三人寄れば
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なんだろう
何か向こうの方で男の人が騒いでるみたいだけど
まったく……酔っ払いかしら
さっさといなくなってもらいたいんだけど
……それより何処に落としたのかしら
誕生日プレゼントに彼から貰ったピンクダイヤのピアス
家にもないし車にもない
レストランに問い合わせても、そんな落とし物はないって言われたし……
そうなったら夕方チラッと寄ったこの浜辺しかないじゃない……
辺り一面砂だらけ
微弱なケータイの明かりだけを頼りに落とし物を探す女は必死だった
それでも半分以上は諦めている
一人で探せるわけがない
ここで落としたとして、見つかるわけがない
はぁ……
肩を落として深くため息をつく
正直に彼に謝ろう
かじかんだ手にはぁっと息を吹きかけていると、後ろから声がした
「ダメですぜィ?何があったかしらねぇが……人生これからじゃねェか」
うっすら明かりを背に背負って、さっきから煩かった酔っ払いらしき一人が話し掛けてきた
思わず「ひぃっ」と小さく叫ぶと、かすかに笑う若者は続けた
「自ら命を捨てるなんざ、ドMプレイにも程がありまさァ。それよか俺に任せてくれたらもっといいプレイで楽しませてやりやすぜ?」
「は、はぁ……」
ドヤ顔の少年は口元に笑みを浮かべていた
いきなりドMだのプレイだの、何を言っているのかわからない
やはり酔っ払いに絡まれてしまったのだろうか
めんどくさそうに相槌を打った
「あ、あの……なんの用でしょ「手錠はやっぱり欠かせないと思いやせんか?」
「は?」
「手錠は便利ですぜ?まぁ仕事柄常に携帯してるってのもありやすが……まず音がいい。ジャラジャラジャラジャラ……支配下に置いた気になりやせんか?それにあの輪も小柄な女ならするっと抜けそうに見えるでしょ?だがそうもいかねぇんでさ。上手い具合に出来てるんですぜ?」
「そ、そうですか……知りませんでした……」
「お宅、使った事はねーんですかィ?」
「あ、あるわけないじゃないですか!彼にそんな趣味はありません!!」
「随分ノーマルなんですねィ……………あ、ちょっと失礼しやすぜ?なんか呼んでるみたいなんで……」
そう言ってアブノーマルな男は引き返して行った
今のは一体なんだったのか
新手のナンパだろうか
それともただの性癖バラシだろうか
いやいや、性癖バラシってなんだ
新しい妖怪の名前だろうか
やっぱりさっさと帰った方がいい
ピアスよりも自分の身を案じ始めて、砂浜に残っている自分の足跡を辿って帰ろうとしたら
「いや~、こんな真っ暗だと海も黒くて怖いよね~」
第二の男に捕まった
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