イヤイヤ期の主様、お絵描きをする
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【魔の2歳児】とはイヤイヤ期の2歳児のこと——というのは知っていたけれど、主様のイヤイヤ期にも時折悩まされた。
馬車に関するものだけでもバリエーションがある。
例えば……馬車から降りるとき。抱っこをすれば身体を海老反りにして泣き喚いて、よくよく話を聞けば『自分の足で降りたかった』ということだった。
あと、乗るときに大泣きされたこともあった。何事かと思えば『右足から乗りたかったのに左足から乗ってしまった』とのことだったし、まだ止まっていない馬車の前に飛び出したので抱き上げればぐずりながら『走ってる馬に触りたかった』というようなことをおっしゃられて俺は頭を抱えた。
あ、でもかわいらしいエピソードもある。
お絵描きに夢中でお食事を拒否されそうになったことがあって「ポテト」と言ったら「ぽてと?」と俺と目を合わせてくださった。
「ええ、そうです。主様も大好きなロノ特製のポテトが冷めてしまいますよ?」
すると、俺と画用紙を見比べながら今にも泣き出しそうになっていた。
「主様。お絵描きは逃げませんがポテトは冷めておいしくなくなってしまいます。先にお食事を済ませてからお絵描きの続きをしませんか?」
そう提案すれば、にっこり笑って首を縦に振った。
3歳になってもお絵描き熱が冷めやらぬ、いや、より一層打ち込むようになった主様。赤い色のクレヨンがお気に入りらしく、赤色ばかりが減っていく。街に買い出しに行く執事に、ついでに画材店に寄って赤いクレヨンだけを買ってきてもらうこともしばしばだった。
ある日、主様がいつものように赤い丸を描いているのを見ていると、大きな赤い丸の中にある小さな赤い丸がふたつ。その右側の小さな赤い丸を黄色のクレヨンで丸く囲んだのだ。
「主様、もしかして、これは俺……ですか?」
すると主様は満面の笑みでこうおっしゃった。
「うん! すきなものをかいていいの。みやじがいってた」
好きなもの、好きなものって⁉︎ あああああ! 俺、嫌われてなくてよかった‼︎
馬車に関するものだけでもバリエーションがある。
例えば……馬車から降りるとき。抱っこをすれば身体を海老反りにして泣き喚いて、よくよく話を聞けば『自分の足で降りたかった』ということだった。
あと、乗るときに大泣きされたこともあった。何事かと思えば『右足から乗りたかったのに左足から乗ってしまった』とのことだったし、まだ止まっていない馬車の前に飛び出したので抱き上げればぐずりながら『走ってる馬に触りたかった』というようなことをおっしゃられて俺は頭を抱えた。
あ、でもかわいらしいエピソードもある。
お絵描きに夢中でお食事を拒否されそうになったことがあって「ポテト」と言ったら「ぽてと?」と俺と目を合わせてくださった。
「ええ、そうです。主様も大好きなロノ特製のポテトが冷めてしまいますよ?」
すると、俺と画用紙を見比べながら今にも泣き出しそうになっていた。
「主様。お絵描きは逃げませんがポテトは冷めておいしくなくなってしまいます。先にお食事を済ませてからお絵描きの続きをしませんか?」
そう提案すれば、にっこり笑って首を縦に振った。
3歳になってもお絵描き熱が冷めやらぬ、いや、より一層打ち込むようになった主様。赤い色のクレヨンがお気に入りらしく、赤色ばかりが減っていく。街に買い出しに行く執事に、ついでに画材店に寄って赤いクレヨンだけを買ってきてもらうこともしばしばだった。
ある日、主様がいつものように赤い丸を描いているのを見ていると、大きな赤い丸の中にある小さな赤い丸がふたつ。その右側の小さな赤い丸を黄色のクレヨンで丸く囲んだのだ。
「主様、もしかして、これは俺……ですか?」
すると主様は満面の笑みでこうおっしゃった。
「うん! すきなものをかいていいの。みやじがいってた」
好きなもの、好きなものって⁉︎ あああああ! 俺、嫌われてなくてよかった‼︎
1/1ページ