戦!セバ デビB
「お、B君だ。」
料理の仕込みが終わり、休憩がてら窓に体を預け何気なく外を見ると庭の手入れをしているB君を発見した。
A君とお嬢ちゃんと一緒に草むしりをしているらしい。
腕をまくりちょっと面倒くさそうな様子が可愛くて、顔が勝手ににやけてしまう。
B君を見るだけでこんなにも嬉しくなる。
幸せを感じられる。
けれども。
「俺に気づいてくれないかなー。」
B君に見つめられて、笑顔を向けられて。
名前を呼んでほしい。
だけど厚い窓ガラスが俺の欲望を阻むのだ。
B君は俺がここにいることにきっと気づいてないんだろうなあ。
そんな事を思いながら未練がましくB君を眺めていると、不意にB君はびくりと体を震わせた。
あの強ばりようはお向かいサンだろうか?
案の定、どこからともなく現れたお向かいサンと、同時に迷いなく全力で逃げ出すB君。
「デデデイビッドさああん!」
迷いなく、俺へ向かって。
――ああ、B君よ。
君を見ているだけで俺はどんどん惹かれていく。
嬉しくて緩んでしまう表情を隠しきれないまま、B君を受け止めるために急いで窓を開けた。
見つめているだけで
(俺はこんなにも君に夢中)