Ep.1
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「…おまえが…泣くなよ…。」
また彼の大きな手が頭をぽんぽんと撫でる。
「悪かった…。馬鹿正直なおまえの為に弾けばいいんだろ。感謝しろ。」
彼はそのベースを取り出し歌う。マイクもアンプもない中。
掻き鳴らす。
「……。」
これを聴きたかった。
ずっと。待ってた。
この音を待ってた。
ギター弾いてた人の音もいつの間にか聞こえなくなってた。
魅入るでしょ?
私は1番最初に気付いたんだから。
低く、耳を澄まさなければ逃しそうな音。
でも彼の音は
まるで
逃がさねえ。
そう言ってるように捉えさせる。
これが黒崎蘭丸の音だ。
私が信じて欲しいと止まない音だ。
「…ありがとう…蘭丸。」
口から零れる。
それと同時に自然と流れるものがあった。彼の音に夢中になるだけ。
いつの間にか人だかりを作っていた。
そんな中でも私を見つめるかのように
視線がバッチリあったようなそんな
「…ーー。」
口だけ。声には出さない。
でも確かにそれは
あ り が と な 。
そう動いていた。
あの人、馬鹿なんだろうな。
ついて行くから。
だからそのありがとうは
もっと有名になったら聞かせてよ。
こんな小さな人だかりじゃないとこで。
彼とこうして会話をしたのはこれが最後だった。
次に会う時はバンドマンとファン。
私は有言実行する為に駆け回るなんてきっと
今は思わない。
彼に会いに行くと言った自分の為に。
彼の為に。
彼はきっと忘れる。
ステージに立てば全て。
だから一瞬を大切にするんだ。
私はファン。
ファン第一号だから!
今はこの大きな拍手を覚えてて。
また彼の大きな手が頭をぽんぽんと撫でる。
「悪かった…。馬鹿正直なおまえの為に弾けばいいんだろ。感謝しろ。」
彼はそのベースを取り出し歌う。マイクもアンプもない中。
掻き鳴らす。
「……。」
これを聴きたかった。
ずっと。待ってた。
この音を待ってた。
ギター弾いてた人の音もいつの間にか聞こえなくなってた。
魅入るでしょ?
私は1番最初に気付いたんだから。
低く、耳を澄まさなければ逃しそうな音。
でも彼の音は
まるで
逃がさねえ。
そう言ってるように捉えさせる。
これが黒崎蘭丸の音だ。
私が信じて欲しいと止まない音だ。
「…ありがとう…蘭丸。」
口から零れる。
それと同時に自然と流れるものがあった。彼の音に夢中になるだけ。
いつの間にか人だかりを作っていた。
そんな中でも私を見つめるかのように
視線がバッチリあったようなそんな
「…ーー。」
口だけ。声には出さない。
でも確かにそれは
あ り が と な 。
そう動いていた。
あの人、馬鹿なんだろうな。
ついて行くから。
だからそのありがとうは
もっと有名になったら聞かせてよ。
こんな小さな人だかりじゃないとこで。
彼とこうして会話をしたのはこれが最後だった。
次に会う時はバンドマンとファン。
私は有言実行する為に駆け回るなんてきっと
今は思わない。
彼に会いに行くと言った自分の為に。
彼の為に。
彼はきっと忘れる。
ステージに立てば全て。
だから一瞬を大切にするんだ。
私はファン。
ファン第一号だから!
今はこの大きな拍手を覚えてて。