「あのなぁ、俺はおまえみたいなジャンルのオナネタには興味ゼロなの」

「なんや、ほなまだアイドルもんとかか？」

「そうや」

「そやけどもうそういうのは卒業ってか？はぁ～……おまえがどこか遠くへ行ってしまったみたいやわ」

神谷は首をうなだれ、がっくりと肩を落とす

(はぁ…こいつ…なんちゅうめんどくさい男なんや…)

「あのなぁおまえ、彼女おってもオナニーはするで、普通に」

「週何回？」

「……なんでおまえに俺の性生活報告せなあかんねん」

「はん。どうせおまえは女に牙を抜かれて、もう昔みたいに射精飛距離を俺と競うほどの能力はないと見た」

(なんかめっちゃムカついてきた！なんで童貞野郎にバカにされなあかんねん)

「なに言うとんねん！童貞野郎に負けるわけないやんけ！」

「ああぁ！今おまえ言ってはいけないこと言うたぞ！非童貞が特権階級やと思とるやろおまえ！童貞をセックスヒエラルキーの底辺に位置付ける、カップル至上帝国主義者の手先やなおまえは！！」

「なにわけのわからんこと言うとるんじゃ！とにかく俺はおまえなんかにはまだまだ負けへんっちゅうねん！」

「言うたな…。よっしゃ。ほなおまえ、これ知ってるか？」

神谷は不敵な笑みを浮かべて携帯電話を取り出した。

キーを押して何かしている。

そして、画面を蘭丸の顔に突きつけた。

そこには

【Ｇマイレージ】

という文字が光っていた。

「なんだこれ？」

「ふっふっふっ…やっぱ知らんか。ここでの俺の活躍を見たら、おまえは俺の前にひざまづくであろう！」

神谷は何故かやにわに立ち上がり、腰に手を当てた偉そうなポーズで仁王立ちし、のけ反るように高笑いをした。

「わ～っはっはっはっは！さすらいのセンズラー参上！」

？？？？？

蘭丸はポカンとした顔で、神谷の満面の笑顔を見上げた。