オベぐだ♀短編
厄介な病を患ってしまった。
ノウムカルデアのマイルームのベッドに腰かけて、腕を組みながら人類最後のマスターである藤丸立香は唸った。
最近、急に動悸が激しくなったり、かと思ったら胸が苦しくなったりするようになった。それから、ぼーっとしがちになり最近よく壁にぶつかったり何もない所で転んだり…すごく些細ではあるがミスを多発するようになってしまった。
食事も上手く喉を通らなくなってしまったが、取れるときに食事を取らなくては命に関わるので今は口に運んだものを無理矢理流し込んでいる。
これは、由々しき事態である。
今、立香は人理漂白という危機に対して前線で戦える唯一のマスターである。
そんな自分がこんな体たらくでいていいわけがない…今は安全なノウムカルデアと言う拠点で過ごす平和な時間とはいえ、戦場でこんな状態ではあっさり死んでしまう。それは許されない。
今自分が死んだらここまで頑張ってきたすべてが水の泡になってしまうのだから。
だから、立香はすぐに医務室に行き相談した。
カルデアの医務室にはクリミアの天使・ナイチンゲールに、ギリシャ神話の医神・アスクレピオス。そして医務室で彼らの補佐を完璧に務めてくれるキャプテン・ネモの分身体ネモ・ナースというとても頼もしい人たちがいてくれる。
そこで今自分が感じている体の違和感を相談したら全員何とも言えない顔をしてしまい、しまいには「自分達では相談に乗ることくらいはできるが治療はできない」と匙を投げられてしまった。
「…そんなぁ…」
「とりあえず、それは東洋の有名な湯治場でも治せないものだ。すまないが僕もできれば請け負いたくない」
「諦めろ」と飴だけを渡されて帰される。
…このまま体調も精神も不具合を抱えたまま、自分は本当に汎人類史を守れるだろうか…
そんな不安を、立香は自分の部屋にいつも入り浸るサーヴァントの一基であるオベロン・ヴォーティガーンに相談した。
「…なんで俺にそんなこと言うわけ?迷惑なんだけど」
と苦虫を100匹は嚙み潰したような顔をして心底嫌そうに言われた。
「だって、これはオベロンにも関係のある話なんだよ」
「はぁ?君の不調と俺が何の関係があるっていうんだ。言いがかりはやめてくれるかい?」
「だって、この症状が出るのはオベロンが側にいる時なんだから」
「………は?」
立香の言葉に、オベロンが呆けた顔をする。
「私、オベロンといるとドキドキして胸が苦しいし、オベロンの事が頭に浮かんでオベロンの事しか考えられなくなるし、食事も喉を通らなくなったんだから!」
「だからオベロンにも原因あるんだから責任取ってどうすれば良くなるか考えてよ!」と立香が頬を膨らませて言うと、オベロンは顔を掌で覆って俯いた。そして「…マジか…」と唸るように呟く。
「………なあ、立香…俺、その病名もその病気に対する特効薬も知っているんだけど…」
「本当!?」
オベロンの言葉にぱぁっと顔を輝かせる。
「薬があるならありがたいな!それはどんな薬なの?」
そう尋ねる立香の頬にそっと手を添え…そして、キスをした。
「薬は、俺」
ノウムカルデアのマイルームのベッドに腰かけて、腕を組みながら人類最後のマスターである藤丸立香は唸った。
最近、急に動悸が激しくなったり、かと思ったら胸が苦しくなったりするようになった。それから、ぼーっとしがちになり最近よく壁にぶつかったり何もない所で転んだり…すごく些細ではあるがミスを多発するようになってしまった。
食事も上手く喉を通らなくなってしまったが、取れるときに食事を取らなくては命に関わるので今は口に運んだものを無理矢理流し込んでいる。
これは、由々しき事態である。
今、立香は人理漂白という危機に対して前線で戦える唯一のマスターである。
そんな自分がこんな体たらくでいていいわけがない…今は安全なノウムカルデアと言う拠点で過ごす平和な時間とはいえ、戦場でこんな状態ではあっさり死んでしまう。それは許されない。
今自分が死んだらここまで頑張ってきたすべてが水の泡になってしまうのだから。
だから、立香はすぐに医務室に行き相談した。
カルデアの医務室にはクリミアの天使・ナイチンゲールに、ギリシャ神話の医神・アスクレピオス。そして医務室で彼らの補佐を完璧に務めてくれるキャプテン・ネモの分身体ネモ・ナースというとても頼もしい人たちがいてくれる。
そこで今自分が感じている体の違和感を相談したら全員何とも言えない顔をしてしまい、しまいには「自分達では相談に乗ることくらいはできるが治療はできない」と匙を投げられてしまった。
「…そんなぁ…」
「とりあえず、それは東洋の有名な湯治場でも治せないものだ。すまないが僕もできれば請け負いたくない」
「諦めろ」と飴だけを渡されて帰される。
…このまま体調も精神も不具合を抱えたまま、自分は本当に汎人類史を守れるだろうか…
そんな不安を、立香は自分の部屋にいつも入り浸るサーヴァントの一基であるオベロン・ヴォーティガーンに相談した。
「…なんで俺にそんなこと言うわけ?迷惑なんだけど」
と苦虫を100匹は嚙み潰したような顔をして心底嫌そうに言われた。
「だって、これはオベロンにも関係のある話なんだよ」
「はぁ?君の不調と俺が何の関係があるっていうんだ。言いがかりはやめてくれるかい?」
「だって、この症状が出るのはオベロンが側にいる時なんだから」
「………は?」
立香の言葉に、オベロンが呆けた顔をする。
「私、オベロンといるとドキドキして胸が苦しいし、オベロンの事が頭に浮かんでオベロンの事しか考えられなくなるし、食事も喉を通らなくなったんだから!」
「だからオベロンにも原因あるんだから責任取ってどうすれば良くなるか考えてよ!」と立香が頬を膨らませて言うと、オベロンは顔を掌で覆って俯いた。そして「…マジか…」と唸るように呟く。
「………なあ、立香…俺、その病名もその病気に対する特効薬も知っているんだけど…」
「本当!?」
オベロンの言葉にぱぁっと顔を輝かせる。
「薬があるならありがたいな!それはどんな薬なの?」
そう尋ねる立香の頬にそっと手を添え…そして、キスをした。
「薬は、俺」