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「あっ、部屋着持ってくるの忘れちゃった。まあいっか。」
休日の午後のお風呂上がり。部屋着を置いてきてしまった私は、パンツ1枚にバスタオルを肩にかけて、冷蔵庫のお茶を取り出そうとしていた。
すると、どこからかペチッと私に向かって衣服が投げつけられてきた。
「おい、服着ろっていつも言ってんだろうが。バカ姉貴。」
「あ~寿くん。今帰ってきたんだね。おつかれ~。」
服を投げつけてきたのは、私のかわいい弟の寿くん。ちょうど部活が終わって帰ってきたみたいで、まだ着替えていないジャージ姿のままで裸の私を出迎えた。
私はヘラヘラとした笑顔で、寿くんの投げた大きなTシャツを上から被り、ワンピースを着たような状態になった。
「別に問題なくない?裸でも。」
「おめーが良くてもオレは良くねぇんだよ。見たくねえもん見せつけられるオレの気持ちにもなりやがれ。
だいたい姉貴がおかしいんだっての。
赤木におめーの妹は裸で家ん中うろつくか?って聞いたら何言ってんだコイツって顔されたぞ。」
私の自由すぎる振る舞いに対して、寿くんは少し頭が痛そうな表情を見せてため息をついた。
「でも寿くんはおっぱい大好きじゃん?
服着るのがめんどくさい私とおっぱい好きな寿くん、見事に利害関係一致してるじゃ~ん。
お姉ちゃん知ってるよ~。こないだ寿くんのお部屋で、巨乳の子のエッチな本見つけちゃったもんね。」
「おいてめぇ……ふざけんなよ……。」
何ともデリカシーのない私の発言に、寿くんはワナワナと震えて怒りを燃やす。
「私は元からこんなんだもん。
だいたい寿くんが悪いんだよ?2年もお姉ちゃんを放ったらかしにしたんだから。お姉ちゃんは寿くんのこと、ず~っと大好きなのにさ。」
「おい、それは言うなよ……。」
ズルい私が寿くんの触れられたくない部分をあえて出すと、彼はバツの悪そうな顔をする。
『姉ちゃん、オレは絶対に安西先生を全国に連れてくんだ!』
『うんうん、がんばってね~。』
グレる前の寿くんは、それはもう可愛かった。私は小さい頃から可愛くてバスケも上手な寿くんが自慢の弟で、周りからも筋金入りのブラコンとして知られていた。
中学に入ったあたりから頭を撫でたりすると「あんま触んなよ。」って言い出したけれど、嫌がっているのではなくて、かわいらしい照れ隠しだった。
『寿くん、ねえってば、』
『触んじゃねえクソ姉貴!』
寿くんが不良の道に入って、私たちの間には亀裂が出来てしまった。家には全然帰らないで毎晩夜遊びしていたし、声をかけても無視された。伸ばした手は、叩き落とされた。
私にとって寿くんは全てと言っても過言ではなかったのに、寿くんにとっての私は、支えになんてなれないくらいにちっぽけな存在だった。頭が自由奔放な自覚のある私でも、流石にそんな現実はあまりにも辛かった。
だから、今よりちょっと前に寿くんが髪を切って、「……ただいま。」と言って家に帰ってきた時。私はずっとわんわんと泣きじゃくって寿くんに抱きついた。寿くんはそんな私を抱きしめて「……悪かったよ。」と呟いた。
「えいっ。」
「おいやめろ!」
私は寿くんにぎゅっと抱きついて、あえて胸を押し付けると彼は分かりやすく動揺した。
男としての寿くんには、きっと私は魅力なのだろう。でも、弟としての寿くんは、女の私に抗いたくて必死なのだ。そんな懊悩を抱える寿くんのことが、私は可愛くて仕方がない。
「言っとくけど、お姉ちゃんは寿くんになら何されたっていいからね?
