主様のこいびと 〜過去作再録集〜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
寝返りをひとつ打ったついでに胸いっぱい空気を吸い込めば、新鮮な木々の吐息に乗って紅茶の芳香が漂ってきた。この匂いは、きっとアールグレイ。私の想い人が好きだと言ったベルガモットだ。
まだ夢の中に居たがる目蓋だったけど、その世界に彼はいない。どうせなら彼のいる世界がいい。そういうわけで私は眠りを手放すことにした。
「おはようございます、主様。そろそろお目覚めかと思ってモーニングティーを淹れてきました。タイミング、ばっちりでしたね」
朝日の逆光を受けながら、換気のために少しだけ開けた窓から吹き込む風に毛先を泳がせているフェネス。彼のやったね! と呟く声はティーカップに注がれる紅茶のように弾んでいる。少年のように微笑む横顔はとてもじゃないけど昨夜と同一人物とは思えない。あんなに情熱的だったのに……。
まだ夢の中に居たがる目蓋だったけど、その世界に彼はいない。どうせなら彼のいる世界がいい。そういうわけで私は眠りを手放すことにした。
「おはようございます、主様。そろそろお目覚めかと思ってモーニングティーを淹れてきました。タイミング、ばっちりでしたね」
朝日の逆光を受けながら、換気のために少しだけ開けた窓から吹き込む風に毛先を泳がせているフェネス。彼のやったね! と呟く声はティーカップに注がれる紅茶のように弾んでいる。少年のように微笑む横顔はとてもじゃないけど昨夜と同一人物とは思えない。あんなに情熱的だったのに……。