第二章:一人の家族として
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この船に乗っても朝は忙しい。朝7時までにクルーたちのご飯を作らなくてはならない。400人弱のご飯を作るのは骨が折れる。今日は昼は休憩時間なので甲板の日向で横になっている。太陽がぽかぽかと体を温めてくれて気持ちがいい。目を閉じると目まぐるしい日々を忘れさせてくれるかの様に眠りへ誘われた。
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エースside...
今日は珍しく書類を書き上げた。久しぶりにこの時間に書きあげたためなんだか眠くて仕方がない。甲板で昼寝でもしようかと立ち上がった。甲板に出ると太陽がぽかぽかと俺を照らす。今日は昼寝日和だ。俺のお気に入りの場所に行くともう既に先客がいた。顔を覗き込めばすやすやと気持ちよさそうに寝ているルカが居た。男とは思えないような柔らかそうな唇に長いまつ毛が頬に影を落としていた。柔らかい頬に触れれば少し身じろぐ。
「可愛いな」
そんな言葉が口から零れ落ちたことに俺は驚き、思わず自分の口を手で覆い隠した。誰かに聞かれていないだろうか。周りを確認するが誰もいない。そっと胸をなでおろした。
「それにしても、本当に女みたいだな」
頬をぷにぷにとつつくと、ルカはふにゃりと笑い薄ら口を開き俺の名前を呟いた。起きているのか、確認するがどうやら寝ているらしい。変な奴と思いながらも先ほどの顔を思うと頬が熱くなるのがわかる。
(俺は男色じゃねぇぞ…)
それでも湧き上がる感情に疑問を抱きながら、それを忘れるように俺は目を閉じた。
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夕暮れ時、サッチはルカを探していた。いつも仕事が始まる15分前には必ず厨房に訪れていたのに時間が過ぎても来ないルカを心配した。部屋にも、風呂にも、トイレにもいない。マルコやジョズに聞いても知らないと言われてしまった。ついでにエースの姿が見えない。
「全く、どこにいっちまいやがったんだ?」
俺はエースの特等席である場所に顔を出すと探していた2人がすやすやと眠っていた。人の気も知らないで気持ちよさそうに寝ている2人に苦笑いする。
「はぁ、心配させやがって…。女は体を冷やしたらダメだろ」
俺はそっと持っていたタオルをルカにかけ、その場を後にした。
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