戦!セバ ユゼデビ


「君は隠し事とかなさそうだよねえ。」
「お向かいサンは多そうだよなー。」
厨房で、淹れてもらったコーヒーを飲みながらふと思ったことを口にしてみる。
すぐに返ってきた言葉はだけど決して嫌みでも何でもない。
僕は彼のこういうさっぱりとしたところが気に入っている。

この僕を恐れもせず、思ったことを口にしたり。
本来ならばお茶を飲みながら世間話のついでに、なんていう軽い話じゃないはずなのにデイビッド君は自分の過去を明るく打ち明ける。
自分の性癖だっていきなりカミングアウトしてしまう。
…いつだって嘘偽りない彼はまっすぐで綺麗だ。

「でもお向かいサンは隠し事が多くても、嘘はあんまり言わないよなあ。」
「そうだね。努力はしているんだよ。」
これでもね。
僕の全てを打ち明けることはきっと、出来はしないけど。
それでも君に嘘を言って傷つけたり、裏切ったりすることもないだろう。

いつだってまっすぐで綺麗で。
その陰りのない瞳が僕はとても好きだから。
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