、やす菜はずっとここにいるのか?」
「うん。一日のほとんどをここで過ごしているわ。足を骨折してて、まだ歩けないから」
「つまらなくないのか?」
「新野先生や伊作君達保健委員の子が話相手になってくれるし、弟やその友達の子達がお見舞いに来てくれるから大丈夫よ。あ…でも…」
窓の方に顔を向け、切り取られた空を見る。
「…しばらく外に出ていないから…散歩したいなぁって思うときはあるよ。
…早く足治らないかなぁ…」
そしたら、外を歩けるのに…
そう呟くと、七松君が「よし!」と膝を叩いた。
「私が外に連れてってやろう!」
「え!?」
七松君の言葉に、私は驚いた。
「え…でも…」
「怪我の手当をして貰った礼だ!気にするな!!」
「いや、そうじゃなくて…」
外に連れて行ってくれると言っても…どうやって…?
「そうと決まれば、早速行くぞ!!あ、昼間から寝間着姿ではまずいか…ま、蒲団を巻いてれば大丈夫だろ!」
「え、ちょっ…!」
言うや否や、私はくるくると掛け蒲団で体を巻かれ、七松君に担がれた。…荷物になった気分だ。
「な、七松君…!」
「よーし、行くぞ!!やす菜!!いっけいっけどんどーん!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
私の制止の言葉は届かず、七松君は医務室を飛び出した。
暴君注意報!
(あまりの勢いと速さにまた魂が抜けそうです…)
「うん。行ってらっしゃい」
たくさんの落とし紙を風呂敷に包んだものを持って、伊作君は医務室を出て行った。
それに手を振って見送った私は、きり丸に持ってきて貰った内職を始めた。今日は造花作りの内職だ。
「~♪」
一本一本丁寧かつ、速く花を作っていく。
そうして完成品がドンドン出来上がり、一箱がいっぱいになろうとした時…
「いさっくーん!」
すぱーんっと勢いよく医務室の扉が開いた。
「あれー?いさっくん、いないのかー?」
泥だらけになった、伊作君と同じ緑の忍び装束の男の子は部屋の中を見回しながらズカズカと中に入ってきた。
「伊作君は落とし紙の補充に行きましたよ。多分、一刻程帰ってこないと思います」
そう声を掛けると、男の子は初めて私の存在に気付いたような顔をした。
「おー、そうか…って、お前は?」
「ここでお世話になっているやす菜というものです。伊作君や君と同じ歳なの。よろしくね」
「私は六年ろ組の七松小平太だ!」
いけいけどんどーん!と掛け声らしき物を言う七松小平太君に、私は思わず笑ってしまった。
「ところで、七松君は伊作君にどんな用があったの?」
「ん?あ、そうそう実はな…」
用件を尋ねると、七松君は袖を捲り上げ、その腕には擦り傷が出来ていた。
「さっき、長次と手合わせしていたらうっかり擦り剥いてしまったもんだから、いさっくんに手当して貰おうかと…」
擦り傷なので深くは無いが、ジワジワと血が出てきている。
「よかったら、私が手当しましょうか?」
「え、いいのか?」
「うん。それくらいの傷なら、私にも手当出来るから。こっちに来て」
おいでおいで、と手招きすると七松君は「じゃー、頼む」と行って私の隣に座った。
私は枕元に置いてあった救急箱を手元に置いて蓋を開ける。
そして七松君の傷を消毒しようとしたが、その傷口が泥だらけなのに気が付いた。
「…七松君、傷口洗った?」
「いや、洗ってない!」
清々しいほど言い切る七松君に「ダメだよ~」と苦笑する。
「転んで擦り剥いたらすぐに傷口を洗わなきゃ。バイ菌が入っちゃう」
「すぐに洗ってきて。」と言うと七松君は「わかった!」と行って立ち上がり、外の井戸に傷口を洗いに行った。
私はその間に消毒液と清潔な綿布を用意した。
「洗ってきたぞ!」
「じゃ、もう一回こっち来て」
今度はきちんと手当を行う。
消毒液をしみこませた綿布で傷口を拭い、それとは別の清潔な綿布を傷口に当て、上から包帯を巻いていく。
「やけに手慣れてるな」
「そう?…毎日どこかしら怪我してくる伊作君の手当してたから、慣れちゃったのかな?」
枕元に救急箱を置いてあるのもそのためだったりする。
「はい、出来た」
「おお、すまないな」
「いいえ」
巻かれた包帯を眺める七松君の横で包帯や消毒液などを片付ける。
「そういえば、やす菜はずっとここにいるのか?」
「うん。一日のほとんどをここで過ごしているわ。足を骨折してて、まだ歩けないから」
「つまらなくないのか?」
「新野先生や伊作君達保健委員の子が話相手になってくれるし、弟やその友達の子達がお見舞いに来てくれるから大丈夫よ。あ…でも…」
窓の方に顔を向け、切り取られた空を見る。
「…しばらく外に出ていないから…散歩したいなぁって思うときはあるよ。
…早く足治らないかなぁ…」
そしたら、外を歩けるのに…
そう呟くと、七松君が「よし!」と膝を叩いた。
「私が外に連れてってやろう!」
「え!?」
七松君の言葉に、私は驚いた。
「え…でも…」
「怪我の手当をして貰った礼だ!気にするな!!」
「いや、そうじゃなくて…」
外に連れて行ってくれると言っても…どうやって…?
「そうと決まれば、早速行くぞ!!あ、昼間から寝間着姿ではまずいか…ま、蒲団を巻いてれば大丈夫だろ!」
「え、ちょっ…!」
言うや否や、私はくるくると掛け蒲団で体を巻かれ、七松君に担がれた。…荷物になった気分だ。
「な、七松君…!」
「よーし、行くぞ!!やす菜!!いっけいっけどんどーん!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
私の制止の言葉は届かず、七松君は医務室を飛び出した。
暴君注意報!
(あまりの勢いと速さにまた魂が抜けそうです…)