07.迷宮最強王者決定戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ〜、いい天気!」
窓を開け放って、空気を入れ替える。潮風が頬を撫でた。絶好の迷宮日和だなぁ!とニマニマしながら朝の身支度をする。
先日の探索で深手を負った我がギルド・海市蜃楼だったが、特に傷が深かったカスミを暫く休養させている間、迷宮の浅層でモンスター狩りをしたり採集を繰り返したりでお金と素材を稼ぎ、この度なんと装備を新調出来たのであった。
新しい鎧やブーツを身に着ける。部屋の姿見の前でくるっと回って見て…またニヤッと笑ってしまった。しっくり来てる!また強くなってしまった!
「ああ、早くこの剣も試してみたいッ」
鏡の前ですらっと剣を抜いてみる。薄らと青く輝く細身の刀身はうっとりするくらい美しかった。やっぱ剣って良いよね…。
はぁ…とか、ふぅ…とかため息を吐きながら暫く鏡に夢中になっていたら、トントン、とノックの音がした。誰かしら、この至福の時間を邪魔する不届ものは?テンションが下がってしまったのを隠しもせず、ちょっと乱暴にドアを開ける。
「なんですかぁ、あ」
「……探索に行くのか?」
「く、クジュラさん」
ドアを開けた先には、愛しい人が立っていた。彼はめちゃくちゃ不審そうに眉根を寄せて私の頭のてっぺんから爪先まで3周くらい見た。
「いや、あの、…良いでしょ?新装備なんです」
えへへ、と笑いながら手を合わせて彼を見る。
「…見ればわかる。が、何故今装着しているんだ?今日は探索の予定だったか?」
「ぅ、着てみたくて」
「……」
クジュラさんは全然意味がわからないという顔をなさっている。
「えーっと、例えば新しい服を買ったらすぐに着てみたくなりません?靴とか帽子も、似合うかどうか、どのアイテムに合うかとか、お家でファッションショーすると思うんですけど…その延長と言いますか…」
「ああ、なるほど…?」
まだ納得いってなさそうだな。まあ鎧とワンピースを同列に語られて鎧側も困惑してるだろうけど。
「…まあいいや、どうせ食堂に行く頃には脱ぐつもりでしたし。はぁ…」
「ちょ、ちょっと待て、窓を閉めろ」
「あぇ?」
クジュラさんは慌ててドアを閉めて、窓辺に駆け寄って窓とカーテンも閉めた。防具を脱ぐだけで服は脱がないので、別に恥ずかしいもんじゃあないんだけど。のろのろとした動作で手甲、肩当、首当、胸当、かたびら、脛当、靴、インナー…と脱いでいく。鎧の下は確かにちょっとピッタリした素材の服を着ているので、これを見られると恥ずかしいと思ったのかな?
「脱ぎました〜。そういえば何か御用でした?」
ずっと窓辺で後ろを向いていた彼に、後ろから抱きつく。サラッとした髪の感触が気持ちいい。
「別に。用がなければ来ては行けないのか?」
「えっ。いいえ、いつでも嬉しいです」
少し離れてクジュラさんの顔を覗き込む。いつものように割と無表情だ。なんだ、と視線だけで返される。
「ふふ、クジュラさん、デートをしませんか」
「今からか?」
「はい。あ、いえ、ご飯食べてから…あの、お出かけの準備もしてから」
「…とにかく食堂に行こう。その服は、体のラインが出過ぎてるから出来れば着替えて貰いたいが」
「え?別に恥ずかしくないですよ」
「俺が他の奴に見られたくない」
「もしかして嫉妬ですか!?」
「……そうだ」
何となく彼の頬が赤く染まって見える。じっと見つめていると目を逸らされた。普段は照れまくってるのは私の方だから知らなかったけど、なるほど、クジュラさんが私の恥ずかしがってる姿を好きだと言ってくれる気持ちもわかる。ていうか、可愛い。
「あの、とりあえずキスして良いですか?」
「とりあえずとは」
「その先はキスしてから考えます」
少しだけかがんでもらって唇にキスをする。一度ではもちろん足りなくって、何度も。クジュラさんが先を促した。
「…で、どうするんだ?」
「……先もして、良いですか?」
そのうち2人でベッドに倒れ込んで、食欲よりも先に別の欲を満たしたのだった。