主様のこいびと 〜過去作再録集〜
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「主様の担当に、ふたりの執事……ですか」
翌朝、フェネスに、ティーセットを下げに行くついでにベリアンを呼んできてほしいと言った。
ベリアンを始めとする一階の執事は、貴族からの依頼をこなして帰ってきたばかりだった。そのお疲れのベリアンにお願いをしてみたら案の定困惑を声に乗せられる。
「そう。フェネスには本を書くお手伝いをしてもらいたいから、その他の細々としたことをナックに頼みたいの。もちろんふたりとも手の空いてる時でいいから」
「本を書く……主様が、ですか? それで代筆にフェネスくんが必要なのですね」
当然出る誤解ではあった。
「違う違う、フェネスにお話してもらった内容を私が書くのよ。ベリアンは点字という文字、知ってる?」
「いえ……申し訳ございません、不勉強で」
申し訳なさそうな声音が聞こえてくる。
「ううん、いいの。知らないことは誰にだってあるから。
それでね、点字というのは紙に点々を打って読み書きする、目の不自由な人向けの文字のことなの」
「そのような方法で文字が……。それならば主様も本を読むことも書くこともできるのですね。それで、フェネスくんがするお手伝いとは?」
「フェネスが面白い夢を見たって言うから、それを私が書き起こしておきたくて」
ふふふ、と笑えばベリアンもクスリと笑みを漏らした。
翌朝、フェネスに、ティーセットを下げに行くついでにベリアンを呼んできてほしいと言った。
ベリアンを始めとする一階の執事は、貴族からの依頼をこなして帰ってきたばかりだった。そのお疲れのベリアンにお願いをしてみたら案の定困惑を声に乗せられる。
「そう。フェネスには本を書くお手伝いをしてもらいたいから、その他の細々としたことをナックに頼みたいの。もちろんふたりとも手の空いてる時でいいから」
「本を書く……主様が、ですか? それで代筆にフェネスくんが必要なのですね」
当然出る誤解ではあった。
「違う違う、フェネスにお話してもらった内容を私が書くのよ。ベリアンは点字という文字、知ってる?」
「いえ……申し訳ございません、不勉強で」
申し訳なさそうな声音が聞こえてくる。
「ううん、いいの。知らないことは誰にだってあるから。
それでね、点字というのは紙に点々を打って読み書きする、目の不自由な人向けの文字のことなの」
「そのような方法で文字が……。それならば主様も本を読むことも書くこともできるのですね。それで、フェネスくんがするお手伝いとは?」
「フェネスが面白い夢を見たって言うから、それを私が書き起こしておきたくて」
ふふふ、と笑えばベリアンもクスリと笑みを漏らした。
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