俺のお姫様


だめだ、クラクラするだけだ

下を向けていた顔を上げて姫を見る
土方の頭の整理を待つ姫は、ただ笑顔を向けている

理解はしたが納得はしていない
ため息をつきながら土方が口を開いた


「お、お前が俺の娘だって証拠は」

「えー……そんなの持ってきてないよぉ。強いて言うなら……目元、似てない?子供の頃から目付き悪いって言われてたんだけど」

「目元、だと……?」


そう言われれば………なんて考えが過る
目だけじゃなく、鼻の形も似ているような
確かめるように頬に手を添えると、無邪気な5歳に戻っていた姫


「ね!信じてくれた!?」

「いや……他人のそら似ってのもあるからな……」

「あーもう!頭固すぎ!めんどくさい!!」

「めんどくさいってなんだよ!こういうことは慎重にだなぁ!」

「はいはいはいはい!もういいです、わかりました!んとに……もう帰るから打ち明けたっていうのに」


はぁっとため息をついた姿が瓜二つだということに土方は気付いていない
隠し持っていた時計のような物を見ると、姫は立ち上がった


「ま、そのうちわかるでしょ。これが嘘でも夢でもなかったって。パパが結婚して私が生まれたら!」


立った姫の足がうっすらと消えてきた
未来で設定した終了の時間が迫っているらしい
娘かどうかは置いといて、タイムスリップしてきたということは事実のようだ


「じゃあね、パパ!すっごく楽しかったよ!」

「オ、オイ!んな急に……!」

「今のパパも渋くてカッコいいけど、若いパパも最高にカッコ良かったよ!」

「姫!!」

「その呼び方ね、パパが小さい頃の私を呼ぶ呼び方なの。堅物のパパのくせにね!久しぶりに聞けて嬉しかったよ!」

「おい、姫!!」

「またねパパ!泣いちゃダメだよ?元気でね!」


その言葉を残して、姫は跡形もなく消えた

荒くなった自分の呼吸だけが響く部屋
布団は乱れ、確かにそこに二人で寝ていた
まだぬくもりが残るそれを整えながらブツブツ言う


「なにがまたねだっ……信じねぇ……信じねぇぞ、俺はっ……」


枕を定位置に直して、何故だか浮かんできた涙を拭った





「おはようございます、土方さん。あれ……姫は?」


煙草をふかしながら眠たそうにする土方に声をかける沖田
小うるさいオマケが付いてなくて不思議に思う
まさかもう迎えが?
その問いには答えずに、土方はこう言った


「………総悟、お前確か昨日ビデオ回してたよな」

「あー、撮ってやしたよ?それが何か?」

「………………後で俺に見せろ」

「え?」


そう言うと見廻りだと言って歩いていった
その背中は寂しそうで、沖田は確信した


「ヤベェ………土方さんがロリコンに目覚めちまった……!」


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