「・・・・俺のバカ」

瀬名に言われた通りの服装で出てきてしまった自分がバカらしくなり、乗り込んだ愛車のアクセルを思いきり踏みつける。
極太のミシュランタイヤが空転して悲鳴のようなスキール音を響かせ、グリップした瞬間にロケットのようにガレージを飛び出した。

ハンズフリーで電話を発信。

「蘭丸くん、今いいか？データ解析終わった。今から瀬名さんちに行く。いつでも連絡取れるようにしておいて。またあとで連絡するから。忙しくなるぞ」

「りょ～かいしますたぁ！いよいよって感じっすね！あれ、響さん今パフュームのポリリズム聴いてます？」

「うぬッ　一瞬でわかったのか…」

「昔のアイドルにも詳しいっすよ俺」

「このヤマを片付けたら、パフュームについて語り明かそう！」

「うわ、響さん、昔の刑事ドラマみたいな言い方…それって、おっさん。。。」

「うるさいッ！アイドル好きに年齢の壁はないッ」

「さすが・・・神」

「とにかく、電話待ってて！じゃ、また」


ハッキングした電脳空間で、邪魔なプログラムを戦闘機のようにかわしながらターゲットを追ったように、響のクルマは猛スピードで首都高を疾走していった。
カーステレオからPerfumeを大音量で響かせながら。