スキンシップはほどほどに
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「じゃ、これお願いね」
「はい!」
お店のおばさんからお菓子の包みを受け取り店を出る。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
私の働く茶店ではお菓子の配達もやっている。
今日は配達要員の人がいないので私が届けることになった。
「えーっと、今日の配達先は髪結床の斉藤さん…」
地図とにらめっこしながら目的の家を探す。
「あ、あそこかな?」
髪結床の印である暖簾を見つけた。
表にたくさんの女の人がいる。
そういえばおばさんが人気の髪結床だって言っていたような…
とりあえずお菓子を届けなきゃいけないので、女の人達の間をかきわけお店の中に入る。
「毎度ありがとうございます!
風流庵よりお菓子をお届けにあがりました!」
「ああ、ご苦労様」
髪結床の主人の斉藤さんがこちらに振り向く。
すると表からキャー!!と黄色い声が上がった。
(す…すごい…)
「おや、いつもと違う子だね」
「はい。今日は配達の人がいないので私が」
「そうか。ちなみにお嬢さんはおいくつかな?」
「十五歳です」
「うちにも丁度同じ歳の息子がいるんですよ」
「へぇー、そうなんですか」
斉藤さんと他愛もない話をしながら代金を貰い、受け取り表にサインを貰う。
「…あの、斉藤さん」
「何だね?」
「先程から私の髪に頬擦りしているこの人が息子さんですか?」
私の後ろに金髪の男の子がいた。
実は斉藤さんと話を始めてすぐにこの男の子が寄って来て私の髪を触り出したのだ。
「サラサラー」
スリスリと頬擦りされて正直くすぐったい。
「ああ、そう。それが息子のタカ丸です。」
ああ…この人だった…
この状況をどうすればいいかわからず困惑していると斉藤さんがタカ丸君をたしなめてくれた。
「コラ、タカ丸。お嬢さんが困っているだろう」
「だって父さん。この娘の髪、すっごくサラサラなんだ」
「…………」
未だタカ丸君が私の髪を離す気配はない。
褒められるのに悪い気はしないが…どうしよう…
不意に、私の髪をすいていたタカ丸君の指が首筋に触れた。
「ぅぁっ…」
それにビクッと体が反応してしまった。
「あれ?もしかして首筋弱いの?かーわいー!」
「~~~~~~~~っ」
顔に一気に熱が集まり、声にならない叫びを上げる。
(助けてきり丸ー!!)
忍術学園で頑張っているであろう弟に心の中で助けを求める。
今なら恥ずかしさで二度ほど死ねる気がする…
「タカ丸、いい加減にしなさい」
ビシッと斉藤さんがタカ丸君にデコピンをする。
「あうっ」
タカ丸君はよろけ、私の髪から手を離した。
「見ろ、お嬢さんが泣きそうじゃないか」
「えっ!?」
バッとタカ丸君が私の顔を覗き込む。
私は恥ずかしさのあまり固まり目尻に涙が溜っていた。
「うそっ!?何で~!?」
「お前がベタベタと触っていたからだろう」
「そうなの!?あんまり綺麗な髪だったからつい…ごめんねー!!」
「大丈夫でーす」
「いや、明らかに大丈夫じゃないよね。声かすれてるよー!」
どうしようどうしよう、とタカ丸君がうろたえてる。
「~~~本日は風流庵の甘味を御注文いただき、ありがとうございました!!またの御利用をお待ちしてます!!」
恥ずかしさに耐えきれなくなった私はそう言ってそのままお店を飛び出した。
「あ、待って!!」
タカ丸君の声が聞こえたような気がしたが、構わず走り続けた。
スキンシップはほどほどに
「…名前、聞きそびれちゃった…」
「はい!」
お店のおばさんからお菓子の包みを受け取り店を出る。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
私の働く茶店ではお菓子の配達もやっている。
今日は配達要員の人がいないので私が届けることになった。
「えーっと、今日の配達先は髪結床の斉藤さん…」
地図とにらめっこしながら目的の家を探す。
「あ、あそこかな?」
髪結床の印である暖簾を見つけた。
表にたくさんの女の人がいる。
そういえばおばさんが人気の髪結床だって言っていたような…
とりあえずお菓子を届けなきゃいけないので、女の人達の間をかきわけお店の中に入る。
「毎度ありがとうございます!
風流庵よりお菓子をお届けにあがりました!」
「ああ、ご苦労様」
髪結床の主人の斉藤さんがこちらに振り向く。
すると表からキャー!!と黄色い声が上がった。
(す…すごい…)
「おや、いつもと違う子だね」
「はい。今日は配達の人がいないので私が」
「そうか。ちなみにお嬢さんはおいくつかな?」
「十五歳です」
「うちにも丁度同じ歳の息子がいるんですよ」
「へぇー、そうなんですか」
斉藤さんと他愛もない話をしながら代金を貰い、受け取り表にサインを貰う。
「…あの、斉藤さん」
「何だね?」
「先程から私の髪に頬擦りしているこの人が息子さんですか?」
私の後ろに金髪の男の子がいた。
実は斉藤さんと話を始めてすぐにこの男の子が寄って来て私の髪を触り出したのだ。
「サラサラー」
スリスリと頬擦りされて正直くすぐったい。
「ああ、そう。それが息子のタカ丸です。」
ああ…この人だった…
この状況をどうすればいいかわからず困惑していると斉藤さんがタカ丸君をたしなめてくれた。
「コラ、タカ丸。お嬢さんが困っているだろう」
「だって父さん。この娘の髪、すっごくサラサラなんだ」
「…………」
未だタカ丸君が私の髪を離す気配はない。
褒められるのに悪い気はしないが…どうしよう…
不意に、私の髪をすいていたタカ丸君の指が首筋に触れた。
「ぅぁっ…」
それにビクッと体が反応してしまった。
「あれ?もしかして首筋弱いの?かーわいー!」
「~~~~~~~~っ」
顔に一気に熱が集まり、声にならない叫びを上げる。
(助けてきり丸ー!!)
忍術学園で頑張っているであろう弟に心の中で助けを求める。
今なら恥ずかしさで二度ほど死ねる気がする…
「タカ丸、いい加減にしなさい」
ビシッと斉藤さんがタカ丸君にデコピンをする。
「あうっ」
タカ丸君はよろけ、私の髪から手を離した。
「見ろ、お嬢さんが泣きそうじゃないか」
「えっ!?」
バッとタカ丸君が私の顔を覗き込む。
私は恥ずかしさのあまり固まり目尻に涙が溜っていた。
「うそっ!?何で~!?」
「お前がベタベタと触っていたからだろう」
「そうなの!?あんまり綺麗な髪だったからつい…ごめんねー!!」
「大丈夫でーす」
「いや、明らかに大丈夫じゃないよね。声かすれてるよー!」
どうしようどうしよう、とタカ丸君がうろたえてる。
「~~~本日は風流庵の甘味を御注文いただき、ありがとうございました!!またの御利用をお待ちしてます!!」
恥ずかしさに耐えきれなくなった私はそう言ってそのままお店を飛び出した。
「あ、待って!!」
タカ丸君の声が聞こえたような気がしたが、構わず走り続けた。
スキンシップはほどほどに
「…名前、聞きそびれちゃった…」