ああ、そうか。俺はこの人のことが…
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「………」
いつものように、飼育小屋の中の動物達に餌をやっていた。
そんな時でも、俺はあの人の事を考えている。
(やす菜さん…)
その人とは街で、暴漢から殴られそうになっているのを見かけて助けたことから、知り合いになった。
ひだまりのように温かい笑顔の、とても優しい人だ。
「クゥ~ン」
「ん?…どうした?」
餌をやっていた、一匹の狼が擦り寄ってきた。
…どうやら、俺を心配してくれているらしい…
しゃがみこんで、そいつの背を撫でる。
やす菜さんは今、医務室で眠っている。何度も、お見舞いに足を運んだ。
…このまま、やす菜さんが息を引き取ったら、俺は神様とやらを呪うだろう。
この世に碌でもない奴なんてわんさかいる。なのに何故、あの人を…と
「狼と戯れてる場合じゃないぞ」
「…兵助」
声がしたので、出入り口の方を見ると、兵助が立っていた。
「やす菜さんが目を覚ましたそうだ」
「!!本当か!?」
「こんな嘘、吐くわけねぇだろ。医務室に行くぞ!」
「、ああ!!」
心配してくれた狼の頭をもう一度撫で、俺は飼育小屋を出た。
兵助と一緒に庭園を走り、医務室へと急ぐ。
医務室の扉は開いていて、中にはすでに三郎と雷蔵がいた。そして――――
「竹谷君。久々知君。」
俺と兵助にが来たことに気付き、微笑むやす菜さん。
ああ…ずっと聞きたかった、あの人の声だ…
ずっと見たかった、あの人の笑顔だ…
「おい、おせーぞ!は、ち…」
振り返った三郎の、言葉が途切れる。
横に居る兵助が唖然としている。
雷蔵と、やす菜さんが、驚いた顔で俺を見ている。
何故、そんなに驚いているんだろう?
不思議に思っていると三郎がずかずかとこっちに向かって歩いてきた。
「泣いてんじゃねーよ。バカ」
呆れ顔でそう言われて、初めて自分が泣いていることに気が付いた。
ポロポロと、涙が頬を伝って零れていた。
「やす菜さんの意識が無事戻って、嬉しいのはわかるがいきなり泣きだすな。今まで心配していた相手に逆に心配かけてどうすんだよ」
「ほら見ろ。やす菜さん心配そうにお前を見てんじゃねーか!!」と言って、三郎は俺の襟首を掴んでやす菜さんの方まで引っ張っていった。
三郎に引っ張られた俺はやす菜さんの側で座らせられた。
「竹谷君…」
やす菜さんが心配そうな顔をして、俺を覗き込む。
「あの…本当にごめんなさい…。たくさん、心配かけちゃって…三郎君から、竹谷君が特に私のこと心配してくれてたって聞いたの…。私は、もう大丈夫よ。だから…泣かないで?」
スッ…と、やす菜さんが俺の方に手を伸ばして、涙を拭ってくれた。
「…やす菜さん」
涙を拭ってくれたやす菜さんの手を取って、両手でギュッと握った。
「よかった…無事に目を覚ましてくれて…本当によかった…!!」
涙は、止まることなく流れていった。
「竹谷君…」
やす菜さんが握られていない方の手を俺の手に添えて、そっと握り返してくれた。
「ごめんね。でも…ありがとう」
そう言って、うっすらと目に涙を浮かべながら微笑んだやす菜さんを見て、俺は自分の気持ちに気が付いた。
ああ、そうか。俺はこの人のことが…
(本当に、好きなんだ…)
いつものように、飼育小屋の中の動物達に餌をやっていた。
そんな時でも、俺はあの人の事を考えている。
(やす菜さん…)
その人とは街で、暴漢から殴られそうになっているのを見かけて助けたことから、知り合いになった。
ひだまりのように温かい笑顔の、とても優しい人だ。
「クゥ~ン」
「ん?…どうした?」
餌をやっていた、一匹の狼が擦り寄ってきた。
…どうやら、俺を心配してくれているらしい…
しゃがみこんで、そいつの背を撫でる。
やす菜さんは今、医務室で眠っている。何度も、お見舞いに足を運んだ。
…このまま、やす菜さんが息を引き取ったら、俺は神様とやらを呪うだろう。
この世に碌でもない奴なんてわんさかいる。なのに何故、あの人を…と
「狼と戯れてる場合じゃないぞ」
「…兵助」
声がしたので、出入り口の方を見ると、兵助が立っていた。
「やす菜さんが目を覚ましたそうだ」
「!!本当か!?」
「こんな嘘、吐くわけねぇだろ。医務室に行くぞ!」
「、ああ!!」
心配してくれた狼の頭をもう一度撫で、俺は飼育小屋を出た。
兵助と一緒に庭園を走り、医務室へと急ぐ。
医務室の扉は開いていて、中にはすでに三郎と雷蔵がいた。そして――――
「竹谷君。久々知君。」
俺と兵助にが来たことに気付き、微笑むやす菜さん。
ああ…ずっと聞きたかった、あの人の声だ…
ずっと見たかった、あの人の笑顔だ…
「おい、おせーぞ!は、ち…」
振り返った三郎の、言葉が途切れる。
横に居る兵助が唖然としている。
雷蔵と、やす菜さんが、驚いた顔で俺を見ている。
何故、そんなに驚いているんだろう?
不思議に思っていると三郎がずかずかとこっちに向かって歩いてきた。
「泣いてんじゃねーよ。バカ」
呆れ顔でそう言われて、初めて自分が泣いていることに気が付いた。
ポロポロと、涙が頬を伝って零れていた。
「やす菜さんの意識が無事戻って、嬉しいのはわかるがいきなり泣きだすな。今まで心配していた相手に逆に心配かけてどうすんだよ」
「ほら見ろ。やす菜さん心配そうにお前を見てんじゃねーか!!」と言って、三郎は俺の襟首を掴んでやす菜さんの方まで引っ張っていった。
三郎に引っ張られた俺はやす菜さんの側で座らせられた。
「竹谷君…」
やす菜さんが心配そうな顔をして、俺を覗き込む。
「あの…本当にごめんなさい…。たくさん、心配かけちゃって…三郎君から、竹谷君が特に私のこと心配してくれてたって聞いたの…。私は、もう大丈夫よ。だから…泣かないで?」
スッ…と、やす菜さんが俺の方に手を伸ばして、涙を拭ってくれた。
「…やす菜さん」
涙を拭ってくれたやす菜さんの手を取って、両手でギュッと握った。
「よかった…無事に目を覚ましてくれて…本当によかった…!!」
涙は、止まることなく流れていった。
「竹谷君…」
やす菜さんが握られていない方の手を俺の手に添えて、そっと握り返してくれた。
「ごめんね。でも…ありがとう」
そう言って、うっすらと目に涙を浮かべながら微笑んだやす菜さんを見て、俺は自分の気持ちに気が付いた。
ああ、そうか。俺はこの人のことが…
(本当に、好きなんだ…)