戦!セバ その他


「君のその願いじゃ、もって今日一日というところかな。」
小筒に願いを吹き込んだら、やっぱりお向かいサンには筒抜けのようでわざわざ教えてくれた。
「一日もあれば十分だ!」
「他にいくらでも有意義な使い方があるだろうに。」
お向かいサンが呆れたようにぼやくけど、もうそこはスルーしてハニーに向き直る。
「ハニー!俺のことどう思ってる?」
「は…?いきなり何だデイビッド。」
ハニーはパチパチと瞳を瞬かせた。
けれど俺は早く答えを聞きたくてもう一度尋ねる。
「俺のこと好きか?」
普段は絶対に返事などしてくれないことだ、特に今はお向かいサンもいるし。
でも一度くらいハニーの口から聞いてみたい。
「ああ大好きに決まっているだろう。」
なのに、さらりと予想以上の返事がやってきた。
驚いてまじまじとハニーの顔を見る俺に、ハニーはばっと口をふさいだ。
みるみるうちに顔が赤く染まってそれはもう可愛らしい。
「ハニー!俺もハニーが大好きだぞう!」
「何なんだこれは…!」
いつもは辛辣な言葉が返ってくるけど、それはやっぱり全部照れ隠しだったんだなあ。
俺は思っていた以上にハニーに愛されてることを自覚した。
嬉しくてギューッとハニーに抱きつくと、口を押さえたままギロリと睨みつけられた。
でも赤い顔して睨んでも何も怖くないし、全部が照れ隠しなんだと思うと可愛いとしか感じない。
「もう駄目だ!こんな可愛いハニーを人に見せたくないし、ベッドに行こう!」
「待てっ…!」
ひょいとハニーを抱え上げると、傍観していたお向かいサンが楽しそうに言った。
「デイブ君明日、殺されないようにね。」
「そうだなー、今日これだけ幸せだからな!死んでも悔いはない!」
と、俺は本気でそう思ったんだけど。
「俺がお前を死なせるわけないだろう。」
またまたさらりと腕の中のハニーが嬉しい言葉をくれたから、今度こそ真っ赤な顔したハニーを抱えて自分の部屋に直行することにした。

寿命一年分の
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