再会はスライディングと共に
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「う~ん…」
皆さんこんにちわ。忍術学園五年ろ組、竹谷八左ヱ門です。
突然ですが、おれは今ものすごく悩んでいます。
「行くべきか…行かざるべきか…」
「行くってどこにだ?」
「ああ、三郎実はだな…って、三郎!?」
「よぉ」
「雷蔵も!!」
「やぁ」
声を掛けられても一瞬気が付かなかったが後ろを見ると三郎と雷蔵が立っていた。
「八が悩むなんて珍しいじゃないか。で、何を悩んでいるんだ?」
グッと三郎に詰め寄られたおれは少し体を仰け反った。
「えっと…実は…」
かくかくしかじか
「なるほど…」
俺は大まかに悩んでいたことを二人に話した。
「つまり…お前は夏休み初日に暴漢に襲われていた娘を助け…」
「その娘さんにお礼をしたいから今度働いている茶店に来て欲しいと言われたけど…」
「夏休みはなんやかんや忙しくて結局店に行けず新学期が始まってしまい…」
「今度の休みに行くべきか悩んでいる。と」
二人の言葉にそうだ。と頷く。
「行けばいいだろ」
あっさりと三郎が言う。
「こんなことで迷うなんて、お前は雷蔵か」
「ちょっと、三郎!」
「でもなぁ…」
三郎の言葉におれはゆるゆると首を横に振る
「もう一ヶ月以上前のことだぜ?今更行っても…」
「大丈夫だよ!その娘さんもきっと待ってるよ!」
「そうかなぁ…」
「そうだよ!!」
雷蔵に言われたものの、おれはまだ迷っていた。
「悩むよりまず行動だ!!八。その茶店に行くぞ!!」
そういうやいなや、三郎は俺の腕を掴んで走り出した。
「おい!ちょっ…ま…」
おれが何か言おうとしても三郎は止まらない。
そして途中で兵助を拾い、そのまま外出届を提出して外へ出た。
「三郎、いつの間に外出届貰って来たの?」
「いや、なぁに。友のためならこれくらい簡単さ」
「三郎…面白がってるでしょ?」
「当然」
この時の二人の会話やニヤリと笑った三郎の顔だとか雷蔵が吐いた溜め息とかに、おれは気が付かなかった。
そんなこんなでおれ達4人は例の茶店の前まで来てしまった。
「おい、八。お前が助けた娘はどこだ?」
「えっと…あ、あそこ」
三郎に聞かれ、おれは店の前で客に団子を運んだ娘を指差す。
「あの栗色の髪の娘か?」
「ああ」
「ふーん。結構可愛いじゃないか」
三郎の「可愛い」という言葉に雷蔵と兵助も「そうだね」とか「豆腐みたいに色が白いな」などと言って頷く。
「よし、行け!八!!当たって砕けてこい!!」
びしぃっ!と三郎があの娘を指差す。
「何だよ!当たって砕けるって!てか、まだ心の準備が…」
「ええい、いつまでもウジウジと鬱陶しい!!さっさと行ってこい!!」
「うわ!?」
ゲシッと三郎に尻を蹴られて前につんのめる。
そしてそのままズザーッと地面にスライディングした。
(三郎ぉぉぉぉぉ!!)
顔を上げて見ると三郎はニヤニヤとしながらグッと親指を立てていた…
くそっ、後で覚えてろよ!!
