コーヒーを不機嫌そうに飲みながら蘭丸はひとり頭の中で考えていた。

(ひとり暮らしになったから、ここで思う存分美咲とエッチできるぜ～！って思ってたけど…こいつ来るときにはズリネタ隠さんとあかんやん。くそ～めんどくせ～。ここに来たらオナニーパラダイスやと思っとったのにぃ～)

男にとって、初めての一人暮らし。なにが嬉しいかと言うと、なにをおいても「誰にも気兼ねすることなく思い切りオナニーができる！」これこそが一人暮らしの最高の幸せである。

どんなにオナニーしようと自由！いつでも好きなときにできる！ズリネタ(オナニーのネタ)もどこに置こうがかまわない！

そう。親元にいる時はなにかと親や兄弟に気を遣う必要がある。ズリネタは見つかってはいけない場所に隠す必要がある。

最初は勉強机の引き出しの底などにこっそりしまっておくのだが、いかんせん「ズリネタは知らず知らずにどんどん増えてゆく法則」があるのだ。

最初は引き出しの底にひっそり佇んでいた本やビデオ、DVDは、次第にその数を増し、その上に乗せていたノートやパンフレットなどをどんどん押し上げてゆく。

しまいには引き出しの全てをズリネタが占拠してしまうのだ。こうなれば、親や妹に引き出しを開けられればもう瞬時に発見されてしまう。

男とは…「ズリネタの隠し場所」をいつも探している生き物、とも言えるだろう。