10.視線の先
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「…ここまで引き付けてから、ここを迂回して行こうか」
地図を見ながら、迂回の仕方を考える。
通路は口の字の真ん中に縦線が入った様な形(ちなみに真ん中の縦線は落とし穴があって通れない)をしており、7つ頭のドラゴンは口の字の下の辺を縄張りにしているみたいだ。口の字の左下の方に先に進む道が有ると踏んでおり、どうにかそちらへ行きたい。
ドラゴンは縄張りの通路からこちらが外れると追いかけるのを止め、その場で留まるようだった。
なら一旦口の字の下の辺、右下まで引き付けておいて、その間にぐるーっと迂回して奴が塞いでいる箇所の先へ進むしかないみたいだ。
「…よし、みんな、私について来て」
地図を持ち先頭に立つ。全員で引き付けながら逃げる作戦だ!
「不安なんだけど」
「大丈夫、この中で1番重装備で防御力高いから私。それに1番足遅いからしんがりだと置いてかれるし」
「絶対そっちじゃん理由」
「引き付けるだけなら別にひとりでいいのではないか?俺が行くが」
クジュラさんの提案を全員が受け入れる。まあクジュラさんなら信頼できるけどさ…。というわけでクジュラさんにドラゴンを縄張りの端まで引き付けて貰う事にして、私たちは口の字の右下から少し北上した辺りで待った。
にわかに爆音が響き、クジュラさんを心配しているうちに、ドラゴンに追われる彼の姿が見えた。
「走れ!」
ドラゴンの7つの頭全部がこちらに照準を定めて何か攻撃を仕掛けようとしているのを見て、全員で口の字の右上辺りまで爆走する。流石に縄張りからかなりの距離を置いたからか、ドラゴンはあれ以上は追いかけてはこなかった。
「く、クジュラさん、平気ですか!?」
「なんともない」
全員が肩で息をする中で、クジュラさんだけは割と涼しい顔をしている。なんで?1番走ってたじゃん?どうなってんの?
息を整えてから、作戦を立てたルートで行ってみると、縄張りの通路に入った途端ドラゴンが戻って来たが、先へは進むことができた。思惑通り、縄張りから外れたからかそれ以上は追いかけてこなかった。
分岐まみれの通路を進んでいくと、休憩を取った小部屋の辺りまで来れたみたいだった。ちなみにこの先の通路、休憩部屋の扉の側には落とし穴があるのでわざわざ迂回して来たと言うわけだ。何とも腹の立つ迷宮である。
やがて大きく開けた部屋に出た。相変わらず水浸しの地面にはそこかしこに落とし穴がある。
しかも出てくるモンスターも虫みたいなのしか居なくて、落とし穴と虫で女性陣は泣きながらも、何とか下り階段を見つけたのであった!
下り階段の南側に、上り階段への近道も見つけてホクホク気分で帰還する事にした。