……どうするかは、君次第だけどね~。」
「ったく、バカ姉貴が……。」
私は今も昔も重度のブラコンで、ずっと君のことばかり考えているから。
だから寿くんも、ずっとお姉ちゃんの事ばかり考えちゃえばいいんだよ。
そんなワガママな気持ちを込めて私は、顔の真っ赤な寿くんに対して、小さくペロッと舌を出して笑った。
【完】
休日の午後のお風呂上がり。部屋着を置いてきてしまった私は、パンツ1枚にバスタオルを肩にかけて、冷蔵庫のお茶を取り出そうとしていた。
すると、どこからかペチッと私に向かって衣服が投げつけられてきた。
「おい、服着ろっていつも言ってんだろうが。バカ姉貴。」
「あ~寿くん。今帰ってきたんだね。おつかれ~。」
服を投げつけてきたのは、私のかわいい弟の寿くん。ちょうど部活が終わって帰ってきたみたいで、まだ着替えていないジャージ姿のままで裸の私を出迎えた。
私はヘラヘラとした笑顔で、寿くんの投げた大きなTシャツを上から被り、ワンピースを着たような状態になった。
「別に問題なくない?裸でも。」
「おめーが良くてもオレは良くねぇんだよ。見たくねえもん見せつけられるオレの気持ちにもなりやがれ。
だいたい姉貴がおかしいんだっての。
赤木におめーの妹は裸で家ん中うろつくか?って聞いたら何言ってんだコイツって顔されたぞ。」
私の自由すぎる振る舞いに対して、寿くんは少し頭が痛そうな表情を見せてため息をついた。
「でも寿くんはおっぱい大好きじゃん?
服着るのがめんどくさい私とおっぱい好きな寿くん、見事に利害関係一致してるじゃ~ん。
お姉ちゃん知ってるよ~。こないだ寿くんのお部屋で、巨乳の子のエッチな本見つけちゃったもんね。」
「おいてめぇ……ふざけんなよ……。」
何ともデリカシーのない私の発言に、寿くんはワナワナと震えて怒りを燃やす。
「私は元からこんなんだもん。
だいたい寿くんが悪いんだよ?2年もお姉ちゃんを放ったらかしにしたんだから。お姉ちゃんは寿くんのこと、ず~っと大好きなのにさ。」
「おい、それは言うなよ……。」
ズルい私が寿くんの触れられたくない部分をあえて出すと、彼はバツの悪そうな顔をする。
『姉ちゃん、オレは絶対に安西先生を全国に連れてくんだ!』
『うんうん、がんばってね~。』
グレる前の寿くんは、それはもう可愛かった。私は小さい頃から可愛くてバスケも上手な寿くんが自慢の弟で、周りからも筋金入りのブラコンとして知られていた。
中学に入ったあたりから頭を撫でたりすると「あんま触んなよ。」って言い出したけれど、嫌がっているのではなくて、かわいらしい照れ隠しだった。
『寿くん、ねえってば、』
『触んじゃねえクソ姉貴!』
寿くんが不良の道に入って、私たちの間には亀裂が出来てしまった。家には全然帰らないで毎晩夜遊びしていたし、声をかけても無視された。伸ばした手は、叩き落とされた。
私にとって寿くんは全てと言っても過言ではなかったのに、寿くんにとっての私は、支えになんてなれないくらいにちっぽけな存在だった。頭が自由奔放な自覚のある私でも、流石にそんな現実はあまりにも辛かった。
だから、今よりちょっと前に寿くんが髪を切って、「……ただいま。」と言って家に帰ってきた時。私はずっとわんわんと泣きじゃくって寿くんに抱きついた。寿くんはそんな私を抱きしめて「……悪かったよ。」と呟いた。
「えいっ。」
「おいやめろ!」
私は寿くんにぎゅっと抱きついて、あえて胸を押し付けると彼は分かりやすく動揺した。
男としての寿くんには、きっと私は魅力なのだろう。でも、弟としての寿くんは、女の私に抗いたくて必死なのだ。そんな懊悩を抱える寿くんのことが、私は可愛くて仕方がない。
「言っとくけど、お姉ちゃんは寿くんになら何されたっていいからね?
……どうするかは、君次第だけどね~。」
「ったく、バカ姉貴が……。」
私は今も昔も重度のブラコンで、ずっと君のことばかり考えているから。
だから寿くんも、ずっとお姉ちゃんの事ばかり考えちゃえばいいんだよ。
そんなワガママな気持ちを込めて私は、顔の真っ赤な寿くんに対して、小さくペロッと舌を出して笑った。
【完】
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