三人寄れば
名前変換について
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
要は勘違いだ
俺達馬鹿な三人の間抜けな勘違い
誰だ最初に自殺じゃねーかって言ったのは
あ、総悟だ
後で必ずシメてやる!
「よかったな、ピアス見つかって」
服をほろいながら話す土方は二本目の煙草を吸っている
一本目は暴れた時に波にのまれた
「はい……見つかると思ってなかったから本当によかった……!」
まだ涙声の女は、愛おしそうにピアスを握っている
事情を聞いた土方は心から安心し、心から疲れていた
ピアスも見つかったしと帰る女の背中を見つめて深くため息をついた
「あれ……土方さん一人で戻ってきやすよ?あれ……あの女も帰ってく……」
「どういう事だ?あ、トシ!あの娘は大丈夫なのか!?」
「何が死のうとしてるだ!ただ落としもん拾いに来てただけじゃねぇか!!」
元凶の沖田にゲンコツを食らわし、二人に怒鳴りつける
自分の醜態は隠したままに、本人から聞いた事情を説明した
「なんでィ、ややこしい真似しやがって。警察舐めてんのかあのアマ」
「元はと言えばお前のはやとちりだろ!何が痴情の縺れだ!縺れてんのはテメェの頭だろ!!」
「まぁまぁトシ、何も事件にならなかったんだからいいじゃないか。あの娘は幸せになるべきなんだよ」
「何目線だよ近藤さん!つかなんで泣いてたんだ、さっき」
土方をなだめて、ようやくパトカーにもどる三人
5分のはずが、一体どれだけここにいたのだろうか
一時間……いや、それ以上な気がする
どっと疲れた体を車のシートに沈めると、エンジンをかけていたおかげで暖かい車内に、今までの緊張の糸が切れた
「トシ、コンビニ寄って。缶コーヒー買うから」
寄ったコンビニの駐車場で、待っている間にラジオをつけた
疲れて沈黙が広がっている車内に、いつもは聞かない番組が流行りの歌かなんかを流している
近藤が戻ってきて、再びパトカーは動き出した
『では、次のコーナーいってみましょう!
真冬なのにさらに寒くなっちゃおうという馬鹿げた企画でございます!
そう、怪談ですよ~!!
都市伝説的なものから実際にあった話まで、先週リスナーの皆さんに募集しましたよねぇ?
その中でも、多くの人から寄せられた……この話をチョイスしてみました!
タイトルは~……
【見つけてはならないピアス】ブチッッ
「あ、なんでィ土方さん。これから話始まるってのに……消さねェで下さいよ」
「いやほら、か、会話を楽しもうと思ってよ!そういうコミュニケーションが今失われつつあんだろ!?」
「何言ってんでィ……会話もクソも、土方さんとコミュニケーション取る気なんてさらさらねェんでさ………もう、寝やす………」
「え、ちょ、そ、総悟?助手席の奴はそんな簡単に裏切っちゃだめだかんな!?そうだ……こ、近藤さ「ぐごー……」
「何の為にコーヒー買ったんだよ!!ちょっ……二人ともマジふざけんな!起きろ!!お、起きて下さい!!お願いします!!お願いだからァアアア!!!」
.
終
7/7ページ