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今日も溶鉱炉に火を入れた。来る日も来る日も、いつからボクは鍛冶屋になったんだっけ。けど、きうのお願い事だからしょうがない。頼りにされているって事だよね。
はかせに、最近忙しくてなかなか会えないきうの事それとなく聞いてみたら、今日は顔を出してくれるみたい。
まだか、いつ来るんだろうとソワソワして、いつもよりも多めに炎を噴いて溶鉱炉をまわす。
待ち侘びた時が来た。
「やっほー!ブーバー!」
「あ、きう…」
けれど、ようやくきうの顔を見れて嬉しいはずのボクの心は急速に冷えていった。誰、そいつ。きうの隣のそいつ。
「おー暗くて暑くて良いところだな」
「でしょー」
きうの横には知らないポケモンが…リザードンだっけ。何で一緒にいるの?何できうは嬉しそうにしているの?
「あのね、今日はこのゴツゴツ山に、ほのおタイプの為の温泉を作るんだ!どんなのにしようかな?ブーバーもなんか要望とかある?」
「…」
黙りこくるボクの顔を、きうが心配そうに覗き込む。後ろではリザードンがつまらなさそうにあくびをしている。
きう、きう。ボクは君のなに?
そいつは君のなに?
「…あ、の、手伝える事があったら、手伝う、から」
「うん?ありがとう!いつも助かってるよ!」
「ちが、だから、その…」
「あん?ハッキリしない奴だな?一緒に来たいのか?」
リザードンがボクをにらみつける。どうして君がそれを言うんだよ。ボクが言いたかったのに。ボクの言葉を先回りして言わないでよ。きうと会話したいのに邪魔をするなよ。
「来てくれるの?嬉しいな…あっ!でも、どうしよう、素材めっちゃ忘れた〜」
「おいおい…またかよ、ったく。マジでそそっかしいなお前。じゃ、いっぺん家に戻るかぁ?」
「うん。ごめんブーバー、また後で来るね」
「ぁ…」
「ついでに野菜も採ってこ。ねえ、リザードン。今晩何食べたい?」
「キャロットパン」
「そればっかじゃん!」
ボクが口を挟むまでもなく、2人はまた仲良く飛び立って行った。
ああ。きっとあの方角の街に2人で住んでいるんだろうな。ああ。ボクの知らないところで、2人で。
END/260412
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