戦!セバ ユゼデビ
人の生き死には、自分にとってはまるで一瞬のことのようだ。
近づいて親しくなるほど、直後にやってくる別れが辛くなると知って周りの全てから距離を置いていた…はずだったのに。
「お向かいサン、今日も早いなあ。」
「おはようデイビ君。」
「デイビッド!」
日課になるほど彼の元に通い詰めてる自分がいる。
「どうにも朝、君のコーヒーを飲まないと調子が出なくてねえ。」
言うとデイビッド君は嬉しそうに笑った。
ああ本当に。
明日は、一年後にはどれだけ愛しさが増すのだろうか。
…一体僕は彼がいなくなったらどうなるんだろう。
最近いつも考える。
どれだけの喪失感を味わってどれだけの後悔を覚えるだろうと。
それはきっと今までにないほどの、身を引き裂かれるような辛い思いをするに違いない。
分かっているのに、この思いを止められそうにはなかった。
愚かな選択でも構わない。
今はこの幸せにひたっていたいのだ。
愚かな選択