三人寄れば
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車のライトを浴びながら、我らが局長近藤勲が戻ってくる
遠目ではっきり見て取れなかったが、体勢を低くして、なにやら説得に当たっていたのが伺える
女は一人になるとその場をウロウロして海に入るのを躊躇っているようだった
「近藤さん!どうだったんだ!?あの女は………って近藤さん?」
「うぐ……ひくっ……トシ、後は頼んだぞ……!!」
「は!?何があったんだよ!?どういう状況か説明しろよ!」
「あの娘はいい娘だ……それだけだ!ぶわっ!!」
そのまま沖田の胸に顔を埋めて泣きだす近藤
嗚咽混じりに「お妙さんの馬鹿」など、そんな言葉が漏れてきたのを沖田はスルーした
「土方さァん、しっかり頼んまさァ。引き止めて連れてきて下せェよ。失敗したら全責任土方で」
「チッ!なんで俺がお前らの尻拭いなんざ……まぁ、さっさと片付けてきてやるよ」
新しい煙草に火をつけて、副流煙なんだか息なんだかわからない白いもやをくぐって例の如く近付いた
ざっ、ざっ、ざっ……
歩けば歩く程、明かりが届かなくて闇に覆われている
最初の幽霊騒動を思い出し、背筋に冷たいものが走った
落ち着け、大丈夫だ
あれは人間の女だ………
辿りつき、暗がりで見た女は地に体を這わせていた
「なっ………」
その異様な光景に息を飲む土方
砂を掘っては移動し、また砂を掘る
それを繰り返す頭は髪が乱れて前に垂れていた
爪にはびっしり砂が入り込み痛々しい
ピタリ
女の動きが止まった
「あ、足……動かさないで……!!」
発した声は緊張しているようだった
そのまま女は土方の足へと手を伸ばす
「え!?や、あ、ちょ「動かないでって言ってるでしょおおお「ぎゃァアアア!!きっときたァアアア!!!」
貞子(土方ビジョン)の突撃を受けた土方はそのまま砂浜に転がった
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいィイイイ!!!」
もしこの姿をテレビなんぞで放送されていたら、なんの迷いもなく切腹していたであろう土方の醜態
体を丸めてもがく副長の横で女は泣きながら笑っていた
「あった……!!」
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