第一章:白ひげ海賊団
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私達は港に連れてかれた。町の人たちも皆拘束され、膝をつけて座っている。ユーマとレイスは無事なのだろうか。
「10年もかかった。前の時は白ひげの野郎に邪魔されたが今は居ないからな」
男はそう言いながら白ひげの海賊旗を壁から剥がし踏みつけた。住民達は怯え、死の恐怖に押し殺されそうになっていた。
「あん時、確かに俺は殺したんだが……。よく見るとこいつ男か」
私は男に連れてかれ、顎を掴まれた。私の顔をじっくり観察しニヤリと笑う。
「こんな、可愛らしい男なら男色の奴らも喜ぶだろう」
気色悪い手で頬を撫でられた為、吐き気に襲われる。
「ぼ、僕に汚い手で触るな!!!」
男から笑は消え私を床に叩きつけたと同時に腹部に重い蹴りを食らった。女将やゴーント達と少し目があった気がした。ボブに結ってある髪を掴み男は私の顔を覗き込む。
「ちっ、あの女と言い、てめぇと言いクソ腹立つな」
「その子を離しとれくれ!!」
女将が叫ぶ。苦しそうな表情を浮かべ必死に抵抗している。男は女将のその態度が許せないのだろう、歯をギリギリと鳴らしている。女将が殺されてしまう。そんな事は絶対にさせない。私は力の入らない足に喝を入れ、立ち上がり男に蹴りを入れた。だが、へっぽこの私の蹴りなんかもろともせず今度は顔を殴られた。
口の中が切れたのだろう、鉄の味が口の中に広がり口端から血がつたうのが分かった。
「テメェら、何してやがる…?」
痛みと悔しさで滲む視界にうつるのは未だかつてないぐらい恐ろしい顔をしたユーマだ。彼はタガーを握りしめ走り出した。
「おい!待て!!それ以上近付いたらこのガキを殺すぞ」
男は私を掴み首にナイフをあてがった。私はどこまでも足でまといだ。悔しい。そしてナイフは私の首に食い込み血が流れ出した。ああ、死ぬのか、死を覚悟し私は空を見上げた。
「火拳!!!」
青い炎が私を包み込む。暖かいその温もりは人のものと理解するのには時間はかからなかった。そしてその青い炎の隙間から赤い炎がゆらゆらと揺れている。
「おい、エース!!!てめぇ、こいつを巻き込む気かよい!!!」
「んあ?マルコお前なら助けられるって思ってたぜ」
マルコ、と呼ばれた男は呆れて口が開けないようだ。彼は私と目が合うと「よくやった」と私の頭をひとなでして私を安全な場所におろしてくれた。
その赤と青の炎に見とれたまま私は次第に意識が遠のいていった。