オベぐだ子ワンライ
抜け落ちて行く熱を知っている。
ひねくれものの自分の、数少ない本音を口にさせた1人の女の子。
その女の子の命の灯が消えた時、自分は彼女の体を抱き締めて手を握っていた。
最後の息が零れ落ちた瞬間も、心臓が脈を打つことを止めた瞬間も、オベロンは覚えている。
温度の無いはずの自分な手よりも、温かいはずだった彼女の手が氷のように冷たくなっていく感覚を、きっとずっと忘れられない。
「寒いから眠れない」なんて言う、子供の戯言を優しく受け入れてくれたことに味をしめて、その日からほぼ毎日、オベロンは立香と同じ布団にくるまって眠りについた。
繋いだ手、触れた足先から、彼女の体温が自分に移り、自分が立香の熱を奪っている気もするがそれで温かさが無くなることは無い。
鼻先が触れるほど顔を近付ければ、健やかな寝息が聞こえる。
そのまま、唇に触れたい気持ちを堪えて少し体をずらして胸元に耳を寄せると、トクトクと心臓が規則正しく脈打つ音が感じられる。
(ああ、良かった。今日も、きみは生きている)
安心したようにそっと息を吐いて、オベロンも瞼を閉じた
一度失った、少女の温かさを感じながらオベロンはもう二度と手放すまいと思いながら今日も穏やかな眠りに着くのだった。
ひねくれものの自分の、数少ない本音を口にさせた1人の女の子。
その女の子の命の灯が消えた時、自分は彼女の体を抱き締めて手を握っていた。
最後の息が零れ落ちた瞬間も、心臓が脈を打つことを止めた瞬間も、オベロンは覚えている。
温度の無いはずの自分な手よりも、温かいはずだった彼女の手が氷のように冷たくなっていく感覚を、きっとずっと忘れられない。
「寒いから眠れない」なんて言う、子供の戯言を優しく受け入れてくれたことに味をしめて、その日からほぼ毎日、オベロンは立香と同じ布団にくるまって眠りについた。
繋いだ手、触れた足先から、彼女の体温が自分に移り、自分が立香の熱を奪っている気もするがそれで温かさが無くなることは無い。
鼻先が触れるほど顔を近付ければ、健やかな寝息が聞こえる。
そのまま、唇に触れたい気持ちを堪えて少し体をずらして胸元に耳を寄せると、トクトクと心臓が規則正しく脈打つ音が感じられる。
(ああ、良かった。今日も、きみは生きている)
安心したようにそっと息を吐いて、オベロンも瞼を閉じた
一度失った、少女の温かさを感じながらオベロンはもう二度と手放すまいと思いながら今日も穏やかな眠りに着くのだった。