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秘密基地◆小3クオリティ

「ないで。盗まれたんちゃうん?」

悪ガキのハッタルが言った。
状況から見て、誰かが複数で、俺たちの秘密基地を壊したのは明らかだった。
上級生なのか・・・それともこの丘の向こう側の、隣の学区のヤツらなのか・・・。

ハッタルの言葉をきっかけに、別れて捜していたみんなは基地のところに集まった。

それでも悠斗はまだひとり、必死でラジオを探している。


「悠斗、こんだけ探したんやから…ないで。盗まれたんかもしれん…」とシンイチが力なく言う。

「わからんやん!あるかもしれんやん!」
木と木の間を右往左往して地面を見回している悠斗が、そう言いながら服のソデで目を拭ったのが見えた。

悠斗は、おばあちゃんに買ってもらった大切なラジオを、泣きながら探し続けていた。


俺たちもものすごく悲しい気持ちになった。

ひっくり返した基地は、今まで室内だった内部を表にさらしている。
部屋の中で、茶色のダンボールの壁にみんなで書いた落書きが、木漏れ日に晒されている。

それを見た瞬間、俺もなんだかわけがわからないけど、涙が出た。友達の前で泣くのは恥ずかしかったけど、どうしても涙が出た。
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