青鬼様
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俺の村には古い云い伝えがあった。
青鬼を見たら両手を合わせて敬い、赤鬼見たらその場から静かに立ち去れ
みたいな、昔の言葉なんて覚えられなくて、ばあちゃんに今の言葉で教えてもらった。
今の時代に鬼なんているわけないって思ってたけど、ばあちゃんが子供時代には本当に何人かが死んだりいなくなったらしく、俺も子供の頃はよく悪さをすれば赤鬼に喰われるぞってよく脅されてた。
まあよくある言い伝えさ。
でも他と違う所といえば、青鬼には敬意を払えという所だろうな。
しかもこの青鬼はよく出没するらしいが、俺はまだ見たことがない。
見たことがあるという友達にどんなものか聞いてみても、すごく綺麗だったとか。
鬼に綺麗とか意味分かんねぇって思った。
でもその友達の言ってたことは正しかったんだって実感した。
今、俺の目の前にいるコレは友達が言っていたソレ、青鬼なんだろうって直感した。
突然現れた青色の何かに呆然としながらも、頭の中は意外にも冷静だった。
青鬼って、青い色をした鬼じゃなくて青白く光る鬼火だったのか......と。
青鬼の正体が鬼火だったんなんて誰も教えてはくれなかった。
でも友達が青鬼は綺麗だと行っていた意味が分かった。
俺もめっちゃ綺麗だって思ってしまった。
思わず口から漏れてしまうほどに。
青鬼は俺の周りをゆらゆらと浮遊していた。
それはまるで俺を観察するかの様に。
どれくらの時間が経ったのか、俺の観察を続けていた青鬼がゆっくりと離れていき少しずつ消えていく。
あれは一体何だったのか。
それはあの青鬼にしか分からないことだった。
途中だった帰路に戻れば、あたりは既に暗闇が一面を制し、それでもまだ眠りについていない場所からは明かりが漏れて、まるで宇宙の片隅に置き去りにされたような感覚に包まれた。
「ただいまー」
まだ明かりのついた玄関の扉を開けながら、中にいるであろうばあちゃんに声をかけた。
俺の声が聞こえたであろう、ゆっくりとした動作で奥の今から出てくる。
「おかえり悠ちゃん。今日は随分と帰りが遅かったねぇ、何かあったのかい?」
ばあちゃんの問いかけに生返事で答えた。
ばあちゃんの手を引いて今に戻る途中、俺はそうだ、と思ってばあちゃんに聞いてみることにした。
「ばあちゃん、ばあちゃんは青鬼を見たことってあるんだったか?」
「何だい、急にそんなこと聞いて」
「いや、もしかしたら......俺もその青鬼に出会ったかもしれなくて」
そう言った途端、ばあちゃんの足が止まり、蒸した夏にも関わらず周りの空気が幾分か凍りついたみたいに寒くなった。
「悠ちゃん、その話は本当かい?」
「え、あ、うん。それにしても青鬼の正体が青い鬼火だったなんて知らなかったから、めちゃくちゃ吃驚したよ。なんで誰も教えてくれなかったんだ?」
「そんなことよりも青鬼様と出会った時、ちゃんと両手を合わせたのかい!?」
すごい剣幕で詰め寄ってきたばあちゃんに俺はたじたじとなり、一瞬言葉に詰まったあと「......忘れてた」と漏らした。
その言葉を聞いたばあちゃんは顔を真っ青にし、腰が抜けたようにその場にへたり込んでしまった。
慌ててばあちゃんの背中に手を添えながら聞いてみた。
「なぁどうしちゃったんだよ。なんで俺には何も教えてくれないんだ!」
俺の必死さが伝わったのか、悲しげな表情を浮かべていたばあちゃんが、「わかったよ、教えてあげるから今に連れてっておくれ」と言ってくれた。
俺は肩を貸し、再びゆっくりとした動作でばあちゃんを今まで連れて行き、いつもの場所に腰を下ろさせた。
俺もばあちゃんの目の前に座ったが、自然と伸びた背筋は緊張の現れだろう。周りの空気も少し重くなったようだった。
