ほら、もうすぐそこまで来てる
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「失礼します」
いつものように挨拶をして医務室の扉を開ける。
新野先生は今は出払っていらっしゃるらしい。
「…あれ?」
キョロキョロと医務室の中を見回す。
…やす菜の姿が見えない。
「やす菜?」
いつもなら僕が来るとひょっこり顔出すのに…
「やす菜~?」
もう一度名前を呼ぶと、「伊作君…」と奥から声が聞こえた。
「なんだ、いるんじゃないか。」
姿を見せないやす菜を不思議に思いながら、僕は声のした衝立の向こう側を覗き込んだ。
「…!?」
僕はゆっくりと目を見開いた。
「やす菜…戻れたのかい?」
そこで見たのは今まで僕が話をしてきた霊体のやす菜ではなく、今までぴくりとも動かなかったやす菜の体の両目が開き、僕に視線を向けていた。
「伊作君が来る少し前に目が覚めたの。今、新野先生がきり丸にこの事を伝えに行って下さってて…」
やす菜はちょっと微笑むと、視線を僕から天井に移した。
「…いつもの様に、体から抜け出そうとしたら浮かなくて…手を見たら幽体離脱したときには無かった包帯が巻かれていて…透けていなかった…」
やす菜は両手を顔の前に持ってきて、じっと見つめる。
「ビックリしたわ…ビックリして…すごく、嬉しかった…」
見つめていた両手で、顔を覆った。
「良かった…私、生きていられるんだ…」
その声は、心から安堵している響きを含んでいた。
『…ねぇ…いつまで寝ているの?』
この間、当番の時に置いてきた忘れ物を取りに医務室に行ったらやす菜の声が耳に入った。
『もう十分休んだでしょう?いい加減、目を覚ましてよ…
…いつまで、きり丸にあんな顔をさせとくつもりなの?
…動いてよ…私の体でしょう?』
…僕の前では笑っていたけど、本当は不安で仕方なかったのを知っていた。
僕は口を開き尋ねた。
「無事、体の意識が戻ったわけだけど…やす菜はまず、何をしたい?」
「…そうねぇ…」
はにかむように笑って、やす菜は言った。
「きり丸を、抱き締めたいかな…ずっと、悲しそうな顔をさせちゃってたから…ギュッと抱き締めて、もう平気だよ。って、言ってあげたい」
そんなやす菜の言葉に、僕も微笑んだ。
「その願いは、きっとすぐに叶うね」
僕の耳に、ドタドタと走る音が入ってきた。
ほら、もうすぐそこまで来てる
いつものように挨拶をして医務室の扉を開ける。
新野先生は今は出払っていらっしゃるらしい。
「…あれ?」
キョロキョロと医務室の中を見回す。
…やす菜の姿が見えない。
「やす菜?」
いつもなら僕が来るとひょっこり顔出すのに…
「やす菜~?」
もう一度名前を呼ぶと、「伊作君…」と奥から声が聞こえた。
「なんだ、いるんじゃないか。」
姿を見せないやす菜を不思議に思いながら、僕は声のした衝立の向こう側を覗き込んだ。
「…!?」
僕はゆっくりと目を見開いた。
「やす菜…戻れたのかい?」
そこで見たのは今まで僕が話をしてきた霊体のやす菜ではなく、今までぴくりとも動かなかったやす菜の体の両目が開き、僕に視線を向けていた。
「伊作君が来る少し前に目が覚めたの。今、新野先生がきり丸にこの事を伝えに行って下さってて…」
やす菜はちょっと微笑むと、視線を僕から天井に移した。
「…いつもの様に、体から抜け出そうとしたら浮かなくて…手を見たら幽体離脱したときには無かった包帯が巻かれていて…透けていなかった…」
やす菜は両手を顔の前に持ってきて、じっと見つめる。
「ビックリしたわ…ビックリして…すごく、嬉しかった…」
見つめていた両手で、顔を覆った。
「良かった…私、生きていられるんだ…」
その声は、心から安堵している響きを含んでいた。
『…ねぇ…いつまで寝ているの?』
この間、当番の時に置いてきた忘れ物を取りに医務室に行ったらやす菜の声が耳に入った。
『もう十分休んだでしょう?いい加減、目を覚ましてよ…
…いつまで、きり丸にあんな顔をさせとくつもりなの?
…動いてよ…私の体でしょう?』
…僕の前では笑っていたけど、本当は不安で仕方なかったのを知っていた。
僕は口を開き尋ねた。
「無事、体の意識が戻ったわけだけど…やす菜はまず、何をしたい?」
「…そうねぇ…」
はにかむように笑って、やす菜は言った。
「きり丸を、抱き締めたいかな…ずっと、悲しそうな顔をさせちゃってたから…ギュッと抱き締めて、もう平気だよ。って、言ってあげたい」
そんなやす菜の言葉に、僕も微笑んだ。
「その願いは、きっとすぐに叶うね」
僕の耳に、ドタドタと走る音が入ってきた。
ほら、もうすぐそこまで来てる
