あなたの×××、引き換えます
「主様、本日のアーリーモーニングティーはウバにしました。外出なさるとのことだったのでスッキリシャッキリ目が覚めるように少し濃いm……うわあ!?」
担当執事がお茶を淹れながら素っ頓狂な悲鳴を上げた。物腰も声も穏やかな彼に似つかわしくない声音で、私までびっくりしてしまう。
「あ、あぁ、主様!?」
その狼狽えた声に犯人が私であることを知る。
もののついでなのでフェネスのお尻を撫で上げたその手で二、三回揉んでおいた。さすがよく鍛えているだけあって柔らかくてほどよい弾力のある、ふわふわヒップだ。
「な、ななな、何をなさっているのですか??」
「いやー、いい尻してんなー……って思って」
フェネスの背後に立っていた私は、彼の目の前に回り込む。顔を覗き込めば真っ赤っかだ。目には涙すら浮かんでいる。なるほど、痴漢とはこういう表情にすら唆られるのか。
妙なことに納得しながら私は席につき、紅茶にミルクを足した。カップにスプーンを泳がせながら何でもないことのように「あのさぁ」と切り出す。
「こないだ、クリスマスのプレゼントに何が欲しいか聞いてきたじゃない?」
「えぇ……ぐすっ」
されたことがよほどショックだったのか、目元を拭っている。それでも主である私と受け答えする精神力。
私はそれを買いたい。
なので、私は切り出す決意をした。
「クリスマスプレゼントはいらない」
「……は?」
ぽかんとするフェネスに私は思い切って一番欲しいものを口にする。
「フェネスがまるっと一日穿いて過ごしたぱんつが欲しい。買わせて!」
お願いします!!と両手を合わせた。が、フェネスからはノーリアクション。
うーん、やっぱり断られるか。諦めた心持ちで顔を上げれば、言われた当の本人は眼鏡の奥で顔を赤くしたり青くしたりで忙しい。
しばらくの沈黙ののち、フェネスは燕尾の右側を引っ掴んで股間を隠した。そして、あぅ……と呻いてから、申し訳なさそうにこちらに目を向ける。
「ど……どうしても、ですか?」
お?これはもうひと押しすれば売ってもらえる流れ?
「うん、どうしても」
左手で口元を覆いながら眉間に皺を寄せ、何か考えているらしい。ふぅ、とため息をついて、「仕方ありません」と呟いた。
「俺のパンツでよければ主様に差し上げます」
「えっ!?ホントに?買うから!言い値で買わせて!!」
タダというのはさすがに申し訳ない。財布を取りに行こうとしたら、しかし押し留められた。
「いえ、お金はいいです。その代わり……」
お、交換条件か?
「いいよ」
眼鏡の奥のはちみつ色の瞳が丸くなる。
「何でも言うこと聞くから」
「……本当に、いいんですね?」
……しまったかもしれない、と思った。
フェネスはいつも弱腰なのに、時々とても押しが強い時がある。もしかしなくてもそれがまさに今なのかもしれない。
だけど、この機会を逃すとフェネスのほかほかぱんつは手に入らないかもしれない。ここまで恥を晒しておいてそれは嫌だ。
「ええ、いいわよ。何でも言って」
私は胸を張った。
「それでは……あの、俺からプレゼントがあります。今日は一日それを身につけてお過ごしください。その夜、それと交換で俺のを差し上げます」
プレゼントなのに返さないといけないのか。ということはおそらくフェネスにとって大事なものなんだろう。そうならば尚のこと無碍にはできない。
「うん、お安いご用よ」
それでは少々お待ちください、と言って部屋を出ていくフェネスを見送った。
ミルクティーを楽しんでいるとノックの音が転がり込んできた。どうぞ、と告げれば失礼します、とまろやかなテノール。
「それではこちらを……」
それは丁寧にリボンをかけられた小箱だった。
「……開けても?」
上目遣いで尋ねれば、恥ずかしそうにはにかみながら小さく頷いている。
リボンを解き包装紙を剥き、小箱の蓋を開ければ薄いオレンジ色のレースが見えた。
「なあんだ、ハンカチくら……い……!?」
違う。これはハンカチなんかじゃない。
ふんだんにレースをあしらった、紐パンだ。
「こ、こここ、これを穿いて一日過ごすの?」
思わず声が上擦る。
「はい」
こら!頬を染めてはにかむんじゃない!!
「これと交換って、ま、マジっすか??」
「……主様は先程、お安いご用とおっしゃいました」
おい!胸を張るな!!
