戦!セバ ユゼB


「うわああああ!」
オレは突っ伏して寝ていたテーブルからがばりと体を起こす。
最近夢見が悪くてろくに眠れなかったので、休憩中に一人で仮眠を取っていたんだけど…ここでもまた眠れない原因が夢に現れて飛び起きるはめになった。
っていうか今のは本当にやばい。
冗談じゃない内容に心臓がばくばくしている。

「B、どうした。」
「セバスチャン…!」
オレの叫び声が聞こえたのか休憩室にセバスチャンが入ってきた。
「…また夢に出てきたのか?」
問われて大人しく頷く。
セバスチャンには三日目くらいに一度相談したんだけど、夢で慣れればいいとばっさり言われた。
ちなみに今日で八日目だ。
「流石に長いな。やりすぎだと俺からユーゼフ様に言っておいてやる。」
…そう、眠れない原因はまさにその人。
夢の中でまで瘴気を撒き散らかされたり追い回されたり、とにかくユーゼフ様が現れて近づいてくる。
「僕が何だって?」
「ぎゃっ!」

ユーゼフ様!
逃げようとしたけど金縛りみたいなものをかけられて動けない。
今のオレにはそれを破る元気も残ってないから、もしかしたらこのまま死ぬかもしれないな…。
「ユーゼフ様。そろそろ夢でまでBを追い回すのは止めていただけませんか。」
「え?」
オレの現状など気にせず、セバスチャンは単刀直入に言ってくれた。
でもユーゼフ様は不思議そうに首を傾げる。
「全然僕に慣れてくれないしやつれていくのが可哀想だから、昨日で止めたよ?」
「…え?」
沈黙が流れる。
二人の視線がオレに向けられた。

え、じゃああの夢はオレが勝手に見たものなのか?
あんな、ユーゼフ様にくっついてそれで、それで…。
「うわああああ!」
思い出したら恥ずかしすぎて叫ばずにはいられなかった。
ばりっと勢いで金縛りを破って走り出す。

――確かに今日の夢はおかしかったよ!
いつもは怖いばかりのあの人に安らぎさえ感じてたんだから。
傍にいて触れられて、嬉しかったなんて。
そんな夢をオレが望んで見たってこと、になる…のか?
「嘘だあああ!」

夢で会いましょう
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