万至詰め
「好きだよ、至さん。」
たった一言。それを聞いて絶望した。
(オレはなんてことを……)
だめだ、それは都合のいい夏のまぼろし。
暑さにやられたんだよ、万里。
どうか、嘘だと言ってくれ。
オレはズルい男だから、見せるのは表だけ。
裏なんて見せたら欲の塊だ。
「……至さん?」
(……くそっ)
「……そっか。」
いつだって嘘がステータスのオレは、ある意味得してるんだろうな。
笑顔の仮面を被って、苦しさは分からない。
他人の心なんて、平気で傷つけてしまう、自分が憎い。
「オレは、嫌いだよ、万里。」
そう言って、驚いた。
頬に伝う温かい嘘。今までにないくらい自然に、ポロポロと落ちていったこの嘘は、俺のわがままと、馬鹿なプライド。
それも全部、夏のまぼろし。
たった一言。それを聞いて絶望した。
(オレはなんてことを……)
だめだ、それは都合のいい夏のまぼろし。
暑さにやられたんだよ、万里。
どうか、嘘だと言ってくれ。
オレはズルい男だから、見せるのは表だけ。
裏なんて見せたら欲の塊だ。
「……至さん?」
(……くそっ)
「……そっか。」
いつだって嘘がステータスのオレは、ある意味得してるんだろうな。
笑顔の仮面を被って、苦しさは分からない。
他人の心なんて、平気で傷つけてしまう、自分が憎い。
「オレは、嫌いだよ、万里。」
そう言って、驚いた。
頬に伝う温かい嘘。今までにないくらい自然に、ポロポロと落ちていったこの嘘は、俺のわがままと、馬鹿なプライド。
それも全部、夏のまぼろし。
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