「とんだ変態がここに居るよおおお!!」
私の叫びにフェネスが目を剥く。
「主様に言われたくありません!!」
担当執事がお茶を淹れながら素っ頓狂な悲鳴を上げた。物腰も声も穏やかな彼に似つかわしくない声音で、私までびっくりしてしまう。
「あ、あぁ、主様!?」
その狼狽えた声に犯人が私であることを知る。
もののついでなのでフェネスのお尻を撫で上げたその手で二、三回揉んでおいた。さすがよく鍛えているだけあって柔らかくてほどよい弾力のある、ふわふわヒップだ。
「な、ななな、何をなさっているのですか??」
「いやー、いい尻してんなー……って思って」
フェネスの背後に立っていた私は、彼の目の前に回り込む。顔を覗き込めば真っ赤っかだ。目には涙すら浮かんでいる。なるほど、痴漢とはこういう表情にすら唆られるのか。
妙なことに納得しながら私は席につき、紅茶にミルクを足した。カップにスプーンを泳がせながら何でもないことのように「あのさぁ」と切り出す。
「こないだ、クリスマスのプレゼントに何が欲しいか聞いてきたじゃない?」
「えぇ……ぐすっ」
されたことがよほどショックだったのか、目元を拭っている。それでも主である私と受け答えする精神力。
私はそれを買いたい。
なので、私は切り出す決意をした。
「クリスマスプレゼントはいらない」
「……は?」
ぽかんとするフェネスに私は思い切って一番欲しいものを口にする。
「フェネスがまるっと一日穿いて過ごしたぱんつが欲しい。買わせて!」
お願いします!!と両手を合わせた。が、フェネスからはノーリアクション。
うーん、やっぱり断られるか。諦めた心持ちで顔を上げれば、言われた当の本人は眼鏡の奥で顔を赤くしたり青くしたりで忙しい。
しばらくの沈黙ののち、フェネスは燕尾の右側を引っ掴んで股間を隠した。そして、あぅ……と呻いてから、申し訳なさそうにこちらに目を向ける。
「ど……どうしても、ですか?」
お?これはもうひと押しすれば売ってもらえる流れ?
「うん、どうしても」
左手で口元を覆いながら眉間に皺を寄せ、何か考えているらしい。ふぅ、とため息をついて、「仕方ありません」と呟いた。
「俺のパンツでよければ主様に差し上げます」
「えっ!?ホントに?買うから!言い値で買わせて!!」
タダというのはさすがに申し訳ない。財布を取りに行こうとしたら、しかし押し留められた。
「いえ、お金はいいです。その代わり……」
お、交換条件か?
「いいよ」
眼鏡の奥のはちみつ色の瞳が丸くなる。
「何でも言うこと聞くから」
「……本当に、いいんですね?」
……しまったかもしれない、と思った。
フェネスはいつも弱腰なのに、時々とても押しが強い時がある。もしかしなくてもそれがまさに今なのかもしれない。
だけど、この機会を逃すとフェネスのほかほかぱんつは手に入らないかもしれない。ここまで恥を晒しておいてそれは嫌だ。
「ええ、いいわよ。何でも言って」
私は胸を張った。
「それでは……あの、俺からプレゼントがあります。今日は一日それを身につけてお過ごしください。その夜、それと交換で俺のを差し上げます」
プレゼントなのに返さないといけないのか。ということはおそらくフェネスにとって大事なものなんだろう。そうならば尚のこと無碍にはできない。
「うん、お安いご用よ」
それでは少々お待ちください、と言って部屋を出ていくフェネスを見送った。
ミルクティーを楽しんでいるとノックの音が転がり込んできた。どうぞ、と告げれば失礼します、とまろやかなテノール。
「それではこちらを……」
それは丁寧にリボンをかけられた小箱だった。
「……開けても?」
上目遣いで尋ねれば、恥ずかしそうにはにかみながら小さく頷いている。
リボンを解き包装紙を剥き、小箱の蓋を開ければ薄いオレンジ色のレースが見えた。
「なあんだ、ハンカチくら……い……!?」
違う。これはハンカチなんかじゃない。
ふんだんにレースをあしらった、紐パンだ。
「こ、こここ、これを穿いて一日過ごすの?」
思わず声が上擦る。
「はい」
こら!頬を染めてはにかむんじゃない!!
「これと交換って、ま、マジっすか??」
「……主様は先程、お安いご用とおっしゃいました」
おい!胸を張るな!!
「とんだ変態がここに居るよおおお!!」
私の叫びにフェネスが目を剥く。
「主様に言われたくありません!!」
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