とある緑の深い森で白い狼が一匹、小さなウサギを追いかけていた。

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ ガブッ
「よしっ、捕まえた！今日の昼飯はウサギだな！」ﾍﾟﾛﾘ

この白い一匹狼はニイナという獣人だ。
小さい頃親に捨てられずっと1人で生きており、今年で16歳になる。

「は〜食った食った。あとは食後の木の実でも探すカ〜。」

ニイナはよっこいしょっとゆっくりと腰を上げ、周囲に木の実があるか散策し始めた。

ﾌｶﾞﾌｶﾞ......!
「美味そうな匂いがする！アッチだ！」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

少し行ったところにポツンと一本の木がなっている。
その木には見たこともない青い実が一つだけなっていた。

「こんな木の実見たことねぇな......。でも凄く美味そうな匂いダ！」

ニイナは勢いよく上り始めたが、やけに高いところに木の実はなっており少し苦戦していると

「あと少し......！よしっ獲れた！へへっ美味そうダ！」
ﾊﾟｸﾘ
ﾓｸﾞﾓｸﾞ...

「なんか...変な味だな.......。甘くて酸っぱくて...ちょっと苦くてピリピリする......。」

不味い

「うう〜...変なもん食っちまった......。なんか頭もクラクラするし...目もチカチカする...。」

ニイナは頭を押さえながらフラフラとし始め、ついに地面に倒れて気を失ってしまった。