旅は道連れ 世は情け
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「いい天気…」
ぽかぽかと暖かい陽気が続き、ここ数日はとてもすごしやすい気候だった。
私は埃が立たないように、と店の前に打ち水をした。
パシャッ、パシャッと水をまくと地面が水を含み、しっとりとしてきた。
そのまままんべんなく水をまいていると「あの~…」と声をかけられた。
「はい」
顔を上げると私と同じ歳くらいの男の子がいた。
「どうしました?」
「ちょっとその水を貰ってもいいですか?」
「この水を?」
「この水は飲み水ではありませんよ?」と言って首を傾げると男の子は「いえ…」と首を横に振った。
「飲むんじゃなくて掛けるんですよ」
「掛ける?」
「はい。…そろそろ、限界みたいで…」
男の子が視線を動かしたので私もそっちを見ると真っ青な顔をした男の人が二人地面に座り込んでいた。
「どっ…どうしたんですか!?すごい顔色ですけど…」
「陸酔いがピークに達しちゃったようで…」
「陸酔い…?」
「すみませんが、桶一杯の水と、塩も頂けますか?」
「わ、わかりました…」
私が店の中に戻ろうと踵を返すと、後ろから「しっかりしてくださーい」と言う男の子の声とバシャッて水を掛ける音が聞こえた。
「水とお塩持って来ました!」
「ありがとうございます」
水と塩を受け取った男の子は桶の水に塩を入れて溶かし、そして…
「ほら、二人共塩水ですよ!」
バッシャーン
二人の顔に塩水を勢い良く掛けた。
「どうです?元気出ました?」
「ああ…」
「なんとか…」
塩水を浴びた二人がよろりと立ち上がる。
「大丈夫ですか?」
控え目に声をかけると男の人達は「はい…」と弱々しく笑った。
「ありがとうございました。お陰で助かりました」
「いいえ、困った時はお互い様ですから」
頭を下げる三人に私は軽く首を横に振った。
「今度、お礼の品を持って来ますね」
「そんな…お気になさらないで下さい」
「いえ、お世話になりましたから」
「じゃあ、私達はこれで…」
「どちらに行かれるんですか?」
「ちょっと忍術学園に」
それを聞いて私はピタッと動きを止めた。
「…忍術学園?」
「はい」
目の前の人達からその単語が出たことと思いがけぬ偶然に驚く。実は…
「私もこれからそこに行くところだったんですよ」
今日は仕事時間が午前だけだったのできり丸に会いに行こうと思ったのだ。
「そうなんですか!」
「偶然ですね」
「本当に。よかったら御一緒させてもらってもいいですか?ちゃんと行けるか少し不安だったので…」
近くまで行ったことはあるのだが、学園に行ったことはまだ一度もない。
「いいですよ」
「一緒に行きましょう!!」
快く承諾してくれたことに、私は嬉しくて笑みを浮かべた。
旅は道連れ 世は情け
「ありがとうございます!!私、やす菜といいます」
「僕は網問」
「俺は間切」
「私は鬼ぐ…うぷっ」
「ああっ!大丈夫ですか!?塩水持ってきますから、待っててください!!」
(((いい娘さんだなぁ…)))
ぽかぽかと暖かい陽気が続き、ここ数日はとてもすごしやすい気候だった。
私は埃が立たないように、と店の前に打ち水をした。
パシャッ、パシャッと水をまくと地面が水を含み、しっとりとしてきた。
そのまままんべんなく水をまいていると「あの~…」と声をかけられた。
「はい」
顔を上げると私と同じ歳くらいの男の子がいた。
「どうしました?」
「ちょっとその水を貰ってもいいですか?」
「この水を?」
「この水は飲み水ではありませんよ?」と言って首を傾げると男の子は「いえ…」と首を横に振った。
「飲むんじゃなくて掛けるんですよ」
「掛ける?」
「はい。…そろそろ、限界みたいで…」
男の子が視線を動かしたので私もそっちを見ると真っ青な顔をした男の人が二人地面に座り込んでいた。
「どっ…どうしたんですか!?すごい顔色ですけど…」
「陸酔いがピークに達しちゃったようで…」
「陸酔い…?」
「すみませんが、桶一杯の水と、塩も頂けますか?」
「わ、わかりました…」
私が店の中に戻ろうと踵を返すと、後ろから「しっかりしてくださーい」と言う男の子の声とバシャッて水を掛ける音が聞こえた。
「水とお塩持って来ました!」
「ありがとうございます」
水と塩を受け取った男の子は桶の水に塩を入れて溶かし、そして…
「ほら、二人共塩水ですよ!」
バッシャーン
二人の顔に塩水を勢い良く掛けた。
「どうです?元気出ました?」
「ああ…」
「なんとか…」
塩水を浴びた二人がよろりと立ち上がる。
「大丈夫ですか?」
控え目に声をかけると男の人達は「はい…」と弱々しく笑った。
「ありがとうございました。お陰で助かりました」
「いいえ、困った時はお互い様ですから」
頭を下げる三人に私は軽く首を横に振った。
「今度、お礼の品を持って来ますね」
「そんな…お気になさらないで下さい」
「いえ、お世話になりましたから」
「じゃあ、私達はこれで…」
「どちらに行かれるんですか?」
「ちょっと忍術学園に」
それを聞いて私はピタッと動きを止めた。
「…忍術学園?」
「はい」
目の前の人達からその単語が出たことと思いがけぬ偶然に驚く。実は…
「私もこれからそこに行くところだったんですよ」
今日は仕事時間が午前だけだったのできり丸に会いに行こうと思ったのだ。
「そうなんですか!」
「偶然ですね」
「本当に。よかったら御一緒させてもらってもいいですか?ちゃんと行けるか少し不安だったので…」
近くまで行ったことはあるのだが、学園に行ったことはまだ一度もない。
「いいですよ」
「一緒に行きましょう!!」
快く承諾してくれたことに、私は嬉しくて笑みを浮かべた。
旅は道連れ 世は情け
「ありがとうございます!!私、やす菜といいます」
「僕は網問」
「俺は間切」
「私は鬼ぐ…うぷっ」
「ああっ!大丈夫ですか!?塩水持ってきますから、待っててください!!」
(((いい娘さんだなぁ…)))