Ep.6
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「っそれもそうですねっ!私だけ、らん、…黒崎さんって呼ぶのも変ですもんね!」
緊張が超えて、下手したら何か口走りそうだ。
「…蘭丸でいい。黒崎さんとか仰々しい。」
んで名前は?って聞かれた。
「深雪です。呼びづらかったら、縮めて呼んでもらっても大丈夫なので…!」
あえて苗字は名乗らなかった。
知られたくなかったから。
でも蘭丸は何かを思って目を大きく開く。
「…深雪…?」
「はい…?」
泣きそうになって目頭が熱くなる。
覚えてた。間違いなく。
でも、私は忘れたいから。貴方のこと、知らないフリをする。
「…?どうしました蘭丸さん?」
「え…いや、なんでもない…。知り合いによく似てて名前も一緒だったから、びっくりしたんだ。」
まるでそうであって欲しいかのように覗きこまれた。
「っ…!深雪なんて名前よくありますし、私の顔、結構、普通顔なので…他人の空似ですかね。」
やめて。そんな目で見ないで。
お願い。私のことは忘れて。
お願い。私のことを覚えてて。
お願い。私のことを嫌いになって。
お願い。私のことを好きになって。
矛盾だらけの私の心を静めて。
「そうかも、な…。」
「その人の事、もう少し詳しく聞いてもいいですか…?蘭丸さんのこと知りたいから。」
知りたくない。でも私の気持ちは蘭丸を求めてた。
「別に面白くもねえよ。」
「スクープとかじゃなくて、単純に。話せる範囲で構いません。」
こっちから視線を逸らした。
「…知らねえよ。もう何も。手紙すら寄越さなくなったしな。」
ああ。1年前を皮切りにファンレターは出してなかったから。
「では始めまーす!!素敵なひと時をどうぞ!」
始まった。
私はそこから動けずにいた。
でもカメラが回れば蘭丸はプロだ。
空いてた距離を詰める。
「なあ、深雪、おれはここまで来た。おまえのいうおれは、おれでいれてるか…?」
ぎゅうっと抱きしめられる。
耳元で言われたその言葉は私に向けられたものなのか…私の過去に向けられているのか…。
でも私は私でいることがもう無理だった。
涙が溢れちゃうんだもん。もう他人でなんて無理だよ。
私は
「…離して、蘭丸。」
離された空間に手紙をつきだす。
「…これ、待っててくれた…?」
「なに…おまえが泣いてんだよ…相変わらず泣き虫なやつだ…。」
あの時よりも女性らしくなった私と男性の蘭丸。
年月を勝手に感じる。
優しく私の涙を、ぬぐい取る蘭丸の手は暖かった。
この手をずっと求めていた。
本当にずっと。
その手を両手で包み込む。
「…ずっと、会いたかった…蘭丸。」
大きくて、でも私より白いんじゃないかと思う手。
ゴツゴツしてて、少しカサついてる指。
愛しいんだ。私。
緊張が超えて、下手したら何か口走りそうだ。
「…蘭丸でいい。黒崎さんとか仰々しい。」
んで名前は?って聞かれた。
「深雪です。呼びづらかったら、縮めて呼んでもらっても大丈夫なので…!」
あえて苗字は名乗らなかった。
知られたくなかったから。
でも蘭丸は何かを思って目を大きく開く。
「…深雪…?」
「はい…?」
泣きそうになって目頭が熱くなる。
覚えてた。間違いなく。
でも、私は忘れたいから。貴方のこと、知らないフリをする。
「…?どうしました蘭丸さん?」
「え…いや、なんでもない…。知り合いによく似てて名前も一緒だったから、びっくりしたんだ。」
まるでそうであって欲しいかのように覗きこまれた。
「っ…!深雪なんて名前よくありますし、私の顔、結構、普通顔なので…他人の空似ですかね。」
やめて。そんな目で見ないで。
お願い。私のことは忘れて。
お願い。私のことを覚えてて。
お願い。私のことを嫌いになって。
お願い。私のことを好きになって。
矛盾だらけの私の心を静めて。
「そうかも、な…。」
「その人の事、もう少し詳しく聞いてもいいですか…?蘭丸さんのこと知りたいから。」
知りたくない。でも私の気持ちは蘭丸を求めてた。
「別に面白くもねえよ。」
「スクープとかじゃなくて、単純に。話せる範囲で構いません。」
こっちから視線を逸らした。
「…知らねえよ。もう何も。手紙すら寄越さなくなったしな。」
ああ。1年前を皮切りにファンレターは出してなかったから。
「では始めまーす!!素敵なひと時をどうぞ!」
始まった。
私はそこから動けずにいた。
でもカメラが回れば蘭丸はプロだ。
空いてた距離を詰める。
「なあ、深雪、おれはここまで来た。おまえのいうおれは、おれでいれてるか…?」
ぎゅうっと抱きしめられる。
耳元で言われたその言葉は私に向けられたものなのか…私の過去に向けられているのか…。
でも私は私でいることがもう無理だった。
涙が溢れちゃうんだもん。もう他人でなんて無理だよ。
私は
「…離して、蘭丸。」
離された空間に手紙をつきだす。
「…これ、待っててくれた…?」
「なに…おまえが泣いてんだよ…相変わらず泣き虫なやつだ…。」
あの時よりも女性らしくなった私と男性の蘭丸。
年月を勝手に感じる。
優しく私の涙を、ぬぐい取る蘭丸の手は暖かった。
この手をずっと求めていた。
本当にずっと。
その手を両手で包み込む。
「…ずっと、会いたかった…蘭丸。」
大きくて、でも私より白いんじゃないかと思う手。
ゴツゴツしてて、少しカサついてる指。
愛しいんだ。私。