「早くこのことを公表しないと…」

「うん。気持ちはわかるけど、まだ公表しちゃダメよ響くん」

「どうして！？このままじゃ被害者が広がるだけじゃないか！」

「冷静になりなさい。私たちだけで告発しても、どうにもならないわ」

「何言ってんだよ瀬名さん！データだってあるじゃないか！」

「企業の不正を告発するにはそれなりにやり方があるの。個人プレイだけじゃ、何の力にもならない」

「じゃあどうすればいいんですか。僕らにはそんな力はない」

「もみ消しや反論ができないように…準備をしてから大きな力で一気に叩きに行くのよ」

「準備って・・・その間にも被害者が・・・」

「もちろんわかってる。忙しくなるわよ。響くん、あんたの知ってる人にも強い味方がいるわよ」