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ラストンベル 〜



景色を眺め、人の織り成す世界を眺め、流れゆく時間と変わりゆく世界の中、自身はさして大きな変化も無くここまで過ごしてきた。
変わらないことを望んでいたとも言えるだろう。
だが変化と言うものは唐突に訪れるもので、当たり前が崩れることほど容易いことは無いと分かっていたはずなのに失念していた自分をこの日ほど恨んだことはない。


気ままな旅に一区切りが付き、いつものように戻ったそこに、いつも居るはずの彼女の姿が見当たらず、自分でも驚くほどの焦燥を覚えた。

すぐさまに来た道へと踵を返す。
道すがらノルミン天族から話を聞き、今代の導師と共にこの地を出たという彼女を追う。

今までのように変わらぬ事を望むままではダメなのだろうと漠然とした予感を感じながら、猛る咆哮を背に自身もこのレイフォルクの地を背に走り出した。
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