窓から漏れる光で瞼の裏が白む。
ぱた、と、瞼を持ち上げた。
視界に映る見慣れた部屋の天井。
ああ、そうか。私は昨日ジタンさんとご飯を食べて。泣き疲れて、家に帰ったあとすぐに布団に潜り込んだんだった。


朝日の眩しさに目を細めたとき。目尻から雫がこぼれ落ちた。
はた、と、思い出す。
脳裏に映る懐かしい食卓。
ああ、そうか。私は昨日のオムライスを知っていた。"食べる人がとびきりの笑顔になりますように"。そんな優しさに溢れたオムライスを知っていた。


私と同じ色の髪を揺らして、目尻に笑い皺を作りながら微笑む姿を思い出す。
背に回された細い腕を、腕の中のその温もりを思い出す。
ああ。お母さんって、あんなふうに笑う人だったなあ。


朝日が眩しくて目を開けていられないから、ぎゅう、と閉じた。
涙が枯れることなく溢れて止まらない。