「大丈夫ですか!?」
あの娘の声が聞こえ、ピシッと体が固まった。
「ずいぶんと派手に滑りましたけど…怪我はありませんか?」
パタパタと足音が近付き、心配そうにおれの顔を覗き込む。
「あれ?貴方はあの時の…」
どうやら彼女はおれのことを覚えててくれたらしい。
「いらっしゃい。よかった、来てくれるのずっと待ってたのよ」
そう言ってニッコリ笑った彼女を見て、おれはあの時と同じように、ああ…可愛いな…と思った。
再会はスライディングと共に
皆さんこんにちわ。忍術学園五年ろ組、竹谷八左ヱ門です。
突然ですが、おれは今ものすごく悩んでいます。
「行くべきか…行かざるべきか…」
「行くってどこにだ?」
「ああ、三郎実はだな…って、三郎!?」
「よぉ」
「雷蔵も!!」
「やぁ」
声を掛けられても一瞬気が付かなかったが後ろを見ると三郎と雷蔵が立っていた。
「八が悩むなんて珍しいじゃないか。で、何を悩んでいるんだ?」
グッと三郎に詰め寄られたおれは少し体を仰け反った。
「えっと…実は…」
かくかくしかじか
「なるほど…」
俺は大まかに悩んでいたことを二人に話した。
「つまり…お前は夏休み初日に暴漢に襲われていた娘を助け…」
「その娘さんにお礼をしたいから今度働いている茶店に来て欲しいと言われたけど…」
「夏休みはなんやかんや忙しくて結局店に行けず新学期が始まってしまい…」
「今度の休みに行くべきか悩んでいる。と」
二人の言葉にそうだ。と頷く。
「行けばいいだろ」
あっさりと三郎が言う。
「こんなことで迷うなんて、お前は雷蔵か」
「ちょっと、三郎!」
「でもなぁ…」
三郎の言葉におれはゆるゆると首を横に振る
「もう一ヶ月以上前のことだぜ?今更行っても…」
「大丈夫だよ!その娘さんもきっと待ってるよ!」
「そうかなぁ…」
「そうだよ!!」
雷蔵に言われたものの、おれはまだ迷っていた。
「悩むよりまず行動だ!!八。その茶店に行くぞ!!」
そういうやいなや、三郎は俺の腕を掴んで走り出した。
「おい!ちょっ…ま…」
おれが何か言おうとしても三郎は止まらない。
そして途中で兵助を拾い、そのまま外出届を提出して外へ出た。
「三郎、いつの間に外出届貰って来たの?」
「いや、なぁに。友のためならこれくらい簡単さ」
「三郎…面白がってるでしょ?」
「当然」
この時の二人の会話やニヤリと笑った三郎の顔だとか雷蔵が吐いた溜め息とかに、おれは気が付かなかった。
そんなこんなでおれ達4人は例の茶店の前まで来てしまった。
「おい、八。お前が助けた娘はどこだ?」
「えっと…あ、あそこ」
三郎に聞かれ、おれは店の前で客に団子を運んだ娘を指差す。
「あの栗色の髪の娘か?」
「ああ」
「ふーん。結構可愛いじゃないか」
三郎の「可愛い」という言葉に雷蔵と兵助も「そうだね」とか「豆腐みたいに色が白いな」などと言って頷く。
「よし、行け!八!!当たって砕けてこい!!」
びしぃっ!と三郎があの娘を指差す。
「何だよ!当たって砕けるって!てか、まだ心の準備が…」
「ええい、いつまでもウジウジと鬱陶しい!!さっさと行ってこい!!」
「うわ!?」
ゲシッと三郎に尻を蹴られて前につんのめる。
そしてそのままズザーッと地面にスライディングした。
(三郎ぉぉぉぉぉ!!)
顔を上げて見ると三郎はニヤニヤとしながらグッと親指を立てていた…
くそっ、後で覚えてろよ!!
「大丈夫ですか!?」
あの娘の声が聞こえ、ピシッと体が固まった。
「ずいぶんと派手に滑りましたけど…怪我はありませんか?」
パタパタと足音が近付き、心配そうにおれの顔を覗き込む。
「あれ?貴方はあの時の…」
どうやら彼女はおれのことを覚えててくれたらしい。
「いらっしゃい。よかった、来てくれるのずっと待ってたのよ」
そう言ってニッコリ笑った彼女を見て、おれはあの時と同じように、ああ…可愛いな…と思った。
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