強火オタクと同担拒否(蘭陵王&徐福)
「やい、蘭陵王! 私のほうがぐっ様推しとして先輩なんだから、もっと敬意を持てよぉ!」
「……」
「おい、無視するなよ。むーしーすーるーなーよーぉ」
虞美人を慕う徐福と、虞美人とは良き友人として接している蘭陵王。
この二騎、あまり相性が良くない。
そもそもの発端は、とある微小特異点で、徐福が虞美人の命を狙ったことに起因する。
徐福としてはそれも虞美人の幸福を突き詰めて考えた結果なのだったが、蘭陵王にはそれが許せなかった。
徐福がカルデアに召喚されたあとも、この二騎が打ち解けたとは言い難かった。
「ぐっ様について語り合おうよぉ~。他にぐっ様推しがいないから寂しいんだよぉ」
徐福は、意外なことに推しについては同担拒否ということはなかった。むしろ同志が欲しい気持ちらしい。
どちらかというと、蘭陵王のほうが同担拒否のような気がする。
「……徐福殿。貴女は虞美人推しとして先輩とはおっしゃいますが、一緒にいた時間は私のほうが長いので」
「はぁぁ? 喧嘩売ってるなら買うぞコノヤロー」
一触即発の雰囲気。今にもふたりでキャットファイトを始める寸前だ。
「そもそも彼女の幸せを願うなら項羽殿とあのお方の幸福な姿を見て満足すべきです。夫婦の間に貴女が挟まる余地はない」
「お前、固定カプ厨かよぉ! 百合の間に挟まろうとする男絶対殺すマンみたいになってるじゃん!」
蘭陵王と徐福はキャットファイトの代わりに舌戦の応酬を始める。
「でもさ、どうせお前だってぐっ様とそういう仲になれるならなりたいんでしょ? 私にはわかる。ぐっ様には溢れんばかりの魅力があるからそう思っても仕方ない」
「いえ、別に。私は彼女には別段、恋愛感情を持っておりませんので」
「うっそ、マジ? マジで言ってる? 人の心がないの?」
「なぜ、そこまで言われなければならないのか……」
蘭陵王は呆れ顔である。やはり、相手にせず無言でスルーしたほうが良かったかもしれない、なんて今更後悔しても遅いのだけれど。
その後、二騎は食堂まで移動し、コーヒーを片手に更に論争を繰り広げることになるのだが、それは長くなるので割愛しよう。
しかし、結果的には虞美人に関して語り合うことが出来て、徐福はまんざらでもない様子なのであった。
〈了〉
「……」
「おい、無視するなよ。むーしーすーるーなーよーぉ」
虞美人を慕う徐福と、虞美人とは良き友人として接している蘭陵王。
この二騎、あまり相性が良くない。
そもそもの発端は、とある微小特異点で、徐福が虞美人の命を狙ったことに起因する。
徐福としてはそれも虞美人の幸福を突き詰めて考えた結果なのだったが、蘭陵王にはそれが許せなかった。
徐福がカルデアに召喚されたあとも、この二騎が打ち解けたとは言い難かった。
「ぐっ様について語り合おうよぉ~。他にぐっ様推しがいないから寂しいんだよぉ」
徐福は、意外なことに推しについては同担拒否ということはなかった。むしろ同志が欲しい気持ちらしい。
どちらかというと、蘭陵王のほうが同担拒否のような気がする。
「……徐福殿。貴女は虞美人推しとして先輩とはおっしゃいますが、一緒にいた時間は私のほうが長いので」
「はぁぁ? 喧嘩売ってるなら買うぞコノヤロー」
一触即発の雰囲気。今にもふたりでキャットファイトを始める寸前だ。
「そもそも彼女の幸せを願うなら項羽殿とあのお方の幸福な姿を見て満足すべきです。夫婦の間に貴女が挟まる余地はない」
「お前、固定カプ厨かよぉ! 百合の間に挟まろうとする男絶対殺すマンみたいになってるじゃん!」
蘭陵王と徐福はキャットファイトの代わりに舌戦の応酬を始める。
「でもさ、どうせお前だってぐっ様とそういう仲になれるならなりたいんでしょ? 私にはわかる。ぐっ様には溢れんばかりの魅力があるからそう思っても仕方ない」
「いえ、別に。私は彼女には別段、恋愛感情を持っておりませんので」
「うっそ、マジ? マジで言ってる? 人の心がないの?」
「なぜ、そこまで言われなければならないのか……」
蘭陵王は呆れ顔である。やはり、相手にせず無言でスルーしたほうが良かったかもしれない、なんて今更後悔しても遅いのだけれど。
その後、二騎は食堂まで移動し、コーヒーを片手に更に論争を繰り広げることになるのだが、それは長くなるので割愛しよう。
しかし、結果的には虞美人に関して語り合うことが出来て、徐福はまんざらでもない様子なのであった。
〈了〉
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