オベぐだ♀短編
「ねえ、秘密の話なんだけど」
ベッドの上で、一組の男女が並んで横になっていた。
一つの布団に2人で包まりながら、立香はオベロンの耳元に口を寄せて内緒話をする様に囁く。
「私ね、素敵な花嫁さんになるのが夢だったの」
真っ白いレースの、美しいウェディングドレスを着て、好きな人と将来を誓いあってキスをするのが夢だったのだと彼女は言った。
「でも、もうなれないね」
ボロボロで、傷だらけの体になってしまったから、自分が夢見た美しい花嫁にはなれないのだと寂しそうに自身の腕に付いた傷を撫でた。
「そんな事ないさ」
立香の話を聞いていたオベロンは、ベッドから体を起こすと、彼女の手を引き向かい合って座った。
そして、今まで自分達が掛けていた布団を立香に被せて顔だけ出させる。
「病める時も健やかなる時も、君がどんな風になったって、愛する事を誓うとも」
そう言って、オベロンは立香の唇にキスをした。
どうやら、布団を花嫁のヴェールに見立てた結婚式の真似事の様だ。
くしゃり、と立香が泣きそうな顔で笑う。
「ありがとう」
言葉にした事が捻れて、一切の信憑性が無くなってしまう大嘘付きのオベロンの言葉だから、どこまで立香は信じていいのか分からない。
けれど、一夜の夢であっても、オベロンが誓いの言葉を立香にくれた事が何より嬉しかった。
「私も…」
立香の目から、涙が一筋流れる。
「病める時も健やかなる時も……例えこの命がすり減って消えてしまっても……オベロン・ヴォーティガーン、貴方のことを愛しているよ」
そう言って、今度は彼女からオベロンにキスをする。
ふたりぼっちの、静かで優しい夜だった
ベッドの上で、一組の男女が並んで横になっていた。
一つの布団に2人で包まりながら、立香はオベロンの耳元に口を寄せて内緒話をする様に囁く。
「私ね、素敵な花嫁さんになるのが夢だったの」
真っ白いレースの、美しいウェディングドレスを着て、好きな人と将来を誓いあってキスをするのが夢だったのだと彼女は言った。
「でも、もうなれないね」
ボロボロで、傷だらけの体になってしまったから、自分が夢見た美しい花嫁にはなれないのだと寂しそうに自身の腕に付いた傷を撫でた。
「そんな事ないさ」
立香の話を聞いていたオベロンは、ベッドから体を起こすと、彼女の手を引き向かい合って座った。
そして、今まで自分達が掛けていた布団を立香に被せて顔だけ出させる。
「病める時も健やかなる時も、君がどんな風になったって、愛する事を誓うとも」
そう言って、オベロンは立香の唇にキスをした。
どうやら、布団を花嫁のヴェールに見立てた結婚式の真似事の様だ。
くしゃり、と立香が泣きそうな顔で笑う。
「ありがとう」
言葉にした事が捻れて、一切の信憑性が無くなってしまう大嘘付きのオベロンの言葉だから、どこまで立香は信じていいのか分からない。
けれど、一夜の夢であっても、オベロンが誓いの言葉を立香にくれた事が何より嬉しかった。
「私も…」
立香の目から、涙が一筋流れる。
「病める時も健やかなる時も……例えこの命がすり減って消えてしまっても……オベロン・ヴォーティガーン、貴方のことを愛しているよ」
そう言って、今度は彼女からオベロンにキスをする。
ふたりぼっちの、静かで優しい夜だった