Gマイレージ②《連載中》
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アイドリアン響は、頭にヘッドセットを装着し、口元のマイクの位置を調整した。
「よし。マシンの設定をもう1回確認しよう」
画面のひとつに、シルバーに輝く壁に囲まれたガレージに収まっている1台のクルマ「ビークル」が映し出されている。
これが今夜、響たちが探索のために乗り込むマシンだった。
通常のインターネットユーザーが使う乗り物「ビークル」は、卵のような単純な楕円形のもので、ユーザーはそのボディに自由にペイントを施して飾る程度のことしか出来ない。
今夜、響たちが使うそのビークルは、黒光りする金属質の多面体で、地面を低く這うようなフォルムをしていた。その姿は、レーダーに探知されずに敵地まで侵入可能な「ステルス戦闘機」に酷似している。
そう。このステルス戦闘機のようなビークルの正体は、ネット上に存在する企業情報に極秘のうちに侵入するための[ハッキングプログラム]が視覚化されたものだった。
一般ユーザーがサイバーダイブシステムを利用する際に使う、単なる「ネットサーフィンのためのプログラム」とは根本的に違っている。
少々やっかいな事に、年々進化を続けるCDSは、プログラムの「性質」を「視覚化」するよう、発展してきた。
攻撃的なプログラムは攻撃的な姿に、無差別に自己増殖するワームプログラムはまさにうねうね蠢くミミズのように視覚化される。
今夜使うハッキングプログラムも、どう設定してもサイバーダイブシステム上では、姿を隠すことは出来ず、その性質を如実に表す「ステルス戦闘機」のような姿になってしまった。
「やっぱこれじゃあ、私たちハッカーですよ~!って宣伝してるようなもんじゃない。やぁねぇ」
ヘッドホンから瀬名のオネエ言葉のダミ声が響く。
瀬名は響の株取引き仲間である。年下の32歳、男性。
Gマイレージには参加しておらず、また全く興味もないようだったが、響が持ちかけた「Gマイレージに関する疑惑」には食いついてきた。
「おもしろそうじゃない。やっちゃいましょうか」
有能なシステムエンジニアだった瀬名が、株の世界で名前を上げるようになって数年。
企業のM&Aなど、株価が大きく動く局面で必ず取引を行い、巨額の利益を上げている瀬名には「ハッキングで情報を事前に得ている」という黒い噂が絶えなかった。
その瀬名に協力を依頼して以降の彼の手腕、つまりハッキングの技術を見ていると・・・その噂もあながち外れていないのかも、と響は思っていた。
「よし。マシンの設定をもう1回確認しよう」
画面のひとつに、シルバーに輝く壁に囲まれたガレージに収まっている1台のクルマ「ビークル」が映し出されている。
これが今夜、響たちが探索のために乗り込むマシンだった。
通常のインターネットユーザーが使う乗り物「ビークル」は、卵のような単純な楕円形のもので、ユーザーはそのボディに自由にペイントを施して飾る程度のことしか出来ない。
今夜、響たちが使うそのビークルは、黒光りする金属質の多面体で、地面を低く這うようなフォルムをしていた。その姿は、レーダーに探知されずに敵地まで侵入可能な「ステルス戦闘機」に酷似している。
そう。このステルス戦闘機のようなビークルの正体は、ネット上に存在する企業情報に極秘のうちに侵入するための[ハッキングプログラム]が視覚化されたものだった。
一般ユーザーがサイバーダイブシステムを利用する際に使う、単なる「ネットサーフィンのためのプログラム」とは根本的に違っている。
少々やっかいな事に、年々進化を続けるCDSは、プログラムの「性質」を「視覚化」するよう、発展してきた。
攻撃的なプログラムは攻撃的な姿に、無差別に自己増殖するワームプログラムはまさにうねうね蠢くミミズのように視覚化される。
今夜使うハッキングプログラムも、どう設定してもサイバーダイブシステム上では、姿を隠すことは出来ず、その性質を如実に表す「ステルス戦闘機」のような姿になってしまった。
「やっぱこれじゃあ、私たちハッカーですよ~!って宣伝してるようなもんじゃない。やぁねぇ」
ヘッドホンから瀬名のオネエ言葉のダミ声が響く。
瀬名は響の株取引き仲間である。年下の32歳、男性。
Gマイレージには参加しておらず、また全く興味もないようだったが、響が持ちかけた「Gマイレージに関する疑惑」には食いついてきた。
「おもしろそうじゃない。やっちゃいましょうか」
有能なシステムエンジニアだった瀬名が、株の世界で名前を上げるようになって数年。
企業のM&Aなど、株価が大きく動く局面で必ず取引を行い、巨額の利益を上げている瀬名には「ハッキングで情報を事前に得ている」という黒い噂が絶えなかった。
その瀬名に協力を依頼して以降の彼の手腕、つまりハッキングの技術を見ていると・・・その噂もあながち外れていないのかも、と響は思っていた。