青鬼を見たら両手を合わせて敬い、赤鬼見たらその場から静かに立ち去れ
みたいな、昔の言葉なんて覚えられなくて、ばあちゃんに今の言葉で教えてもらった。
今の時代に鬼なんているわけないって思ってたけど、ばあちゃんが子供時代には本当に何人かが死んだりいなくなったらしく、俺も子供の頃はよく悪さをすれば赤鬼に喰われるぞってよく脅されてた。
まあよくある言い伝えさ。
でも他と違う所といえば、青鬼には敬意を払えという所だろうな。
しかもこの青鬼はよく出没するらしいが、俺はまだ見たことがない。
見たことがあるという友達にどんなものか聞いてみても、すごく綺麗だったとか。
鬼に綺麗とか意味分かんねぇって思った。
でもその友達の言ってたことは正しかったんだって実感した。
今、俺の目の前にいるコレは友達が言っていたソレ、青鬼なんだろうって直感した。
突然現れた青色の何かに呆然としながらも、頭の中は意外にも冷静だった。
青鬼って、青い色をした鬼じゃなくて青白く光る鬼火だったのか......と。
青鬼の正体が鬼火だったんなんて誰も教えてはくれなかった。
でも友達が青鬼は綺麗だと行っていた意味が分かった。
俺もめっちゃ綺麗だって思ってしまった。
思わず口から漏れてしまうほどに。
青鬼は俺の周りをゆらゆらと浮遊していた。
それはまるで俺を観察するかの様に。
どれくらの時間が経ったのか、俺の観察を続けていた青鬼がゆっくりと離れていき少しずつ消えていく。
あれは一体何だったのか。
それはあの青鬼にしか分からないことだった。
途中だった帰路に戻れば、あたりは既に暗闇が一面を制し、それでもまだ眠りについていない場所からは明かりが漏れて、まるで宇宙の片隅に置き去りにされたような感覚に包まれた。
「ただいまー」
まだ明かりのついた玄関の扉を開けながら、中にいるであろうばあちゃんに声をかけた。
俺の声が聞こえたであろう、ゆっくりとした動作で奥の今から出てくる。
「おかえり悠ちゃん。今日は随分と帰りが遅かったねぇ、何かあったのかい?」
ばあちゃんの問いかけに生返事で答えた。
ばあちゃんの手を引いて今に戻る途中、俺はそうだ、と思ってばあちゃんに聞いてみることにした。
「ばあちゃん、ばあちゃんは青鬼を見たことってあるんだったか?」
「何だい、急にそんなこと聞いて」
「いや、もしかしたら......俺もその青鬼に出会ったかもしれなくて」
そう言った途端、ばあちゃんの足が止まり、蒸した夏にも関わらず周りの空気が幾分か凍りついたみたいに寒くなった。
「悠ちゃん、その話は本当かい?」
「え、あ、うん。それにしても青鬼の正体が青い鬼火だったなんて知らなかったから、めちゃくちゃ吃驚したよ。なんで誰も教えてくれなかったんだ?」
「そんなことよりも青鬼様と出会った時、ちゃんと両手を合わせたのかい!?」
すごい剣幕で詰め寄ってきたばあちゃんに俺はたじたじとなり、一瞬言葉に詰まったあと「......忘れてた」と漏らした。
その言葉を聞いたばあちゃんは顔を真っ青にし、腰が抜けたようにその場にへたり込んでしまった。
慌ててばあちゃんの背中に手を添えながら聞いてみた。
「なぁどうしちゃったんだよ。なんで俺には何も教えてくれないんだ!」
俺の必死さが伝わったのか、悲しげな表情を浮かべていたばあちゃんが、「わかったよ、教えてあげるから今に連れてっておくれ」と言ってくれた。
俺は肩を貸し、再びゆっくりとした動作でばあちゃんを今まで連れて行き、いつもの場所に腰を下ろさせた。
俺もばあちゃんの目の前に座ったが、自然と伸びた背筋は緊張の現れだろう。周りの空気も少し重くなったようだった。
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